短波受信用のループアンテナをBanggoodで買ってみた。この二つ。
どちらも短波専用というわけではなくて、数十kHzから数百MHzまで対応しているらしい。前者はYouLoopとして知られている構造のもの。後者はスイッチの設定により三種類の構造に切り替えられ、かつ、LNA(アンプ)付きのもの。
以下、簡単なレビュー。
内容物・外観等
YouLoop
まず、YouLoopと称している方。
内容物は上の通り(販売ページの説明通り)。緩衝材等はなく、段ボール箱に入れられただけ。そのためか、コネクタのキャップは全て外れていた。まぁ、実害はないだろうが。
ループを構成する同軸ケーブルは1m(二本)なので、円形に組み立てれば外周が2mで、直径は約65cmとなる。この同軸ケーブルは硬いタイプなので、支持材等はなくてもそれなりに形は保てそう。
二つのボックスを開けてみた。
まず、Phase Inverter。
出来合いのSMAケーブルを真ん中で切って、逆転させて接続している。わざわざプリント基板を使っている。基板は固定はされていない。
もう一つの給電部の方(受信用だから給電とは言わないか)。
こちらはバラン入り。おそらく、本家のYouLoopに忠実な作りなのだろう。
組立てて戸棚の扉に引っ掛けてみた。まぁまぁ、形は保てている。組み立てるときにき、コネクタが一つ緩んでいることに気づいた(ので締め直した)。
小型アクティブループ
こっちのアンテナはなんと称せばよいのかわからないので、ここでは「小型アクティブループ」としておく。
こちらも内容物は販売ページのとおり。緩衝材等はなく、段ボール箱に入れられただけであることは、上のアンテナと同じ。箱はボコボコにつぶれて届いた(何か固いものを落としたような跡もあった)。中身は問題ないようなので、梱包材としての役割を果たしたとも言える。
ループ構成用の同軸は、こちらも硬めのもので1mが二本。上のものと同じか?キャリングケースのようなものも付いているけれど、小さすぎて何も入らない。何だろ、これ?
こちらにはマニュアルが付いており、ディップスイッチの設定で三種類のループ構造が切り替えられるとなっている(メビウスループ、静電シールド磁気ループ、磁界ループ(訳は適当))。
こちらはアクティブタイプなので、電源が必要(付属していない)。電源供給はBias-Tで、RFに重畳。その、Bias-Tボックス。電源スイッチはない。
LEDが面白い。普通の砲弾型かと思ったのだけど、SMDタイプ(横向きの半月型(あまり見ないタイプ))で、ケースには光拡散タイプ(スモーク)のレンズが仕込まれている。なんだかもものすごく凝っている気がする。
DCジャックは高さの低いタイプ(横型というか)かと思ったら、ごく普通のタイプを横に寝せて実装している。基板に切れ込みを入れて高さを抑えると同時に、端子をはんだ付けできるようにしている。が、そのため、基板の裏になってしまう足ははんだ付けされてない。SMAコネクタもよく見ると裏ははんだ付けされていない。
続いて、アンプ部等。こちらはケースはなく、基板むき出し。こっちは基板の裏もコネクタの足はしっかりはんだ付けされている。
Bias-Tボックスには、電圧は「5-12V」と記載されているが、こちらのアンプ基板には「12V 150mA」とある。どっちだろう?
ケースはないけれど、回路はシールドボックスで覆われている。外してみた様子。
基板の裏に「LZ1AQ Amplifier」と記されているところからすると、オリジナル、というか、ベースはこれかな?
先程のアンテナと同じように、組立てて戸棚の扉に掛けてみた様子。
なお、こちらにはガラスに貼り付けるフックが付いているので、それを使えばもっときれいに円形を保てると思う(両アンテナの設置条件を同じにしたかったので、ガラス貼り付けは試していない)。
性能比較
二つのアンテナの比較として、簡単な実験をしてみる。
ATS25 max-Decoderのバンドスキャン機能を使って、どのくらいのレベルで受信できるのかを見てみる。
41mバンド
まず、基準として、ATS25 max-Decoderの付属ロッドアンテナ。これだと何も受信できない(スコープ上では)。
では、続いて、それぞれのアンテナ。
YouLoop
数局、スコープ上に見える。
小型アクティブループ
三つの形態を試してみた。全体的にノイズレベルも上がってしまっているが、拾える局も増えているように思う。アンテナの形態によってスコープに現れた形は少々異なるが、フェージングもあるので判断は難しい。五十歩百歩というか。いずれもYouLoopよりはよい印象。とはいえ、聴感上ではYouLoopでもしっかり聞こえているので、極端な違いは感じられない。
なお、電源は約11V(3.7✕3本)。
メビウスループ
静電シールド磁気ループ
磁界ループ
31mバンド
ロッドアンテナでは何も受信できない。写真は省略。
YouLoop
小型アクティブループ
41mバンドと同じ傾向。
メビウスループ
静電シールド磁気ループ
磁界ループ
まとめなど(クーポン)
どちらもロッドアンテナよりはずっと良い(当たり前かもしれないけど)。
YouLoopはこんなシンプルで、かつ、大した大きさでもないのによく聞こえるのに驚いた。ネットでよく見かけるわけだ(自作も含めて)。ある程度の実用性(感度)を確保してどこまで小さくできるのだろう?
小型アクティブループはアンプが入っているだけあって、さらに感度が上がる。ただ、結構発熱するのが気になる。発熱と言っても手で触って「ちょっと温かいな」という程度ではあるが。熱自体が気になるという意味ではなくて、これだけ発熱するということは、消費電力がそこそこ大きそうだなと。上に書いたように、基板上に「12V 150mA」とあるわけだから、それなりには消費していそう。電池ではなくてACアダプタで使うのがいいのかもしれない。
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コメント
こんにちは、VAJさんのとこで見かけたのか…
先ごろ1つ手に入れて先日帰省で試してきました。YouLoopだと元々のアンテナ自体が10MHz超えたあたりから感度がイマイチな気がしますが0それはさておき。
使ってるトランジスタがなにか分からないのですが、例えば2sc3355/3357だったらNF最良がIc=5-10mAくらい、IM3最良だとIc=50mA前後ですね。回路にトランジスタ4発でそれぞれ30mAくらい流してそうです、妥協点として。
トランス式のACアダプターで12V近くの電圧の奴、あんまり見かけませんね。先日は6Vで、QODOSENのラジオで試しましたが、中波は中々よい結果でした。短波もまあまあですが、14とか18は軽くスケルチというかNRがかかったような静けさ。
メビウスループしか試しませんでした。冬休みハ周長4または6m位ので試してみます。
前に室内設置周長6mのYouLoopでは無線機のプリのゲイン最大にしてアラスカのFT8が1.8MHzでデコード出来てQSOに至りましたが、結局送信用の逆Lの方がS/Nが良かったです。
なるほど。電流を食っているのはそういう狙いですか。
6Vでも動くんですね。5-12Vの表示は間違いではないのですね。