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三端子レギュレータにダイオードのゲタを履かせる作戦はダメだった

3.3Vのレギュレータの出力電圧を少し上げられないかなと考えたいたら、そう言えば、昔、LEDでゲタを履かせているのを何処かで見かけたような気がしてきた。LEDのVFの分だけ底上げしようというもの。

今考えている用途だとLEDだとVFが大きいので出力電圧が上がりすぎてしまう。そこで、普通のシリコンダイオードを入れて試してみた。

結果はダメ。

出力電圧自体は目論見どおりに上がってくれて、ほぼ無負荷(せいぜい数mA程度)で3.9Vくらいだった。しかし、負荷に200mAくらい流したら3.6Vくらいまで下がる。

ダメ元でダイオードをショットキーバリアに変えてみた。無負荷で3.6Vくらいで、200mAくらい流すと3.3V強程度まで下がる。試しにダイオードを抜いてGNDに直結(本来の使い方)したら、3.3V弱だった。実験に使ったレギュレータは、公称出力電圧よりもやや低めの個体のようだ。この状態なら、負荷をかけても出力電圧は、もちろん、ほぼ変化しない。

入力電圧は5Vでやっていたのだけど、念のため13.8Vでも試したみたが、結果(出力電圧の変動)は同じ。

出力電流が増えるとレギュレータのGNDピンに流れる電流が増えるのだろう。そして、その電流変動がちょうどダイオードのVFが敏感に変化するあたりなのだろう。

3Vないし4V程度の出力電圧で、0.3Vも変動したのではとてもじゃないけど安定化電源とは呼べない。12V出力で使うのなら、0.3V程度の変動でも用途によっては使い物になるかもしれないが。

ということで、ダイオード下駄作戦は失敗。中途半端な電圧がほしいなら、素直に出力電圧が可変タイプ(外付けRで決めるタイプ)を使わなきゃダメだという結論。


【追記】そもそもこの実験は、1117だとドロップアウト電圧がmaxでも1.3Vなので、入力電圧が5Vなら出力電圧は3.7Vまで出せるんじゃないかと思ったのがきっかけ。しかし、良く考えてみれば、入力電圧に10%のマージンを考慮すると下は4.5Vなので、1.3Vドロップしたら出力は3.2Vまでしか出せない。

ということで、今回は素直に3.3Vのままで使うことにする(出力電流は200mA~300mA程度なので、ドロップ電圧は1.3Vよりは小さいはず)。

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