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Banggoodからレビュー用として送られてきたリニアアンプ。3.5~28MHz帯、50Wという仕様。
上の写真は表示が切れてしまっているけれど、それはシャッタスピードの都合。実際にはこのようには見えない。撮影時には気づかなかった…。
Micro PA50という別モデルもあり、こちらは「+」が付いていて、ディスプレイが大きくした改良版という位置づけのよう。
外観と内部
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箱の中身は本体とケーブルだけ。ケーブルは50cmほど。ちょっと短い気がする。フューズが入っているけれど、フューズホルダのロックが固くて開かず、何アンペア品かなどは分からず。無理に開こうとすると爪が折れそうなので、やめておく。
マニュアルがないのはさすがに困るので、Banggoodに連絡したら送ってくれた。ブログで公開して良いとのことだったのでここに置いておく(MS-Wordファイル)。
本体正面の様子はページ先頭の写真のとおり(通電状態)。
背面には入出力コネクタと、電源コネクタ。それにACCジャック。小型ファンも見える。電源スイッチはない。
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ハガキのサイズが100x148mmなので、それを少し細身にした感じ。
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石はIRF530Nを二つ。
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底板は簡単には外れそうになかったので、とりあえずパス。
スイッチの固定方法が面白い。表面実装のピンヘッダを使っている。なるほどと思うが、スイッチを何度も押しているとその衝撃が蓄積されてはがれたりしないだろうかとも思う。
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全体的に、作りはしっかり丁寧な印象。
試用・スプリアス測定
前述のとおり、背面にACCジャックがある。これを無線機につなぐとバンド切換えに連動するらしい。ICOM機にも対応しているようだけど、IC-705には接続できそうな端子がない(バンド情報を出力する端子がない)。とはいえ、ACCをつながなくてもAUTOで使えるようだから大きな問題はない。
まったく問題がないわけでもなく、AUTOの場合は入力された高周波信号によってバンド切換えを行うので、若干のタイムラグがあり、その間、正しいLPFが選択されない。高いバンドから低いバンドに移ったときにLPFが高いバンド用のものが一瞬使われるため、その間、高調波が出てしまう。手動でバンドを切り替えることもできる(正面のスイッチを連続で三回押すとバンドが順次変る)ので、それで対処可能。
接続と動作の様子
どういうわけかSWR/パワー計が見当たらない。あるはずのところになくてどこにしまったのやら…。そこで、tinySA Ultraで信号強度を見ることにする。これなら、ついでにスプリアスの状況もわかるし。
接続形態は、IC-705に本機(Micro PA50+)をつなぎ、70dBのアッテネータ(30dB+40dB)を経由してtinySA Ultra。
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実際に動作させている様子がこちら。
起動時のメッセージで、ファームウェアのバージョンが2.8.3だとわかる。送信するとその周波数に合わせてバンド設定が切り替わる。Micro PA50+のパワー表示だと40W前後だけど、tinySA Ultraでの観測だと50Wくらい出ている(詳細後述)。
送信するとファンが回るのだけど、結構やかましい。送信中は回転を押さえているようで、送信を終了すると(受信に移ると)さらにうるさい。小さなファンをブン回しているのでしょうがないのだけど。運用中はヘッドフォンを使うのが良さそう。
表示部に横縞が入るのはカメラのシャッタ速度との関連。目視では縞は認識できない。
スプリアスの状況
本来なら電波の型式ごとに所定の測定を行う必要があるのだけど、ここではシンプルにキャリアの連続波で(CWでキーダウンしたまま)。
tinySA Ultraの設定は高調波(Harmonics)測定モードを基本に、MAX Hold、RBW 100kHzとしておく。また、測定上限周波数も1GHzが規定だけれどここでは100MHz(上の方のバンドでは150MHz)までで。
まず、3.5MHz。強度は-23.2dBmなので、70dBのアッテネータを考慮すると46.8dBm、ワットでは約48W。このときの入力はIC-705の設定で20%なので2Wくらい。45~70MHzあたりなどに何か変なものが見える。一番大きい60MHzあたりの山で-45dBcくらい。許容値は-50dBcだから、基準を満足していない。
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7MHz。これはきれい。一番大きい山の第3次高調波で-58.5dBc。
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10MHz。高調波が目立つ。第2、3、5次が-50dBcを超えてしまっている。
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14MHz。こちらは10MHzの場合よりもきれいだけど、第5次高調波が-45dBcで許容値を超えてしまっている。
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18MHz。ひどい。周波数が上がってくると、入力電力を上げないと50Wは出ない。
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21MHz。 さらにひどい。
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周波数が上がってきたので、150MHzまでに測定上限を広げる。
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24MHz。第5次高調波は-9dBcと、なんと、一桁しか取れていない。-22.6dBmということは、アッテネータ分を考慮すると47.4dBm、約55Wで、パワーを出し過ぎなのもスプリアス悪化の一因かも。
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28MHz。このときの入力電力は5W(Micro PA50+の入力許容値)。
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LPFが入って高調波がこれだけのレベルで見えるということは、LPFが入っていなければ基本波よりも高調波のほうが電力が大きってことだろうか?
まとめ
パワーは謳い文句通り50W出るのだけど、7MHz以外でのスプリアスがひどすぎる。バンドが切り替わったことは認識しており、それに伴ってリレーの動作音も聞こえるのでLPFは切り替わっているのだろと思う。しかし、これでは使えない。何とかできるものだろうか?あるいは、7MHz専用として使うか?
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