NanoVNA-H4をアンテナアナライザとして使うための設定を予めまとめたファイルを公開しているが、その記事に対して「ファイルが読めない」というコメントをもらった。
先に結論を書くと、ファームウェアのバージョンが上がって、設定ファイルのフォーマットが変ったようで、以前のものが読み込めなくなっている。ということで、そちらの記事で公開している設定ファイルは新しいものに対応できるように差替えておいた。
ここから下が、ファームウェア更新自体のはなし。
公式ファームウェア(Hugen氏版)はしばらく新しいものは出ていなくて、2024年2月に公開されたものが1.2.27。今回、それからちょうど1年後の2025年2月に1.2.43が公開された。
これの説明によると、最近のハードウェア変更に伴う対応かな?
- NXP SA612A (製造中止)からZeeTK NE602Aへ変更
- Si5351/MS5351からSJWCH5351へ変更
これまでは、銘板にMSの記載があればMS5351が使用されている、何もなければSi5351が使用されているということだったけど、それに加えてZKと記載されていていればZeeTK NE602A/SJWCH5351が使われている、ということになったようだ。
で、この1.2.43で上記の「設定ファイルが読めない」問題が起きた。
ファームウェアのアップグレード方法は、以前書いた記事のとおり。
実行。

ファームウェアの書込みが終ったらNanoVNA-H4の電源を入れ直して起動。

念のため、MODEをチェック。手元のものはMS5351版なので、そうなっていることを確認(なってなければ、設定して、保存)。

さて、問題はここから。保存してあった設定がすべてなくなっている(Empty)。

どうやら、設定ファイルのフォーマットが変ったのだろう。それで、アンテナアナライザ用の設定ファイルも読み込めなくなった、と。

ということで、改めてアンテナアナライザ用の設定を行って、それをmicroSDカードに保存する。

以前のSWR_HF.calに加えて、今回、新たにSWR_HF_1_2_40.calとした。これを読み込めば、当然、ちゃんと読めて設定が反映される。

この新しいファイルは、こちらの記事で公開している(使い方の説明も)。
ところで、公式版ファームウェアの元になっているのはDiSlord氏版。こちらは、1.2.29、1.2.40がリリースされいる。
ソフトウェアとしての機能追加や変更などはあるようだけど、ZeeTK NE602AやSJWCH5351については触れられていない。1.2.40のあとに追加されたのかな?開発者フォーラムなどを漁れば情報が見つかるかもしれないけど、そこまではやっていない。
一応、念のため、1.2.40での動作も確認しておく。

こちらでも、SWR_HF_1_2_40.calはちゃんと読み込めた。ということで、フォーマット変更は1.2.27のあと、1.2.40までの間のどこかで行なわれたのだろうけど、その情報探しもやっていない。
余談ながら、この後、1.2.27に戻してみたら、Emptyだった設定ファイルの一覧が戻ってきた。ということは、メモリの配置が変ったんだろうな。とはいえ、古いのを使う理由もないので、1.2.43を再度入れておいた。
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