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CG-3000のノイズ対策 – トラップコイルを挿入

CG-3000からの2m FMメイン(145.00MHz)へのノイズに悩まされている話の続き。

放射源の確認

これまで、CG-3000からのノイズの発生を防ぐ方策で何とか押さえ込んできた。

しかし、これでもまだなお日によってはノイズが発生し、145.00MHzに被ってくる。

ここまでは「日によっては」という状態だったが、先日、CG-3000のエレメントを短くしたところ、「常時」ノイズが出るようになってしまった。

ハンディ機を持ってCG-3000の付近でノイズレベルをチェックしてみると、本体からもアース線からもノイズが出ているようだけど、アンテナエレメントからの放射が一番強いことが確認できた。想像通りではあったが、一応、確認ということで。

今回の対策方針

ここからさらにノイズを抑えるには、CG-3000のシールドをどんどん強化するのも手だろうが、これまでもかなりやってきたつもりにもかかわらずこの状況なので、まったく別の方策を試してみる。

ハンディ機を使った検証でアンテナエレメントからの放射が強いことがわかったので、このエレメントに145MHzのトラップコイルを入れてみよう。HFのマルチバンドダイポールなどで使われるトラップコイルの手法の応用。例えば、7/21MHzの2バンドダイポールなら、21MHzのフルサイズダイポールのエレメント先端に21MHzに共振したトラップコイルを付ける。共振しているので21MHzではハイインピーダンスになってそこら先のエレメントは電気的に存在しない。7MHzに対しては共振していないのでインピーダンスは高くはなく、ローディングコイルとして機能する。

これと同じ考え方で、CG-3000のアンテナワイヤ接続端子の直ぐ側に145MHzに共振したトラップコイルを挿入し、145MHzに対しては、そこから先のエレメントが存在しないことにする。これならノイズは放射されにくくなるんじゃなかろうか?実際にアンテナとして使う周波数帯(1.8~28MHz)に対しては大したインピーダンスではないだろうからトラップは実質的に存在しない(素通し)ことになるだろう。ローディングコイルとして機能するほどのコイルでもないし。

トラップコイルの設計

ということで、まずは、トラップコイルの作製。芯として8D-2V。これに1mmのウレタン線を巻きつける。8D-2V(にかぎらず、xD-2V)は1cmあたり1pFのキャパシタンスを持つ。ということで、数cmで数pF。仮に、4pFだとすると、145MHzに共振させるには、コイルは0.301µH、3pFなら0.402µH。計算には、MMANA-GAL_Basicの付属(内蔵)ツールを使った。

この計算からは、145MHzに対してインピーダンスが数百Ωになることもわかる。思ったほど高くない気もするけど、ま、いいか。

では、巻数の計算。これも同じツール(の別モード)を使う。8D-2Vの直径は11.5mm。ウレタン線の直径が1mmなので、コイルの直径はワイヤのセンタ間で12.5mmになる。コイルのインダクタンスは間を取って0.35µHにすると、約5回巻きという計算結果。空芯ではなく、同軸ケーブルを芯材として使うため、計算値よりもおそらくインダクタンスは高くなるだろうが、多い分にはコイルを解けばいいのでこの回数で。

トラップコイルの製作

構造は至ってシンプル。同軸ケーブルにウレタン線を所定の回数巻きつけ、コイルの両端を同軸ケーブルの芯線と網線につなぐ。ディップメータで共振点を探し、目的の周波数(145MHz)で共振するように同軸ケーブル(コンデンサ)を切ったり、コイルの巻数を加減する(現実的には減らす方向だけ)。

調整途中の写真を取るのを忘れたため、これはすでに完成形。そのため、接続用のワイヤ(2mmのIV線)を取付けた状態。これくらいの高い周波数になると、ディップメータと被測定コイルをほぼ密着させるくらいに近づけないとディップがわからなかった。

調整中に気づいたのだけど、使った同軸ケーブルは8D-2Vではなく、10D-2Vだった。道理で切りにくいわけだ^^; 設計(計算)時よりも太くなるため、コイルはたくさん解く羽目になった。ちなみに、この同軸ケーブルは秋葉原の富士無線さんで「ご自由に」という切れ端コーナで頂いたもの。ありがとうございます。

周波数はカウンタを使って確認した。1.2GHzまで測れるもので、eBayで1,500円くらいで買える。

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アップにすると汚いなぁ。最終的にはコイルは巻きピッチも変えて微調整した。

最後に、自己融着テープでぐるぐる巻きに。

あまり考えずに、さっきの状態のままテープを巻いたので、ワイヤの取り出しが90度になっている。意味はない。巻いたあとで、どうしてこういう形にしたのかと思ってしまった。

それから、懸念はしていたけど、テープを巻いたら、案の定、共振周波数が下がった。135MHz位。やはり、高めにしておけばよかったと思ったけど、もう遅い。使ってみてダメだったら考える。

こちらがCG-3000に取付けた状態。

結果、ノイズは減ったか?

さて、肝心の2m FMメインへのノイズはどうか?

これがビックリするほど激減。まったく感じられない。とは言え、これまでの対策でもノイズが消えたと思ったら数日後にまた出てきたりしたので、油断はできないが。なお、この状態でも、ハンディ機を持ってCG-3000の近くに行けばノイズが出ていることが確認できる。

それから、HF帯への影響の有無も問題。まずは、チューニングに関しては、トラップを入れる前との違いはなさそう。同じようなSWRの落ち方をしてくれる。受信も特に差は感じない。送信も影響はなさそう。とは言え、最近はコンディションが悪すぎてQSOできないことが多く、よくわからないのが実感。PSK Reporterではそれなりに飛んでいそうなことが確認できる。

30mバンド

40mバンド

80mバンド

しかし、今になって思えば、わざわざこんなトラップコイルを作らなくても、ロングワイヤのエレメントを数回程度巻いてコイルにすればトラップになったかも。


再発…

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