前回の話をもう少し詳しく見てみた。
まえがき
三端子レギュレータのGNDレベルをダイオード(VF)で持ち上げて、その分、出力電圧を上げようという目論見。負荷が軽ければ期待通りに出力電圧は上がってくれるけど、重くすると下がってしまう、というのが前回の結果。
回路図を再掲。
出力電圧測定
まず、ダイオードなしの状態(レギュレータのGND端子をGNDに直結。普通の使い方)で、出力電圧をオシロで見てみる。負荷電流は200mA程度。
あれ?結構暴れている。思った以上。Vppで450mVくらいある。負荷電流200mAと言っても、静的なものではなくて、AFアンプ。正弦波をフルボリュームで鳴らした状態。
続いて、ダイオードで下駄を履かせた状態。ダイオードは1N4518ではなくて、ショットキーバリアの1N5819。
Vppで750mVで、ダイオードを入れる前よりもだいぶ大きい(1.5倍以上)。
ここまでの結論では、ダイオードの下駄を入れなくても出力電圧が暴れるが、ダイオードを入れると暴れが大きくなる。これが「下駄を履かせたら電圧が下がった」と感じた要因だろう。ショットキーバリアダイオードではなくて、普通のシリコンダイオードだともっと暴れが大きくなるんじゃないかな(未確認)。
暴れ(リプル)の原因
では、なぜ出力電圧が暴れるのか?おそらくレギュレータの出力に付けてあるコンデンサが小さすぎるんだろう。22μFの積層セラミックが一つ(上に掲載した回路図)、アンプの手前にもう一つ(下図)。
この他に、ちょっと離れてはいるけれど、マイコンの手前にも22μFをもう一つ。これくらい入れてりゃ大丈夫だろうと思ってたのだけど、ダメか?
試しに、100μFの電解コンデンサを入れてみた。
まず、下駄ダイオードなし。
暴れ方がきれいに(?)なった。Vppで350mVくらいなので、100mVpp程度小さくなった。聴覚上の効果は大きく、音割れが収まった。
続いて、ダイオード下駄入り(ショットキーバリアダイオード)。
リプルは約690mVppなので、減少幅は60mVpp程度。下駄なしよりも少ない。電解コンを入れたほうが良くはなるが、不充分だと思う。積層セラミックコンデンサって、DCバイアスが掛かった状態だと静電量量が減るってのもあるし。
まとめ
出力電流が大きいなら、レギュレータの出力コンデンサは大きくすべし。積層セラミックコンデンサは定格容量が大きくてもDCバイアスで容量が減るので要注意。
ダイオードでゲタを履かせるとリプルが大きくなる傾向。これも抑えるにはレギュレータの出力コンデサをさらに大きくする必要がありそう。
どれも当たり前の話だけど、改めて確認した次第。
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