HFフルバンド改造したUV-K5で短波をスイープ(手動)していると、ちょくちょく強い信号に出会うのだけど、これがまともに復調できない。なんだろうと思ったのだけど、おそらくFM放送による相互変調だろう。
ということで、FM放送をカットするLPFを試してみる。
まず、設計。いつものようにRFデザインノートさんの計算ツールを使わせてもらう。30MHz以下を通して70MHz以上をカットするイメージで5素子で組もうとするとこんな感じ。
270nH、82pF、150pFで行けそう。
もっとシンプルに3素子だとこんな感じ。
LやCを5素子のものと共通化しようという目論見でカットオフ周波数などの方をいじった(270nH、82pF)。
実際に作ったものがこれ。
通過帯域の測定。
やはり、3素子と5素子とではだいぶ違う(例えば、75MHz付近で10dB程度、100MHz付近で20dB程度)。
実際の順状況はビデオで。LPFなし、3素子LPF、5素子LPFの順で試す。周波数は、9.206MHz、10.096MHz、11.665MHzでテスト。 音声とSメータやRSSIの値で違いが確認できる。
結果は、3素子LPFでも多少は弱まるが不充分。5素子LPFならかなり抑えられる(それでも多少聞こえるけど)。もちろん、立地条件(放送アンテナからの距離)等によるだろうが。
9.2MHzあたりのものは文化放送(91.6MHz)とNHK-FM(82.5MHz)との差分かな?もしくは、TBSラジオ(90.5MHz)とJ-WAVE(81.3MHz)との差分かも。でも、なんとなく聞き取れた音声はNHK-FMっぽかった。
同様に、10.1MHzあたりは文化放送(91.6MHz)とJ-WAVE(81.3MHz)との差分か?
11.7MHzあたりはニッポン放送(93.0MHz)とJ-WAVE(81.3MHz)との差分か、文化放送(91.6MHz)とFM東京(80.0MHz)の差分の可能性。
こうしてみると、FM補完放送ができたことで10MHz程度の差分による相互変調が生まれる可能性が高くなったようだ。
なお、当然ながら、このLPFを付けるとFM放送は(ほとんど)受信できない。おそらくVHF・UHFのアマチュアバンドも同様。また、送信するとマイクロインダクタが焼損するだろう。
【追記】頒布、始めました。
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