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ESR02 Proをレビュー用としてBanggoodから提供を受けたので使ってみた。クーポンはページの最後で。
概要
これは、数年前に格安の電子部品テスタとして人気になったものと機能は同一。抵抗、コンデンサ、コイルやトランジスタなどを自動判定で測定できる便利なもの。
下の写真の右がその格安テスタ。不幸にも液晶を破損してしまったため使えない。このように基板むき出しのものだけでなくアクリルカバーが付いたものとか、プラスチックケースに入ったものなど多様なバリエーションがある。多くのコピー品があるようで、基板もいくつかの種類を見かける。
右が今回のESR02 Pro。非常に立派なケースに入っている。
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ケース以外の特徴をまとめてみる。
- 測定端子が差込み式で簡単
- SMD測定端子が工夫されている(金メッキ(金フラッシュ?))
- バナナ端子あり
- コンデンサの放電端子付き
- スイッチが左右の二か所
- 電源は乾電池だけでなく、外部電源でもOK(9~12V、2.1/5.5mmジャック)
スペックは以下の通り(マニュアルから抜粋、訳は私)。
測定範囲 | 分解能 | |
---|---|---|
抵抗 | 0Ω~50MΩ | 0.01Ω |
コンデンサ | 25pF~100mF | 1pF |
コンデンサESR | 2μF~50mF | 0.01Ω |
インダクタ | 0.01mH~20H | 0.01mH |
コンデンサESRの測定範囲の単位がFなのは、この範囲の容量の場合に測定できる、の意味か?マニュアルでははっきりしない。また、これ以外の部品の測定仕様の記述はない。測定できるものとしては、ダイオード、トライオード(トランジスタかな?)、サイリスタ、MOSFETが挙がっている。
開封
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化粧箱の中はESR02 Pro本体とマニュアル(英語・中国語)。電池は入っていない。
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プロセッサは、読み辛いがATmega328P。電源周りの半導体は、AMD1117-3.3、HT7150、LM393。これだけ見ると、耐圧が一番低いのはAMS1117で、15V。マニュアル上の電源電圧の上限は12Vだけど、13.8Vは大丈夫かも(あくまで自己責任において)。
バナナジャックがケースにしっかり食い込んでいるので分解はここまで。
使用方法とキャリブレーション
測定方法は、対象部品を端子に差し込んで電源ボタンを押すだけ。電源ボタンは左右どちらでも同じ。一つで良さそうだけど、あとで結構便利なことがわかった。一定時間(20秒)後に、自動でオフ。
差込み端子は、最初、非常にかたく、部品が差し込めないような状態だった(差し込もうとすると、部品の足が曲がる)。小さなマイナスドライバを差し込んでやったら少し緩くなって部品が差し込めるようになった。
部品を測定後、下の写真のように「Not Calibrated!」とのメッセージが表示された。
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キャリブレーションするには、三つの端子をショートして電源を入れろとのこと。とりあえず、ありあわせのバナナプラグ付きのテストリードを差し込んで、言われるままにキャリブレーションしてみた。手順はこう。
- 三つの端子をショートして電源を入れる
- 「キャリブレーションか?」という内容のメッセージが出るので、Yesの意味でもう一度ボタンを押す(一定時間内に押さないと通常の測定になる)
- ショートを解除せよと指示される
- コンデンサ(100nF以上)を接続せよと指示される
- しばらく待つと終了
以上で、キャリブレーション完了。このあとは、測定後に「Not Calibrated!」というメッセージは表示されなくなる。このあたりは、マニュアルを良く見たら書いてあった。
また、いくつかのメニューもある。電源がオンの状態でボタンを長押しするとメニューに入る。
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ボタンを押すと一つ下に移る。上にはいかない。一番下まで行ったら上に戻る。選択はボタン長押し。メニューから抜けるには「Transistor」を選択(長押し)。これで通常の測定モードに戻る。または、「Swtich off」を選択(電源が切れる)。
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キャリブレーションを行うには、「Selftest」を選択する(セルフテストとキャリブレーションを行う)。
それから、前後するが、「Not Calibrated!」のメッセージは続きがあって、URLが表示される。そこを見に行ったら、大もと(開発者)の詳しい資料があった。
この中に、詳細なPDFがある(様々な言語で用意されており英語版で約140ページ(残念ながら日本語版はない))。
測定
では、実際に測定してみる。R、C、LはDE-5000で同じものを測定する。タイトルの見出しの値がDE-5000での測定値。
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抵抗
99.50Ω
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9.897kΩ
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222.8kΩ
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コンデンサ
99.8pF
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457.2nF
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106.08μF(ESR: 0.1Ω、@100Hz)
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908.2μF(ESR: 0.3Ω、@100Hz)
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インダクタ
971μH
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2.105mH
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100.40mH
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半導体
ここからはESR02 Proだけでの測定(DR-5000は半導体は測れないので)。
小信号シリコンダイオード
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ショットキーバリアダイオード
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LED
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バイポーラトランジスタ NPN
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バイポーラトランジスタ PNP
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MOSFET N-ch エンハンスメント型
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チップ部品は、測定時は楊枝などで押さえつける。この押さえながらの測定でボタンが左右にあるのが助かる。しかし、部品を押さえるときに飛ばしやすいので、何か工夫したいところ。
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MOSFET N-ch デプレッション型
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JFET N-ch
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まとめ
何はさておき、しっかりしたケースに入っているのでとても使いやすいし、安心感がある。電源が電池・外部電源の二通り使えるのもよい。
測定端子が差込み式なのも良いと思うが、あまり差しやすいとはいえない。チップ部品のパッドはよくできていると思う。
R、C、Lについては、DE-5000を基準とすれば、まぁまぁかな。トランジスタなどは基準にできるものを持ち合わせていないのでなんとも言えないが、部品の判別や相対評価(特性が揃っているものを選別したいなど)には良いかと思う。
購入情報
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