PR

UV-K5の保証認定

UV-K5で免許を受けた話。送信機系統図などは記事の後半で。

手続完了

UV-K5を改造したものをTSSで保証してもらい、無事、変更申請を完了した。

ここまでの道のりは長かった。

先日、TSSが2024年3月末で保証業務を終了すると発表があった。「3月末までなら」と思っていたのだけど、実質、1月末で終了(その日までに保証できなかったら返金)とのことで慌てて正月明けに手続き。

一週間以上待っても何の音沙汰もなく、混んでいるのだろうなとは思いつつも期限が迫ってくるので電話してみた。そしたら、こちらの手続き後、翌営業日に修正依頼のメールを送ったとのこと。しかし、こちらには届いていない。もう一度送ってもらった。

それはすぐに届き、指摘された事柄に対応し、その日の夜中にメールを送った。受付の自動返信メールを受信したので、一安心。

二日ほどだったかな?待ってみたけど、何の連絡も来ない。どんどん期限が迫ってくるので電話してみたところ、メールを送ったとのこと。またしてもこちらには届いていない。

また送ってもらったら、その内容は最初の指摘事項と同じ。

何度かやり取りしたっけ、どうやら、こちらが使っているGmailにTSSからメールが送れないという状況らしい。Gmailのセキュリティポリシ変更の影響か?

別のメールアドレスを連絡し、そちらでやり取り。その結果、上のように26日付で保証が降りた。受け取ったのは29日。その日のうちに中国総通に変更申請。本日、31日、審査終了となった。免許状の記載事項に変更はないので新しい免許は交付されないはず(前回の変更で「1AM」との表示になったので、もはや変更での免許状交付は行われない)。

UV-K5の申請内容

先行者の情報はこのビデオ。

送信機系統図

GitHubにリバースエンジニアリングの成果が上がっている。ハードウェア関連はこちら。

この中にあるブロック図と、KiCadの回路図を参考にし、かつ、実際に分解して回路図通りのデバイスが使われていることを確認した。

その結果を元に、送信機系統図を描き起こした。上のビデオでは不明となっていたファイナルの型番もしっかり確認(ビデオ主は別の素子に変えたとのこと)。

実際に申請に使った送信機系統図は、マイク経由によるF2Aも入れたのでこの図とはちょっと違う。

これはQUANSHENG社製UV-K5であり、それを日本のアマチュア無線に合わせて改造したものであると補足説明を入れた。

送信周波数制限とハードウェア的ロック

日本のアマチュアバンドに合わせて送信周波数を制限し、その後、容易に変更できないようにハードウェアの変更を実施。その旨を送信機系統図に書き加えた(写真を添えて)。

変調方式

数値演算式周波数変調

スプリアス測定

参考にしたビデオではUV-K5内部のLPFを変更したのことだったが、私はLPFを外付けした(内部を改造するほうがスマート)。スプリアスの測定はtinySA Ultraを使った。

このフィルタでは430MHz帯の第6次高調波が落とせなかったので、さらに追加した。

スプリアス領域の測定結果だけを提出した(tinySA Ultraでは無理)。帯域外領域の測定結果も必要だと言われたら、これを出すつもりだった。


これで保証を受けることができ、変更申請も無事に審査を終了した。

なぜこんなことをやっているか?それは物好きだから。QSOが主目的なら、こんな面倒なことはせずに、国内メーカの技適機を買ったほうが遥かに楽。

UV-K5は世界中の物好きが寄ってたかって改造しているのが面白い。多くの独自ファームウェアがリリースされている。完成度が高いのは、おそらくegzumer氏によるバージョン。

今注目しているのは、KD8CEC版。CWの強化などが面白い。今回の申請でもA1AやF2Aも入れて行った。

世の中の物好きな方々の情報公開に改めて感謝。


こんな面白いものが十数ドルで買えるのだから、物好きとしては放っておく手はない。

コメント