Banggoodからレビュー用に提供を受けたので実際に試してみる。
主な仕様
大きな機能は、オシロスコープ、DMM、シグナルジェネレータの三つ。
オシロスコープ
- チャネル数: 2
- バンド幅: 40MHz
- サンプリングレート: 250MSa/s(1-ch)、125MSa/a(2-ch)
- レコード長: 6K(1-ch)、3K(2-ch)
- ADC: 8-bit
- 水平軸: 5ns/div~500s/div,1, 2, 5, 連続
- 垂直軸: 10mV/div~10V/div
DMM
- 分解能: 4000カウント
- DC電圧分解能
- 400.0mV: 100μV
- 600V: 1V
- AC電圧分解能
- 4.000V: 1mV
- 600V: 1V
- DC電流分解能/AC電流分解能
- 40.00mA: 10μA
- 10.00A: 10mA
- 抵抗分解能
- 400.0Ω: 0.1Ω
- 40.00MΩ: 10kΩ
- キャパシタンス分解能
- 40.00nF: 10pF
- 100.0μF: 100nF
- ダイオード: 0~1.0V
シグナルジェネレータ
- チャネル数: 1
- 波形
- 正弦波: 1Hz~25MHz
- 矩形波: 1Hz~10MHz
- ランプ派: 1Hz~1MHz
- サンプリング: 250Msa/s
- 振幅
- 2.5Vpp(50Ω)
- 5Vpp(Hi-Z)
一般仕様
- LCD: 2.8インチ、320×240 px
- 電源
- バッテリ内蔵
- 5V / 2A
- 寸法: 199 x 98x 40mm
- 重量: 624g
このモデルは、Hantek 2000シリーズの一つであり、他に2C42、2C72、2D72がある。xx42はバンド幅が40MHz、xx72は70MHz。2Dxxはシグナルジェネレータ付き、2Cxxはなし。つまり、この2D42はシグナルジェネレータ機能付きで、(オシロの)バンド幅が40MHzのモデル。
公式サイトはこちら。
開封・外観
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ビニル袋を開けたらACプラグの変換アダプタが張り付けられていた。
キャリングケース入り。
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付属品は、いわゆるオシロスコープのプローブ(x1 / x10)が1本、みのむしクリップ付きBNCケーブルが2本、DMM用テストリードが1組、ACアダプタとUSBケーブル(Type-C)。マニュアルはなし(公式サイトからダウンロード)。
見た目は大ぶりなDMMという感じ。片手で持つとゴツくて少々重い。高さが199mmなので、A4の短辺よりもちょっと短い(A4は297x210mm)。
ACアダプタはEUタイプ(というのかな?)。オマケの変換プラグがついているので使えはするけど、デカくて今ひとつ。5V/2Aの別のアダプタがあればそれを使ったほうがいいかも。
USB端子は本体横。
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USB端子はこの写真の左の大きな四角穴。電源端子としてだけでなく、PCともつなげられる。カバーに「SD」の文字があり、中にもそれらしい穴があるが、これはダミー。何もない。microSDカードを入れると中に落ちる(要注意)。公式サイトを見てもSDカードのような記載は見当たらない。どういうことかと思うが、気にしてはいけないのかも。
バッテリは、マニュアルによれば、18650が二本で交換できるらしい。しかし、蓋が特殊ネジで固定されており、手持ちに対応できるドライバがなかったので未確認。なお、バッテリは届いたときには未充電状態だった(電源が入らず、焦った)。充電電流は簡易的な測定で1.4A位だった。
試用
オシロスコープ
まず、プローブの校正。一般的には5V / 1kHzの矩形波が出ているものだけど、これにはその端子がない。どうやらシグナルジェネレータを使うらしい。2V / 1kHzの矩形波を出して使えとのこと。シグナルジェネレータ機能がないモデルだとその信号が固定で出ているのかな?
しかし、実際にそれをやろうとすると、シグナルジェネレータの出力端子はBNCなのでやりづらい。オシロのプローブの先端を抜いてBNCコネクタの芯線に、アースクリップはBNCコネクタのGNDをつまめと。正直、もうちょっと考えてほしかった。
Autosettingはちょっと遅い。8秒位かかる。
正弦波(アナログ帯域のチェック)
外部から信号を入れて測定してみる。1Vpp。オシロのプローブはx10。
画面のキャプチャ機能がないので写真で。
100Hz
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1kHz
FreqやVppの測定値はちらついているので写真に上手く撮れていない。
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1MHz
カーソルも表示てみた。
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10MHz
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20MHz
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30MHz
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40MHz
仕様の上限値。1Vppに対して800mVpp以上あり、しっかり仕様を満たしている。
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50MHz
まだ800mVpp位の振幅で拾えている。
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60MHz
これでもまだ800mVppを超えている。40MHz仕様で60MHzがこれだけ見れればお得かも。
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シグナルジェネレータの上限がここまでなので、これより上は測定できない。
矩形波
1MHz
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10MHz
アナログ帯域の仕様が40MHzなので、こんなものかな。
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2ch測定
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共に10MHz / 1Vppで、上が矩形波、下が正弦波。ch 2も手持ちのオシロスコープ用のプローブをx10で使った。端子の接続の問題か、少々フニャッとした波形になってしまっている。
AM(振幅変調)
キャリア: 1MHz / 信号: 100kHz / 変調度: 100%
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キャリア: 1MHz / 信号: 10kHz / 変調度: 100%
レコード長が少ないのでこれが限界。大きな波の中でより小さな変化を見るのは据置き型には敵わない(というか、値段が違うので性能差があるのは当然)。
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リファレンス機能
波形をメモリに保存し、それをリファレンスとして背景に描画できる。下は正弦波をリファレンス表示し、その上に測定波形(矩形波)を表示てみたもの。
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DMM
4.7kΩ
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0.1μF(100nF)
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コンデンサは100μFまでしか測れないので、大きな容量の電解コンは無理。
シグナルジェネレータ
下はシグナルジェネレータの設定画面。
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波形のタイプや周波数などを設定できる。周波数は上下の矢印キーだけで設定するので大きく動かすのは結構大変(押しっぱなしで目的の周波数まで動かす)。振幅の1.00Vは何を指しているかよくわからない。
試しに10MHz、1.00Vの設定で自分自身のオシロスコープ機能で測定してみる。
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測定結果は2Vppなので、Ampの数値は±1Vということのようだ。
PC接続
接続ソフトは公式サイトからダウンロードできる。
オシロスコープ
2ch表示でAM波形と、その信号波形。
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DMM
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時系列でグラフ表示してくれるのが良い。電圧表示のものはある程度使い古したボタン電池にLEDをつないでみたもので、LED接続時は電圧がかなり降下している様子がわかる。
シグナルジェネレータ
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まとめと購入情報
- オシロスコープのアナログ帯域はスペック以上(スペックが40MHzなのに対して60MHzでも-3dBも減衰しない)。
- レコード長が短いので長い周期の中の細かな変化は拾えない(ハンドヘルドタイプは他社のものもこの程度のよう)。
- 本体に対して画面が小さい。額縁が大きい(もう一回り大きなサイズのものでも入るのでは?)。
- すべての操作を少ないボタンだけで行うので、操作性は良いとはいえない(仕方ないが)。
- DMMだと思うと大きいが、40MHzのオシロスコープだと思えばとてもコンパクト。
- バッテリ駆動でそこそこ速い周波数が見られる便利で手軽、比較的安価な2chオシロという位置づけ。
- PCにつないで「USBオシロ(等)」として使うのも良いかも。
【クーポン】
- コード:BGJAPAN01
- 有効期限: 2023/3/31
- 適用価格:$129.99(対象モデルは2D42)
販売ページはこちら。
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