先日作ったLPFの通過特性をNanoVNAで測ってみたら、作製したときの測定(LiteVNA64による)とはだいぶ様子が違っていた。
150MHz LPF
まず、作製時に使ったLiteVNA64を使って、念のため改めて測定。測定周波数の上限は、NanoVNAで現実的であろうと思われる900MHzまで。
カットオフ周波数150MHzで設計して、現実の近い定数の部品に置き換えたので、設計周波数からずれる。マーカ2が-3dB(付近)、マーカ3が2倍の周波数、マーカ4が3倍の周波数。
続いて、NanoVNA(クローン品)。microSDカードには対応してない(スクリーンキャプチャができない)ので写真で。なお、ケーブルやキャリブレーションキットはこの実験を通して同じものを使用した。
2倍の周波数(マーカ3)辺りまではLiteVNA64での測定結果と概ね一致るが、それよりも上の周波数ではまったくと言っていいほど違っている。なお、この上の方のグラフは表示が落ち着かず、フラフラしていた。
では、NanoVNA-H4ではどうか?
こちらもNanoVNAと似ている(形状は違うが、傾向は似ている)。
なお、マーカ3の直前、290MHzで不連続になっているのは、5351の使用モード(仕様外での使用)周波数の切替のためだろうと思われる(この個体は、MS5351Mが使われており、スレッショルドを290MHzに設定している)。とは言え、それでこういう不連続になってもらっても困るのだけど。
もう一つついでに、NanoVNA-F V2。これもスクリーンキャプチャができないので写真。
こちらだと、マーカ3(3倍の周波数)のもうちょっと上、500MHz位まではLiteVNA64と大体一致。それより上はグチャグチャ。
450MHz LFP
もう一つ。450MHzのLPFでも、同様に測定。
まず、LiteVNA64。
続いて、NanoVNA。
NanoVNA-H4。
NanoVNA-F V2。
まとめ
これまでは反射特性(S11)の方を見ることが多く、通過特性(S21)の測定にはあまり使用しなかった。こうやって改めて見てみると、NanoVNAでは通過特性の測定性能はあまり高くなさそうだという印象。
ダイナミックレンジはNanoVNAやNanoVNA-H4では300MHzあたりまでは-30dB~-35dB程度、それより上の周波数ではもっと悪い値。NanoNVA-F V2では-60dB~-65dB程度(900MHzまでしか今回の実験では見ていない)なのかな?
こういうフィルタの特性などを測定するときには頭に入れておいたほうが良さそう。
コメント