激安USBロジックアナライザ
通販サイトを見ていると、ものすごく安いロジアナが目に留まった。例えば、Amazonだとこれなど。
USB接続で表示等はPCを使うので本体はとてもシンプルなわけだけど、それにしても安い。24MHz 8chなら、ちょっとしたことはできそう。
eBayやAliExpressだとさらに安かったり。
とはいえ、問題はソフトウェア。PCを使って動作させるのだから、当然、ソフトが必要。しかし、上記のような商品の説明を見てもそれについての情報がない。
調べてみたところ、どうやら、フリーのソフトが使えるみたい。参考にした記事はこちら。
この記事で紹介されているsigrokがこれ。
このソフトが対応しているハードウェアはたくさんある。
通販サイトで見つかる激安ロジアナもたくさん掲載されている。
また、上記ブログによれば、メインチップはCypressのCY7C68013Aらしい。汎用のオペアンプやトランジスタなら偽物をでっち上げやすそうだけど、こういう特殊なチップならそういうのはないんじゃなかろうか?と、勝手な思い込みではあるけれど、こういうチップだと偽物チップを作る手間は大変そうに思う(割に合いそうにない)。
ということで、いろいろ探して一番安いのを発注してみた。US$4.7位だった(送料無料)。日本円で500円強。なんともバカ安。
開封と動作確認 ~ 動かない…
届いたのがこれ。
ついでに、クリップ式のプローブも注文してみた。同じ業者。写真は黄色だったのに、届いたのは青色。うーむ…。
早速、ソフトウェアをインストールして試してみる。まずはシンプルに一つ(CH1)だけに適当に信号を入れる。しかし、まったく信号が拾えない。ソフトウェアも初めて使うものなので要領がわからず、何がなんだか。試しに別のチャネルを使ってみたらあっさり動いた。ひょっとしたら、最初に試したCH1が死んでる?
ということで、急遽、全CHに信号(8MHzのX’tal OSCの出力)を入れてみた。
どうやら、CH1とCH4が死んでるらしい。念のため、配線を入れ換えて試してもみたけど、どうやってもCH1とCH4だけが動かない。運悪く死んでいるCH1で最初に試してみたようだ。いや、最初に不具合のCHを見つけられたので運が良かったのかもしれない。最初のチャネルで動いたらそれで全部OKだと思ったかもしれないから。
開腹
こうなると、中を見てみたくなる。蓋は単純にはめ込んであるだけで、簡単に開いた。
あれ?なんかおかしい。
メインチップの表面が削られているじゃないか。何じゃ、こりゃ。ニセモノではないとしても、検査不良で落ちたチップとか?ともかく、これはダメでしょう。
ちなみに、sigrokのサイトにある同じ型と思われるものは、ちゃんと刻印が入ったチップが載っている。
Open Dispute
まともに動かず、明らかにおかしなチップが載っているので、クレームを入れた。こういう場合は、大抵は、詫びを入れてきて全額返金してくれる。また、プローブも黄色じゃなかったので、同じ業者だし、こちらもついでに。
まずは、プローブの方に関して驚きの回答が来た。
いきなり、ひどい言われよう。色指定がなければランダムに送る、とか言われたって、そもそも、サイトに一色(黄色)の写真しか掲載されていなし、複数の色があるなんて説明はない。色の選択肢なんてもちろんない。なお、「close」は「color」の誤記だと思われる。
続いて、ロジアナに関してはこういう回答。
嘘つき呼ばわりされ、タダで手に入れよとしているとか言われてしまった。
チップの表面が削られていることを指摘してみた。
これに対しての回答がこれ。
まったく話にならない。
結局、AliExpressの介入により、ロジアナについては返品不要で全額返金となった。こんなゴミがあってもしょうがないんだけどなぁ。
しかし、残念ながら、こちらについては、AliExpress裁定でも認められなかった。なんでだろ?
AliExpressやeBayで購入すると多少はトラブルはあるけれど、これまでは、どこも適切な納得できる対応をしてくれた。あ、業者がバックレて音信不通になったことはあったか。それでも、このときはeBayが弁済してくれた。ともかく、こんなにひどい対応の業者は初めてだ。
今回はひどい商品、ひどい業者に当たってしまったけど、ちゃんと動くものもあるはず。最安値狙いは考えものか。
またしても、ICチップの表面が削り取られたものに遭遇。
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