しばらく棚上げ状態になっていたuBITXの作業をそろそろ再開しよう。手始めに、現状のスプリアスの測定から。
昨夏、ハムフェアのアンリツブースで測定してもらっている。
先日入手したOSA103 Miniのスペクトラムアナライザ(FFTアナライザ)モードを使って測定し、先の測定結果と比べてみる。
測定環境・条件
測定の条件は、ハムフェアでの測定時のものにできるだけ合せる。
- 電源: 18650×3のバッテリ
- モード: CW
uBITXとOSA103 Miniの接続は50dB(30dB + 20dB)のアッテネータを介して行う。
各バンドでの測定
3.5MHz
本来の周波数付近で左右への広がりが見られるが、これはこのアナライザの特性か?アンリツのスペアナでの測定では見られなかったものだし、とりあえずは、置いておく。
7MHz
10MHz
14MHz
18MHz
21MHz
周波数が高くなってきたので、ここからはスペアナのスパンは1GHzで(ここまでは100MHzスパンだったが、21MHzだと第5次高調波で100MHzを超えてしまうため)。
24MHz
28MHz
1.9MHz
本来のuBITXは1.9MHzには対応していないが、CEC版ファームウェアでは1.9MHzも使えるようになっているため測定しておく(ハムフェアの際もおまけとして測定した)。
ひどい状況だけど、uBITXには1.9MHz用のLPFはないので仕方ない。
まとめ
OSA103 Miniでの測定結果は、ハムフェア会場でのアンリツブースでの測定結果と概ね一致している(一致してくれないと困るのだけど)。例として、第3次高調波の測定値を一覧にしておく。
第3次高調波測定値
バンド | アンリツ | OSA103 |
---|---|---|
3.5 | 19.49-(-23.77)= 43.26dBc | 40.65 dBc |
7 | 19.40-(-19.72)= 39.12 dBc | 40.87 dBc |
10 | 16.87-(-18.72)= 35.59 dBc | 35.65 dBc |
14 | 17.33-(-24.19)= 41.52 dBc | 45.65 dBc |
18 | 13.89-(-34.23)= 48.12 dBc | 49.57 dBc |
21 | 12.21-(-44.11)= 56.32 dBc | 50.87 dBc |
24 | (未測定) | (未測定) |
28 | (未測定) | (未測定) |
1.9 | 18.93-12.73= 6.2 dBc | 6.96 dBc |
24MHzと28MHzでは、(第3次を含めて)目立った高調波は見られない。また、ハムフェア会場での測定では、高調波以外の周波数でいくつかピークが見られるが、場所柄、いろんな電波が飛び交っているので、そうした余計なものも拾っている可能性もある。
ということで、uBITXのLPFを変更して、OSA103 Miniで測定すれば、大体のところは掴めそう。
【参考】
uBITXのLPFのバンクは以下のように分かれている。
- 3.5MHz
- 7/10MHz
- 10/14MHz
- 21/24/28MHz
バンクの切替えはリレーで行っているが、各リレーは入力と出力の両方が通っているためここでクロストークを起こす可能性がある。言い換えれば、入力と出力をそれぞれ別のリレーで行えば、高調波はもう少し低くなると期待できそう。
また、21/24/28MHzはリレーを一つしか通らないが、10/14MHzでは二つ、7/10MHzと3.5MHzは三つ経由する。低いバンドほど、クロストークの機会が増えてしまう構造になっている。ここも、リレーを独立させた方がスプリアスの面で有利になるだろう。
※uBITXは少ないリレーで済ませようという設計思想。
では、続きは各バンドのLPFの設計ってことで。
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