先日のUV-K5のスプリアス測定に続いて、今度はOBW(占有周波数帯幅)をtinySa Ultraで測定してみる。関連法令等は先日の記事にまとめてある。
機材・接続
UV-K5をアッテネータ(40dB)を通じてtinySA Ultraにつなぐ。アッテネータは、前回は30dB+20dBだったが、新たに40dBのものを入手したのでそれを使った。前回はUV-K5を使ったが、今回はUV-K5(8)の方(特に意図したわけではなく、なんとなくというか、うっかりというか…)。
音声の入力は、ヘッドフォンから音を出してそれをUV-K5の内蔵マイクで受ける(音響結合)。
擬似音声等の発生には、cho45さんのツールを使わせてもらう。詳細な説明はこちら。
ツール自体はこちら。
必要な信号源が揃っており、しかも、F3E等用に簡単に+10dBできてとても便利。
測定
145MHz
測定方法を順を追って書き記しておく。
最大周波数偏移を求める
1,000Hzの信号を与え、tinySA UltraをFM測定モードにして周波数偏移(DEVIATION)を表示する。音量を徐々に上げていき、最大の周波数偏移を求める。この測定では4.0kHzだった。
周波数偏移を70%に調整する
音量を下げて最大周波数偏移の70%に調整する。最大周波数偏移が4.0kHzなので、70%は2.8kHz。
+10dBの擬似音声に変更する
信号を擬似音声に切換えて、音量を+10dB上げる。このツールはチェックボックスにチェックを淹れるだけで+10dB上げられるのでとても便利。
念のため、様子を見ておく(必要はないのだけど)。なお、擬似音声のため、スイープの度に測定結果が変化する。そこで、トレースをAVER4(4回平均)にしている。
チャネルパワーを測定する
OBWの測定機能があれば簡単なのだけど、残念ながらtinySA Ultraにはそれはない。しかし、CHANNEL POWERの測定機能があるので、これを使う。
中心周波数を送信周波数(145MHz)とし、チャネル幅は適当に当たりをつけて設定する。占有周波数帯幅の定義は99%のエネルギーが含まれる範囲。10kHzで測定したらそれを超えていたので徐々に下げていき、8.0kHzで概ね99%となった。
tinySA UltraのCHANNEL POWERの測定機能だとRBWが200Hzに設定されるが、時間がかかるので1kHzに設定した(時間がかかると無線機の発熱が大きくなる)。また、トレースはAVER4。
145MHz帯でのF3Eの占有周波数帯幅の許容値は40kHzなので、8kHzならまったく問題ない。
OBWの測定機能があればこのような当たりをつけて調べていくなどということをする必要はなく、占有周波数帯幅の数値そのものを表示してくれる(はず)。
許容値の範囲内であるかどうかを見るだけなら、40kHzで測定して90%を超えているかを見るのでも良いと思う。
435MHz
同様に435MHzでも測定する。
最大周波数偏移。
70%。
チャネルパワー。
9kHzで99.6%。もっと狭めて90%のところを見つけてもいいのだけど面倒なのでやめた。430MHz帯でのF3Eの占有周波数帯幅の許容値は30kHzなので、9kHzならまったく問題ない。
F2A
ついでにF2Aの場合も見てみる。
測定条件は「通常の使用状態(一般的に最大周波数偏移の60~90%)」とのことなので、1,000Hzで最大周波数偏移を求めてその70%の状態でチャネルパワーを見てみた。
概ね7.5kHz程度。これは145MHzでの測定で、許容値は40kHzなので、問題なし。
430MHz帯は省略。参考までに許容値は30kHz。
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