PR

uBITX、IFフィルタの帯域幅可変実験~その2

前回の実験で、IFフィルタの帯域幅を変化させられることは確認できた。

uBITX、IFフィルタの帯域幅可変実験
uBITXのIFフィルタの帯域を可変させる回路の実験をやってみた。可変と言っても、もちろん狭くする方向。元ネタはこちら。 Variable IF bandwidth from W1EAT 複数のX'talとコンデンサで構成されているフィルタ...

しかし、考えてみると、これでは元の回路(コンデンサ)にバリキャップ分が必ず追加される。バリキャップの容量はゼロにはできないため、これでは元よりも帯域が狭くなってしまう。ここで使っているバリキャップの最小容量は少なくとも15pF程度はある。元のコンデンサが100pFなので、15pFは無視できない容量。受信時はさることながら、送信時も影響を受けるわけで、あまりいい感じではない。

であれば、いっそのこと元のコンデンサを外してしまい、バリキャップだけにすればいいのでは?可変における最小容量を元のコンデンサの値の100pF程度とし、増える方向に調整できるようにすれば目的に叶いそう。このバリキャップの最高容量は600pF程度(0.5V時)なので、つまり、100~600pFで使うということ。

でも、せっかくなら、帯域を広くできるようにしてみるのも面白いかも(例えば、デジタルモードで広い範囲が見える)。目標は20~600pFの可変かな。前回の実験で、極端に狭くする(容量を増やす)とやや挙動がおかしいように感じたので、500pF程度までにしておくのが無難かも(元のコンデンサもなくなるので、最大限まで使ってもいいのかも知れないけれど)。

また、広くする方向も考えるなら、五つのうちの三つだけではなく、五つ全部を可変対象にしないと意味が薄れそう。

ということで、定数を検討した結果がこちら。

今回は、送信側も入れてある。送信時には、元のコンデンサと同じ100pF程度になるように、4.5V位が出力されるようにした。LSspiceによるシミュレーションでは、13.8V時で4.88V、12V時で4.20V。

受信側は、13.8V時で1.46~7.33Vの可変(静電容量では400~30pF程度)。12V時で1.23~6.33V(同じく430~40pF程度)。VRの中点で、概ね4.5V(100pF)になる(B特性の場合)。

uBITX基板上の元のコンデンサ(C217、C218、C219、C220、C221)は外す。

そして、実際に動かしてみた様子がこちら。

最初はVRを中点にし、元と同じ程度の帯域幅から。広げたり狭めたり。狭めた方の効果は極端にスパッと切れてくれるわけではないけど、混信具合によっては聞きやすくなるように感じる。広げる方の効果はかなりある。(混信がなければ)広いほうが聞き易いように思う。特に、中波のAM放送ではそれが顕著(SSBモードでのゼロビート受信)。明らかに良くなる。
50秒くらいのところで別の交信に切り替えている(ビデオを編集して)。いきなり混信して来たわけではない。一応、念のため。

CWでは広くなる、狭くなると言うよりも、通過帯域がシフトしているように感じる。また、前回の実験で感じた、極端に狭くするとかえって混信が増えるようなことは感じなかった。上限容量をある程度のところで抑えた効果かな。

なお、実験では送信側の回路は実装していない。

ところで、uBITXをCWモードにすると、それだけで帯域が狭くなる。回路図を見てもCWでIFフィルタが狭くなるような機構はなさそうなんだけど。AF段にもなさそうだし。どうやって実現しているんだろう?


【追記】
温度によるバリキャップの容量変化を確認するため、ドライヤで温めたり(ラップで包んだ)氷で冷やしたりしてみたが、聴感上では変化を感じなかった。

無線機
この記事のタイトルとURLをコピーする
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメント