が、気になったのはヘンテナの帯域の狭さ。ヘンテナって帯域が広いと思っていたのでこれは意外だった。単に私の思い違いか?ちなみに、ダイポールはかなり広い。
ヘンテナの仲間でさらに帯域が広いものといえば、2/3λヘンテナ。そこで、2/3λヘンテナも同条件でシミュレートしてみる。
横 1.02m、縦 3.72m。給電ポイントは縦エレメントの中央。
自由空間
リアルグランド、3m高
高さは給電エレメントが基準。この形だと下に1m位伸びており、その分、地面に近い。なので、試しに4m高での様子も見ておこう。
やはり、3m高の場合とは少し違う。ひどく違うわけでもないけど。
リアルグランド、10m高
やはり、帯域はだいぶ広いようだ。
一覧にしておこう。
ダイポール | UNEクワッド(中央部給電) | UNEクワッド | Δループ | ヘンテナ | Skydoor | 2/3λヘンテナ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
自由空間、ゲイン | 2.07 dBi | 4.2 | 4.27 | 3.52 | 5.08 | 5.29 | 5.32 |
自由空間、バンド幅 | 2.39 MHz | 0.80 | 0.67 | 0.77 | 0.41 | 0.39 | 1.04 |
3m高、ゲイン | 7.28 dBi | 8.98 | 8.91 | 8.5 | 9.39 | 8.89 | 8.38 |
3m高、打上角 | 27.8 度 | 19.1 | 18.9 | 21.6 | 18.8 | 21.6 | 22.5 |
3m高、バンド幅 | - MHz | 0.75 | 0.64 | 0.67 | 0.41 | 0.41 | 1.05 |
10m高、ゲイン | 7.96 dBi | 9.71 | 9.72 | 9.1 | 10.61 | 10.81 | 10.81 |
10m高、打上角 | 8.4 度 | 7.5 | 7.5 | 7.8 | 7.5 | 8.0 | 8.2 |
10m高、バンド幅 | 2.12 MHz | 0.81 | 0.67 | 0.77 | 0.41 | 0.39 | 1.03 |
2/3λヘンテナはゲインが高いことにも期待したが、さほどでもなかった。ゲインはヘンテナやSkydoorと対して違わない。しかし、バンド幅(SWR<1.5)は期待通り広い。ヘンテナやSkydoorの二倍以上。UNEクワッドよりもさらに広い。
もう一点、特筆すべきはSWRが地上高の影響を受けないこと。他のアンテナは地上高によってSWRがかなり変化するが、2/3λヘンテナはほとんど動かない。計算(設定)を間違っているかと思ったけれど、バンド幅は微妙に違うので間違っているわけではなさそう。インピーダンスのグラフもそれぞれ異なっているし。
ということで、コンパクトさならUNEクワッド、調整の楽チンさ(帯域が広い、SWRが安定)は2/3λヘンテナ、という結論。ちょっと大きくても構わないなら普通のヘンテナよりも2/3λヘンテナがいいと思う。とはいえ、6mバンドだと長辺は3mと4mで、1mも違ってしまう。そこは悩みどころ。
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