手元のNanoVNA-H4が不慮の事故によって動かなくなってしまった。LiteVNA 64やNanoVNA-F V2があるので特に困りはしないのだけど、やはりリファレンスとしてNanoVNA-H4も持っておきたい。それに、最近のNanoVNA-H4はmicroSDスロットがついていみたいなのも気になるし。LiteVNAでmicoSDがついているのを体験しており、あれはやはり便利だから。
発注
その最近のNanoVNA-H4はハードウェアバージョンが4.3らしい(コミュニティの書込みなどを見ていると)。ということで、AliExpressで検索してみる。
4.3をうたっているところがいくつか見つかる。こことかこことか。この辺のショップに発注しようかと思ったのだけど、折角の機会なので(?)、公式ストア(ZeenKo)に発注してみようかと。販売価格は他のショップとさほど変わらない(ZeenKoの方がわずかに高い)が、他のショップは送料無料なのに対して、ZeenKoだと結構かかる。今(2022年7月)のレートで換算して日本円で約1,000円。結構大きい。
それよりも気になるのが、ZeenKoの販売ページには「4.2」と記載されていること。それはさすがに避けたいので事前に問い合せてみたところ、4.3でmicroSDスロットもついているということが確認できた。曰く、他にパクられると困るのでそういう情報は載せていないと。うーん、ユーザが安心感を感じられないのって、公式ショップとしてなんか違うんじゃないかと言う気もするが…。
ま、ともかく、大丈夫そうなことが確認できたし、もし、これで変なのが届いたら返品の理由にできるので、ZeenKoに発注した。
4.3をうたっていないショプだともっと安い(US$50台)。値段重視ならそういうところもありかも。ただし、古いバージョンが届く可能性もあるので、事前に確認したほうが良さそう。
外観・内部
発注から二週間ほどで到着。
化粧箱や中身は特に変らず。
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ちなみに、サイズ感は大雑把に言えばスマートフォン程度(厚さは二倍くらいか?)。
ちゃんとmicroSDのスロットがある。
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裏のラベルにはHW version: 4.3と明記されている。また、MS5351Mを使用していることを表す「MS」の表記もある。
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MS5351M使用についてはHugen氏によるこちらの書込み。
カバーを外して中の基板を見ると右下に「V4.3」の印字がある。
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MS5351Mを確認。
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表側。
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外したついでに液晶保護シートを貼り付け。光沢タイプだと反射して見づらいので、アンチグレア(マット)で。以前まとめて買ったものを適当なサイズにカットして使用。
それから、microSDのスロットとカバーの間に隙間があって、カードを差すときにそこに落としてしまう可能性がある。これをやってしまうとビスを外してカバーを開けないと落としたカードが取り出せない(貯金箱状態)。LiteVNAでそれをやってしまって往生したことがあるので、microSDカードスロットの上に適当なクッションを両面テープで貼り付けた。
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これなら間違ったところに入る事故は防げるだろう(蓋を閉めた後で上手く機能してくれることを確認した)。
なお、ファームウェアは1.1.01(公式の現時点の最新バージョン)が入っていた。アンチグレアのフィルムを貼ったので写真にとってもテカらずにわりと見やすい。気泡が入っているのがなんだけど…。
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試用
まず、日時は、CONFIT → EXPERT SETTINGSの中にSET DATEとSET TIMEがあるので、それで設定する(テンキー入力)。
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使い方はNanoVNAそのものなので、変ったところはない。
下はアンテナ等価回路とHPFを測定してみた様子(トラ技の記事で測定したものと同じ)。
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これらはNanoVNAのスクリーンショット機能でmicroSDに保存したもの。解像度はNanoVNA-H4本体のディスプレイと同じ(画面イメージそのままをビットマップファイルに落としている)。
microSDをPCに持っていくとこのようにみえる。
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この他、S1P、S2P形式でも保存できる。
NanoVNA-H4、NanoVNA-F V2、LiteVNA 64の簡単な比較
大雑把にまとめると、値段を抑えたいならNanoVNA-H4、高い周波数までを望むならNanoVNA-F V2かLiteVNA 64。
NanoVNA-H4は1500MHzまで測定できるけど、900MHzより上はダイナミックレンジが狭い。ハードウェアバージョン4.3ならmicroSDカードが使える(本記事)。
NanoVNA-F V3は3GHzまで。画面が最も大きく、解像度も高い。アルミケースでバッテリも巨大(その分重いが)。microSDスロットはないけど、本体内メモリに保存できる(PCにUSB接続で取り出せる)。画面キャプチャはできないけど、s1p、s2pファイルとして保存して、NanoVNASaverで表示させられる。
LiteVNA 64は6.3GHzまで。筐体はNanoVNA-H4と共通。microSDカード使用可能。なお、S-A-A-2のプロジェクトと揉めている。
その他の記事一覧。
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