uBITX v3では、送受切替時に激しいポップノイズが発生する。
新版のr4(v4)では、その対策が入っている。
送信時にオーディオアンプの手前で信号をミュートを掛けている(FETによるスイッチでGNDに落とす)。
どんな感じで動くのか、r4で入った対策回路をシミュレートしてみた。
V100(赤)が送受切替信号(T/R)。送信時にC1がチャージされ(V101(緑))、一定レベルになったところでFETがONになって(V102(青))ミュートがかかる。送信時にはダイオードD1を通じてC1に充電されるので、即座にミュートされる。「即座」とはいえ、まったくのゼロは不可能なので、ホンの少しは遅れるが。受信時にはR1を通じての放電のため、やや遅れてミュートが解除される。上の回路の定数(r4と同じ)では、160ms程度。
試しに、R1を100kΩから200kΩに変えてシミュレートしてみた。
この値だと、270msほどに遅延時間を延長できるようだ。
では、続いて、実機で確認。定数はr4のものそのまま(上の回路で言うところのR1は100kΩ、つまり、解除遅延時間は160ms程度)。また、r4ではR70が10Ωから1kΩに変更されているので、それも行った。
実際の動作の様子。
始めは対策回路を入れない状態。盛大なポップ音が聞こえる。10秒過ぎからアンチポップ回路を接続すると見事にポップノイズは消える(リレーの動作音だけ聞こえる)。受信→送信も、送信→受信も。送信から受信に戻る際のミュート解除遅延時間はこれで問題なさそう(延ばす必要はなさそう)。
ただし、AFボリュームを上げると(28秒あたり)、受信から送信に移るところでは多少のポップ音が聞こえる。ミュートがかかるのに若干の遅れが生じるためだろう。とはいえ、それほど大きな音でもないし、ボリュームをあまり上げなければ気にならないレベルではある。まぁ、これくらいは仕方ないか。
本質的な問題は、送受の切換えの度にアンプ回路の電源がON/OFFされる点にある。これを解決するには、ND6T局の回路のようにアンプの電源はON/OFFせずに信号線をスイッチ(および、ミュート)すればいいんだろうと思う。
パーツが多くなってしまうこともあるが、それよりも、uBITX本体基板の改造が増えることが面倒そう。どうするかなぁ。
コメント