Banggoodからレビュー用として送られてきたHFパワーアンプ。「パワーアンプ」との記載だけど、おそらくリニアアンプだろう。
外観
まず、ちょっと立派なプラケースに入っているのは良い。
中身は本体と電源ケーブル(すごく短い)だけ。ケーブルにフューズは付いていない。
ケースの内側に簡単な取扱説明が記載されている。
液晶表示などはない。
後ろも至ってシンプル。
以前、同種のMicro PA50+という機種をレビューした。
このOGS-50WはMicro PA50+と幅や高さは同じ。奥行きはOGS-50Wの方がちょっと短い。
重さは全然違って、Micro PA50+はずっしりしているけど、こちらのOGS-50Wはものすごく軽い。中の様子は後ほど。
試用
IC-705 ー OGS-50W ー SWR・パワー計 ー アッテネータ ー ダミーロードという接続。
出力電力
CWモード(連続波)で各バンドの出力電力を測る。入力電力は1Wと2Wで測定する。
バンド | 入力 1W | 入力 2W |
---|---|---|
1.9 MHz | 25 W | 43 W |
3.5 | 45 | 57 |
7 | 40 | 46 |
10 | 35 | 41 |
14 | 25 | 36 |
18 | 19 | 30 |
21 | 13 | 22 |
24 | 10 | 17 |
28 | 9 | 17 |
Micro PA50+と同じように3.5MHzが出力電力が最も大きく、ハイバンドでは出力電力はかなり落ちる(Micro PA50+は1.9MHzは非対応)。
なお、テスト中、ファンは回らなかった。筐体は結構熱くなるのだけど。
スプリアス
上の接続構成のうち、最後のダミーロードをtinySA Ultraに変えて高調波の様子を見る。入力電力は1Wに固定。
1.9MHz
3.5MHz
7MHz
10MHz
14MHz
18MHz
21MHz
24MHz
28MHz
見ての通り、どのバンドもひどい状況。奇数次高調波も、偶数次高調波も。28MHzは少しマシに見えるけれど、それでも-40dBc取れるかどうか。まったくダメ。
内部
持った印象がかなり軽いことから想像はしていたけど、物凄くシンプル。アンプ部だけで、LPFは一切なし。高調波が出放題なわけだ。
また、ヒートシンクもなく(Micro PA50+にはある)、パワーFETはアルミケースにネジ止めされているだけ。パワーFETはIRF530N × 2(Micro PA50+と同じ)。
取説(ケースの裏)に「周囲温度が30℃以上の場合は別のクーリングファンなどを併用せよ」みたいに書いてあるわけだ。
他の半導体は、J3マーキングのものと78L05。J3のマーキングは該当品が多すぎてこれが何であるか判別できない(多分、キャリコン周りのトランジスタだろう)。
電源のワイヤは細すぎないか?それに、ハンダ付けが雑。
正面パネルにはLEDが一つ実装されているけれど配線されていない。グルグルと渦を巻いたパターンもあって気になるけど、これも配線されていないので、何の機能もしていない。
配線が一本外れている。ファンが全然回らなかったのはこれが原因か?
まとめ
高調波はレベルが高すぎてLPFだけで落とすのは大変そう(多分、回路自体の見直しが必要)。作りも雑な印象だで、実用品として見るのは無理(おすすめできない)。とはいえ、安価ではあるので、研究用としていじってみたいのであれば検討の余地はあるかも知れない。クーポンも出してくれた。
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Micro PA50+もそのままでは実用は難しいが、対処のやりようはありそう(やってみたいと思いつつ、手が回っていないけど)。
こちらもクーポンを出してくれた。
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