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PL-330使用記(D-808との比較など)

TECSUNのPL-330をAliExpressのセールで購入してから一か月くらい。ちょこちょこいじってて感じたことやXHDATAのD-808と比較など。

外観・内部

仕様

公式サイトから抜粋。

  • 周波数範囲
    • FM: 64-108 MHz / 76-108 MHz / 87-108 MHz / 88-108 MHz
    • LW: 153-513 kHz
    • MW (AM): 520-1710 kHz / 522-1620 kHz
    • SW: 1711-29999 kHz
  • 機能
    • SSB(USB/LSB)
    • 同期検波
    • FMステレオ(イヤフォン時)
    • メモリ数: 850
    • 外部アンテナ端子(FM/SW)
    • 充電式バッテリ
  • サイズ: 139 x 85 x 26 mm (W x H x D)
  • 重量: 約210g

機能(仕様)上のD-808との大きな違いは、エアバンドがないこと(D-808は対応している)。

外観

まず、中国からの通販にしては珍しく、二重段ボールで梱包されていた。この上にビニル袋。外箱も潰れたりせずに、とてもきれいな状態で届いた。

内容物は、本体の他に、イヤフォン、マニュアル(英文)、USBケーブル(充電用)、ソフトケース。

電池は、BL-5C。

VX-3と同じかと思ったけど、違った。BL-5Cは元々は携帯電話用だと思うが、汎用品のようになっていてAmazonなどで普通に買えるので、交換が必要になっても入手に困ることはないだろう

よくできていると思ったのが、電池を抜いても時計は動き続けていること。バックアップされているようだ。D-808は電池を抜くと(または充電が切れると)すぐに時計はリセットされてしまって不便だけど、PL-330ではそういうことにはならないですみそう。

充電端子はUSB Type-C。手元にあるD-808はmicro USBだけど、Type-Cに慣れてしまうとmicro USBは裏表の区別がとても不便に感じる。D-808も最近のモデルだとType-Cになっているという話も聞くが未確認。

話が先走ってしまうけど、充電中もノイズが極端に増えるということもないようだ。電源にもよるかもしれないが。

D-808とのサイズ比較

比較用にCDも置いてみた(直径は12cm)。

PL-330の方が一回りくらい小さい。厚みもだいぶ薄いので、感覚的には二回りくらい小さいと言ったほうがいいかもしれない。

内部

裏のネジ四本を外したら簡単に開けられた。

このCD1622CBというICがラジオチップかと思ったのだけど、これはオーディオアンプのICのようだ。

目視できるネジを外してみたけれど、バラせなかった。ラジオチップを確認たかったのだけど、壊すのも嫌なので断念。検索してみたら、バラしている写真がとあるBBSに見つかった。けれど、ラジオチップは写っていない。シールドケースがあるようなので、その下か?

このBBS、ドメイン名から想像するに、TECSUNの公式?

操作方法

初期設定

FMの周波数範囲やMWの周波数ステップなど、基本的な設定は数字ボタンの上にある赤字のもので、電源オフの状態でそのボタンを長押しで変更・設定される。

バンド切替え・モード切替など

数字キーの右のボタン群でバンド切替えなどを行なう。

バンド切替え

MW/LWで中波と長波の切替え(トグル)。FM/ST.でFMのモノラルとステレオの切替え(ステレオはイヤフォン時)。SW(短波)は、その下の<と>のボタン。それぞれ、バンド(なんとかメータバンド)の上下を意味している。

チューニングとメモリ

自動チューニング・メモリ登録

バンド切替えボタンを長押しするとバンドをスキャンしてメモリに登録してくれる。スキャンは結構早い(D-808と比較して)。

短波の場合は、>ボタンでそのバンドのスキャン、<で全帯域のスキャンになる。全帯域スキャンは、当然時間がかかる。

スキャン・メモリでは、既存のメモリは消去されず、新しく見つかった局はマージされる。周波数が低い順にソートされ、既存のメモリの番号は変更される。

スキャンを強制終了させるには、もう一度そのボタンを押す(他のバンドボタンではなく、今スキャンしているバンドのボタン)。

手動チューニング

側面の上のダイヤルがチューニング。近くにあるSTEPボタンを押すと、周波数ステップが変る。

  • LW / MW: 9(10)kHzステップ、1kHzステップ(1kHz単位の上に逆三角マーク)
  • FM: 100kHzステップ、10kHzステップ(10kHz単位の上に逆三角マーク)
  • SW
    • AM: 5kHzステップ、1kHzステップ(1kHz単位の上に逆三角マーク)
    • SSB: 以下の順で切り替わる
      • 1kHzステップ(1kHz単位の上に逆三角マーク、切替時は低速点滅)
      • 5kHzステップ(1kHz単位の上に逆三角マーク、切替時は高速点滅)
      • 10Hzステップ(10Hz単位の上に逆三角マーク、切替時は点滅)

10キーでダイレクトに周波数を入れることもできる。

手動メモリ登録

MEMORYボタンを長押しすると、今の周波数がメモリに登録される。スキャン・メモリ時と同様に、周波数の低い順に自動ソートされる。言い換えると、メモリ番号は自動で(勝手に)変更される。

メモリ消去

メモリモード(後述)で使用している状態で、[DELETE]ボタンを長押しすると画面に「dEL」の表示が点滅する。[DELETE]ボタンを一旦離して、すぐにもう一度[DELETE]ボタンを押すとその周波数がメモリから削除される。メモリ番号は自動ソートされる。

全メモリを一括消去するには、電源オフの状態で[DELETE]ボタンを長押し。「dEL」の表示とともに、「ALL」の表示が点滅するので、すぐに電源ボタンを押す。これで全消去。少々時間がかかる。

なお、バンドごとにまとめて消去することはできないみたい。一つずつ消すか、すべてのバンドを一括で消すか。

周波数チューニングモードとメモリモードの切替え

VF/VMボタンでチューニングモードがトグル。周波数、または、メモリ番号が点滅する(点滅したほうが有効)。

モード切替え(SSB)

SSBボタンを押すとSSB(または同期検波)モードになる。もう一度押すとAMに戻る。

LSBとUSBの切り替えは、それぞれのボタンで。

AM帯域幅選択

AM BWボタンを押すと帯域幅の選択になる。

  • AM: 2.5 / 3.5 / 9.0 kHz
  • SSB: 0.5 / 1.2 / 2.2 / 3.0 / 4.0 kHz

選択は側面の下側のダイヤルを回し、希望の数値になったところで、AM BWボタンを押して確定。なお、このダイヤルは通常時は音量調整。

その他

バックライトはデフォルトでは一定時間で消灯する。常時点灯させるには5のボタンの長押し(長押しでトグル)。

操作ロックはSTEPボタンの長押し(トグル)。

DISPLAYボタンで表示項目の切り替え。

時刻設定はTIMEボタンの長押し。

他にもアラームなどいろいろあるけれど、使うつもりが余りないので省略。

使用感

ダイヤルによるチューニングでは、D-808と同様、バサバサ切れる感じ。でも、D-808程はひどくない。手元のD-808は7年前に購入したものなので、だいぶ古い。今は改善されているかもしれない(未確認)。

SSBモードでは、チューニングダイヤルのステップが5kHz、1kHz、10Hzと切り替えられるが、その表示方法が分かりづらい。1kHzでは、1kHz台の数字の上に小さな三角が出て一定時間点滅する。5kHzではその点滅が高速になるだけ。判断しづらい。まぁ、ダイヤルを回せばすぐに分かるけど。それと、ステップ変更のボタンが小さすぎて押しづらい。これは、他のボタンにも言える。

また、ボタンの並びが直感的でない。どこに何があるか表示を見ないとわからない。ボタンを必要な数だけきれいに並べてから、後で機能を割り振ったんじゃないかとさえ思える。ちょっと調べてみたら、PL-320という機種があって、外観がこれとほとんど同じ。機能的には、PL-320にSSBを追加したものがPL-330のようだ。PL-320の筐体(ボタンの並びを含む)を流用したようなので、「ボタンを先に配置して後から機能を割り振った」という見立てはあながち間違いではなさそう。PL-320は背面にスタンドが仕込まれていて、便利そう(PL-330ではなぜ採用しなかったのだろう?)。

D-808はチューニングダイヤルは5kHzと1kHzの切替で、別途FINE-TUNEのダイヤルがある。そのFINE-TUNEダイヤルで10Hzステップで動かせる。二つに分かれていて使いづらいなと思っていたのだけど、PL-330を使ってみてD-808の仕組みのほうが合理的だと今さらながら気づいた。ただ、D-808の5/1kHz切替えにも不満があって、ダイヤル自体をプッシュして切り替えるのだけど、1kHz→5kHz→STOPとなっていて、途中にいちいちストップ(ダイヤルロック)が入るのが鬱陶しい。

そして、決定的な違いは音質。PL-330の音は「昔のポケットラジオ」と言って「あぁ、あれか」と想像できるような質感。低音も高音もまるで出ない。かと言って、アナウンスなどが聞き取りやすいかといえばそうでもない。了解度というのか明瞭度というのか、そういうのが低い。ただし、それはスピーカで聞いた場合。イヤフォンだとD-808と比べてさほど大きな違いないので、PL-330のスピーカがダメなのか、スピーカ駆動用のアンプがダメなのか、そんな感じ。

PL-330とD-808での受信音の違いをビデオ撮りしてみた(AM/FM編とSSB/CW編の二本)。本体サイズの違いのせいもあるのか、D-808の方が圧倒的に聞きやすい。が、この録画・録音を聞くと、両者に差はあれど、PL-330が聞き取りづらいという感じはあまりしない。耳で直接聞くともっと差がはっきりしているのだけど。

途中で帯域幅の変更もしているので、そのデモにもなっている。

SSBでは名前などを言っているところをカットしているため、かなり細切れになって聞きづらいとは思うが。

短波の受信で使用したのは、このループアンテナ(アンプ付きの方)。

まとめ

コンパクトさで選ぶならPL-330。(スピーカの)音の聴きやすさで選ぶならD-808。というのが、個人的な感想。感度に関しては特段の違いは感じない(あまりシビアな使い方はしていないが)。それから、エアバンドにも対応しているのはD-808。PL-330はエアバンド非対応のなので、それが必要ならD-808。

どちらも、AmazonやAliExpressでセールをやっているときに買うのがお得。

ラジオ
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