UV-K5用にと以前作った450MHzのLPF、第6次高調波が落ちなくて外付けでバラック状のLPFを追加してしのいでいたものをマシな形にしようという話。
試作
まずは、一つの基板に載せた基板を試作。これで大丈夫そうなことを確認。
正式版
ケースを含めて基板を起こす。
コネクタ違いで二つ組み立てた。
ちなみに、前のものと比べた様子。元の部分もコンパクトに配置し直したので、さほど大きくはなっていない(自己評価)。
特性
組み立てた二つのLPFの通過特性とSWRを測定。LiteVNAを使用。
通過特性
スケールは10dB/div。
SWR
スケールは0.1/div。
スプリアス測定
実際にUV-K5をつないでスプリアスの状態を測定する。測定機材はtinySA Ultra。60dBのアッテネータ(40dB+20dB)経由。
LPF1号機
まず、全体(30MHz~3GHz)。
ノイズフロアが高いので-50dBcくらいまでしか見られないが、その範囲には突出したものはなさそう。
RBWを小さくすればノイズフロアが下がるが、スイープ時間がものすごく長くなるので500MHzずつに分割して測定する。
アッテネータ分の60dBはtinySA Ultraの設定で補正済みなので、読取り値そのまま。基本波は35.9dBm(3.89W)と測定されたので、不要輻射が-60dBc未満であるためには-24.1dBm未満ということになる。以下、500MHz分ずつ順に。
一番大きいのは第5次高調波(2175MHz)の-25.8dBm。-24.1dBmを超えているものはない。
LPF2号機
測定方法は同様。使用したUV-K5も同じ個体。
こちらでは基本波は35.8dBmと測定されたので、-60dBc未満の値は-24.8dBm未満。測定結果の中で一番大きいものは第3次高調波(1305MHz)の-26.4dBmであり、-24.8dBm未満。
1号機と2号機とでは高調波の減衰に違いがあるが、どちらでも-60dBc未満を満たしている。
その他(設計関連など)
シミュレーション上はこんな感じ。
前段は以前のLPFのまま。後段は計算値をそのまま入れたので値が細かい。
Cはシミュレーション値を元にすれば3.9pFということになりそうだけど、実際には3.6pFが具合が良かった。寄生容量などが効いているのかな?
Lは「こんなものかな?」と自作したもの。何種類か作ったもののうち、採用したのはこの寸法。ワイヤは0.8Φのスズメッキ線。手持ちのドライバを軸にして巻いたもの。
もっと太い軸に巻いたものでは430MHz付近のSWRが高くなってしまった(下の図がそれだけど測定周波数範囲が広い。マーカが430MHz帯付近)。おそらくインダクタンスが大きいのだろう。こんなに小さな値を正確に測る術がないので詳細は不明。
ちなみに、このときの通過特性はこちら。
440MHz付近の減衰量がやや大きい。一方、1GHz付近の山は抑えられている。このことからもインダクタンスが大きいのだろうと推測できる。
コメント
このバージョンは領布予定はありますでしょうか?
準備中です。
頒布を開始しました。