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IC-705のSSBとSSB-Dの違いなど

IC-705にはSSBをベースとするデジタルモード(FT8など)用の専用モードがある(IC-705に限らないと思うけど)。モード表示ではUSB-DやLSB-Dと表示される。

では、これは通常のSSBとは一体何が違うのか?ちょうどハムフェアのタイミングだったので会場のアイコムブースで説明員さんに聞いてみた。

結局のところ、SSBには違いないわけで、各種設定がそれぞれのモードごとにメモリされるということだそうだ。

例えば入力信号。データモードの場合はUSB(電波の型式じゃなくてPCとのインタフェースの方)だけ、通常のSSBの場合はマイクとUSBの両方、のように。

また、IFフィルタの帯域など。

それぞれに最適な組合せを記憶できるのは確かに便利。逆に言えば便利というだけで、送受信そのものには違いはない。

さて、それよりも問題はそのIFフィルタの設定範囲。マニュアルによれば、SSBでもSSB-Dでも上限が3.6kHzで違いがない。

通常のSSB、すなわち音声ならこれで充分なのだけど、データだとこれだと狭い。混み合って来ると上の方に広がったりするし、別のモードで出てる人が上の方に居たりする。広い範囲を見ているとそうした発見がある。

そのようなことを説明員さんに話したところ理解してくれ、「どのくらいまで必要か?」と問われたので、「WSJT-Xのワイドグラフが5kHzなので、それをカバーできるように」と答えておいた。ハードウェア的な制限(DSPの限界とか)なら無理だろうが、AM-Dでは10.0kHzまで設定できるので、可能性はあるんじゃないかと思う。


【追記】ちょうど、広い範囲で使われている様子が見られたので例として(リグはTS-690、フィルタ設定は6kHz)。

【追記ここまで】


ついでに、もう一つ要望を出した。

メニュー画面で、メインダイヤルやサブダイヤルを右に回すと選択が下に移動するのがが気持ち悪い。右に回したら上に行って欲しい。移動方向を指定する設定項目を作ればよいので、割と簡単に実現できるんじゃないかと思う。

こういう細かい話は「問合せ」などで送っても上手く伝えるのが難しいので、ハムフェアは丁度良い機会だった。しっかりメモを取ってくれていたので前向きに検討してくれることを期待。実現されますように。

無線機
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コメント

  1. 奥村誠二(JK1KSB) より:

    そうですね.やはり実機を前にして直接説明するのがお互い分かりやすくていいですね.私も各メーカーの説明員さんに、デジタルモードの受信帯域幅を5kHzまで広げて欲しい、と要望しておきました.少しでも実現できるといいのですが.
    さて、IC-705のIFフィルタ設定(3.6kHz)の画像を拝見して気がついたのですが、上限が3300Hzで、下限がLSB側に300Hzはみ出した形になっているようです.3.6kHzの通過帯域幅を有効に使うため、まずPBT1でSFT(センターシフト量)の値を+150、次にPBT2で+300となるよう調整すると、下限が0、上限が3600となり、ワイドグラフ上の3600Hzまで見えるようになります.添付した画像はIC-9700ですが、同じような表示になるかと思います.
    すでに設定済みでしたら釈迦に説法で申し訳ございません.

    P.S.
    ハムフェアでお会いできて良かったです.

    • jh4vaj より:

      はい。そういう設定はできると思います。
      先日のN5JでSuperFoxがデコードできず、そんな感じでフィルタをシフトして帯域を広げて上手くいったという話がTwitter(現X)でありました。アイコム機ではなく、確か、八重洲機だったと思います。

      • 奥村誠二(JK1KSB) より:

        はい、八重洲機も同様ですね.
        FTDX101やFTDX10などでは、DATA-U(USB-Dと同じ)などでフィルターの帯域幅を4000Hzまで設定できますが、1500Hzを中心として上下に均等に変化するため、単に4000Hzに設定しても上限は3500Hz、下限は-500Hzとなります.そこで、500Hz上にシフトすることで0~4000Hzが受信可能になり、4000Hzまでの範囲が見えるようになるわけです.
        SSB系のフィルター設定の中心周波数が1500Hzなのは、アイコムも八重洲も同じのようです.(KENWOODは未検証です)

  2. JR1KDA より:

    ふと思った疑問です。
    受信帯域幅は出来たとして、送信は占有帯域幅3kHzだけどXITでズラすのでしょうか?
    FT8を使っていないので、頓珍漢な疑問だったら済みません。🙇

  3. JR1KDA より:

    変調入力の違いは、データモードの変調信号をケーブルで繋げば技適で保証され、音としてマイクから入力すると変更申請が要求される😳事への対応でしょうか。

    • jh4vaj より:

      送信周波数はCATでVFOを動かします。1500から2000Hzの範囲になるように調整してくれます(どこで送信してもこの範囲に入るように自動調整)。もちろん、リグがCAT対応であることが前提ですけど。

      それから、データはマイク経由というのは考えたことがなかったです。できそうですね、技術的には。IC-705の場合は(他も同じかも知れませんが)、通常のSSBの入力をマイク以外からでも受け付けられる設定ができるくらいの意味合いじゃないでしょうか?

      • JR1KDA より:

        なるほどCATがMUSTなんですね。

        モールス信号を音で入力するF2Aもデータ入力端子に入れたら技適OKになって、音でマイク入力したら変更申請が必要なんでしょうかね。

        JARLの資料では、A2A:AM、DSB、トーン信号を使用してモールス符号を送信 とあります。
        これも、SSBでトーン信号を使用してモールス符号を送信したら、A1Aとスペクトラム表示では区別がつかないから、わざわざAM、DSBと限定しているのでしょうか。

        う~ん、業界と役所の闇ですかね。
        今さらブルーボックスの締め出しでもないし。

        • jh4vaj より:

          マイク経由のF2Aは、送信機系統図を添えて変更届でOKです。中国総通に問い合せてそのように回答をもらいました。実際に届けて審査も終了しています。

          https://www.jh4vaj.com/archives/40769

          ただ、これも総通によって見解が違うとか違わないとか…

          • jh4vaj より:

            一つ下記忘れました。CATはmustではないです。
            CAT対応していなければ周波数の制御をしない(できない)ので、送信周波数は動かずにそのままになるだけです。
            なので、フィルタの端の方で送信しようとすると少しパワーが落ちたりする可能性があります。
            CATに対応していれば、そういうフィルタの特性を気にする必要がなくなります。