ペン形状のデジタルマルチメータMT007 ProがBanggoodからレビュー用として送られてきた。先に感想をいうと、思った以上に便利。測定ポイントから視線を大きく動かすことなく測定値を確認できるのがいい。
開封・外観
立派な化粧箱に入っている。内容物は、本体、テストリード(マイナス側)、取説。電池は付属していない(単四、一本)。
取説は、中文と英文。それはともかく、いかんせん、文字が小さすぎて読めない。Banggoodの販売ページに取説のダウンロードリンクがあるので、そこからファイルを持ってきたほうが良いと思う。
操作
電源スイッチ
赤ボタン長押しで電源が入る。再び赤ボタン長押しで電源オフ。オートパワー機能がついているのでオンのままほっとくと数分で切れる(切れる前にブザーで警告がある)。
モード
起動時はAUTOモード。側面にオードモードでの測定対象・範囲が記載されている。直流電圧、交流電圧、抵抗がAUTOも~での測定対象で、抵抗は50Ω以下だとブザーが鳴る。
電源が入った状態で赤ボタンを短押しするとモードが切り替わる。例えば、下の表示だと「nF」と単位表示があるのでコンデンサの測定モード。
各モードの測定範囲も(反対)側面に記載されている。
コンデンサ、周波数、温度、ダイオードが記載されているが、これ以外に直流電圧、交流電圧のモードもある。ただし、抵抗測定モードはない。抵抗はAUTOで測る。赤ボタンを押す度にこれらが順に切り替わる。切換え方向は一方向で、逆戻りはできない。行き過ぎたらもう一周。ちょっと不便。
温度はどこを測っているのかわからない。周辺温度か(装置内部に温度センサ)?その場の室温を知ることはできるが、あまり使わないように思う。しかも、セ氏と華氏の両方のモードがある。モード一周の際に使わないモードが二つもあるは邪魔でしかない。
この他、N/L/Pのボタンで活線判定などもできるようだけど、それについては余り使うことがないので省略。
ランプ
N/L/Pのボタンはランプボタンも兼ねており、長押しでランプが点灯する(再度長押しで消灯)。陰になっているところを見るときに重宝する。
測定端子のキャップ
脱着可能(引っ張るだけ)。
測定値ホールド
HOLDボタンを押す度に、ホールド/解除をトグル。
測定
実際にいくつか測定してみた。
抵抗
コンデンサ
ダイオード(LED)
電圧・周波数
ここまでの抵抗やコンデンサなどの測定はどうってことない。普通のDMMと同じ。
ここからがこの装置の本領発揮。基板内の電圧などを測るのに非常に都合がいい。これはビデオで。
このビデオでは次の測定を行っている。
- レギュレータの入力電圧
- レギュレータの出力電圧
- 発振回路の出力電圧(AC)
- 発振回路の発振周波数
これらがテスト棒(?)を当てたところで視線を移さずに読める。これは相当便利。通常のテスト棒よりは太いので扱いにくさはあるが、それでも視線を移さずに測定値を読めることは圧倒的な利点。
注意点としては、電圧はAUTOモードでも測れるけど、このように稼働中の装置を測定する場合は電圧モードにしたほうが良い。AUTOモードだと抵抗も測れるため、電圧を発生させるのでトラブルが起きる可能性がある。AUTOモードは抵抗測定モードだと思っておくのが良さそう。
まとめ・購入情報
- 測定したい場所(端子を当てたい場所)からほとんど視線を動かさずに測定値が読めるのは非常に便利。
- 稼働中の装置をAUTOモードで電圧を測るのはやめておいたほうが良いと思う。
- 電圧測定は専用のモードで。
- AUTOモードは抵抗測定モードと考える(抵抗測定の専用モードはない)。
- モード切替が一方向なのはちょっと使い勝手が良くない。
- 温度計はあまり使い道がなく、モード切替の邪魔にしかなっていない。
批判的な内容が多くなってしまったが、測定点から視線を動かさずに読めることは本当に便利。これがこの装置の最大のメリットであり、一般的なDMMと比べて圧倒的な優位ポイント。
MT007には三つのモデルがある。
- MT007: モノクロ液晶
- MT007 Pro: カラー液晶、周波数測定あり
- MT007 Pro-EN: カラー液晶、音声機能あり、周波数測定はなし
今回レビューしたものは周波数測定ありのMT007 Pro。音声機能はついていないモデルなのでわからないが、多分、測定値を読み上げてくれるのではないかな?それよりも周波数が測れることのほうが魅力的に思えたのでこのモデルを選んだ。
今、どのモデルもタイムセール中。期限は2023年4月20日まで。販売ページはこちら。
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