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PWFL01によるリプル抑制効果~スペクトラム編

背景

PD電源でIC-705を動かす際のアダプタ(少しの電圧低減とリプル抑制が目的)の特性測定の追加実験。

以前の実験では電圧の低減効果と、出力に含まれるリプルの低減状況を測定した。その結果はこちらのページ。

この記事を出すときにスペクトラムもスペクトラムも見たかった(実際、そういう質問もあった)のだけど、スペアナをつなぐわけにもいかないので見送っていた。

その後、tinySAなどのスペアナではなくて、オシロスコープのFFTで見ればいいかと気づいたので、今回、追加頒布に際して確認のために作ったもので測ってみた(なので、前回の実験とは、別個体)。

実験

余計なノイズの影響を避けるため、オシロスコープはバッテリ駆動。

ダミーロードはシールドされたもの(シールドされたアッテネータの持ち合わせがなかったので、アッテネータを使った)。シールドされていないダミーロードだと漏れがあって、それをオシロスコープのプローブが拾ってしまった。

受信時

まず、リプルの様子を確認。上(黄)が入力側、下(青)が出力側。

あ、オシロの設定が間違っている。前回の測定と合わせるため、CH1もCH2もプローブは1xにしたのだけど、オシロの設定は10xになってしまっている。ということで、CH1はPK-PKが264.5mVと表示されているけれど、実際は26.45mV(100mV/divではなくて、10mV/div)。以下の測定も同様。

では、入力側のCH1をFFT表示(赤)。

横軸は5MHz/div。低い周波数でのレベル(ノイズ)が高い。

横軸を1MHz/divにして、低い方を拡大表示。

1MHzくらいまではワーッと出ていて、そこから徐々に下がって2MHzくらいで落ち着く。今回使ったPD電源のノイズフィルタの特性を表しているのだろう。

続いてCH2(出力側、)つまり、本フィルタ通過後。こちらもFFTは5MHz/divと1MzHz/divの両方で測定。

2MHzくらいまで見られた大きな山(ノイズ)はしっかり消えている。下の方と上の方の落ち着いたあたりでの差は40dBくらいだったので(縦軸スケールは20dB/div)、その程度の効果はあるようだ。

送信時

144MHz、10W送信(CW)で測定。まず、受診時の測定と同じようにリプルの様子(入力側と出力側)。CH1のオシロの設定が間違っていて、正しくは1xだという話は前に書いたとおり。

では、フィルタ通過前をFFT表示。

フィルタ通過後。

受信時と同じようにしっかり落ちている。

念のため、7MHzの送信でも確認してみる。他の条件は同じで、10W、CW。

まぁ、だいたい同じかな。

ノイズフロア

後先になってしまったけど、オシロスコープのFFTのノイズフロア。プローブの先端をショートした状態。

このノイズフロアの様子と受信時のものと比べてみると、受信時にはところどころヒゲのように出ているのが見られる。例えば、11MHzあたりや34MHzあたりなど。このフィルタでは数MHzより上のノイズは落とせないということか。いずれのノイズも、アマチュアバンドからは外れているようだけど。

まとめ

この実験で使ったPD電源では、ノイズは概ね2MHz以下に集中していたようだ。リプルの大きな山が数十kHzなので、あまり高い周波数のノイズ(高調波)は出ていないのだろう。少なくともその範囲のノイズはこのフィルタで落とせている。当初の目的はリプルを小さくすることだったのだけど、見方を変えればノイズの低減にもなっている。

今回の実験は手元にあるPD電源を使った場合。リプル(ノイズ)の出方はPD電源次第。今回使用したUSB PD充電器はこちらの記事のもの。

トリガケーブルはこれ。


頒布に関してはこちらのページ。

自作
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