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分岐導体バランの実験

以前検討した分岐導体バランの実験をしてみた。

そもそもが、シュペルトップの長さはどうすべきかから、この分岐導体バランに行き着いた。そのあたりはこちらの記事。

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分岐導体バランの構造と調整法
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同じ効果なら、シュペルトップよりも分岐導体バランの方が遥かに簡単そう。何しろ、給電部の同軸芯線をλ/4の導体で同軸ケーブルの外部導体につなぐだけなのだから。

ということで、430MHzで実験。

まずは、ダミーロードだけで測ってみる。

SWRは1.11。周波数が高いので表面実装の抵抗を使って作ったのが良かったようで、期待通り低い値になった。

では、分岐導体を付ける。

300 / 433 / 4 = 0.1732

なので、先端から約17.5cmのところの同軸外皮をちょっと剥いて適当なワイヤを接続した。反対側は同軸ケーブルの芯線側に。これで、直流的には芯線と外部導体がショートした状態。テスタであたってみたら、ちゃんとショートしていた(笑

早速、測定。

MHz SWR
430.02 1.03
433.00 1.02
435.00 1.02
439.98 1.01

何と、非常にブロード。こんなに単純でいいのか?

試しに、こんなに変形させてみても、1.10。

バランとして機能しているのかはわからないけど、少なくともSWR上は問題ない。

ふと、145MHzで測定してみた。

うーむ、SWR 1.21。もっと、とんでもない値になると思ったんだけど…

分岐導体を外してみる。

ダミーロードを測定したわけなので、しっかり、1.01になった。このダミーロード(というか測定系)は、やはり、周波数が低い方が特性がいいようだ。

ついでに、それぞれに17cmほどのワイヤを付けてダイポールにしてみた。

この写真は撮影のために下に置いた状態だけど、空中に展開した状態では、こんな感じでそれなりのSWRになった。試しに、レピータにカーチャンクしたら反応が返ってきたのでアンテナとして動作していると考えていいと思う。余談ながら、このSWR計は送信を止めても値をホールドしてくれるので撮影は非常に楽^^

では、勢いで、145MHzでも分岐導体バランを試してみる。

300 / 145 / 4 = 0.5172

なので、約52cm。

測定。

バンドの下の方から上の方まで1.01だった。

これならシュペルトップよりも簡単で安上がりだ。でも、本当にバランとして機能しているのかちょっと不安。誰か追試してくれませんか?


使ったSWR計は、SW-102と言うもの。eBayで買った。

⇒ eBayでSW-102を探す

アンテナ
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コメント

  1. YS より:

    同書ダイジェスト版なので64頁しか見られないのですが、分岐導体は同軸ではないですか?

    • jh4vaj より:

      すみません、おっしゃっている意味がよくわかりません。

      • YS より:

        失礼しました。コメントするページ間違えました。同書とは「ユビキタス時代のアンテナ設計」のことです。これまた間違っていたのですが、図5.6(e)で分岐導体は同軸のように見えたのですが、もろ導体なのですね。

        この手の検索をするときはUS、オーストラリア、イタリアなどハム人口の多い国のYahoo!で検索するのですが、昨晩コメントした後にUSで見つけた関連情報のリンクを貼っておきます。分岐導体バランはFolded Balun、もしくは、Pawsey Stubと言うようです。どうりでjunction conductorで検索しても引っかからない訳です。笑 3つ目のリンクの1:1も簡単に試せそうです。

        https://www.hamradio.me/antennas/coax-velocity-factor.html

        https://diydrones.com/profiles/blogs/some-more-antennae-and-…

        https://www.onetransistor.eu/2018/04/transmission-line-balun…

        • jh4vaj より:

          詳細、ありがとうございます。「分岐導体は同軸で作るのではないのか」という指摘だったんですね。私も最初はそのように思ったんですけど、単なる導体のようでした。

          また、興味深いリンクもありがとうございます。二つ目のものの最後の図が正に分岐導体バランですね。この説明ではバズーカの代用みたいに書かれていますが、バズーカ(シュペルトップ)だと先端(アンテナ側)はオープンなので、両者別物だろうと思っています。

          三つ目の1:1も簡単そうですね。

          いずれにしても、効果をチェックしたいですね。簡単な方法があれば良いのですが。

  2. 高橋真之 より:

    「昔ながら」の分岐導体バランを実験してみました.
    適用したアンテナは50MHzのターンスタイル2/3λヘンテナです.
    分岐導体に同軸を使う,昔の教科書で良く見た,しかしなぜか最近は全く見なくなったバランです.
    以前144MHzキュビカルクワッドに使用して好結果を得ていたので久しぶりにやってみました.
    構造は図を参照ください.
    同軸の芯線とエレメントが直流的につながっていないのが特徴です.
    主な結果は下記の通りです.平衡度は測定していません.
    ・実験的に求めたスタブの波長短縮率は53%程度.そうなる理屈は不明.
    ・同軸とスタブの間隔の変化に極めて鈍感.
    ・バラン自体の帯域はザックリ10MHz程度はある.
    ・受信ノイズが低下する.
    ・送受信パフォーマンスは全く問題なし.

    • jh4vaj より:

      情報ありがとうございます。
      二つほど質問があります。

      1. 給電点はどのような接続になっているのでしょうか?

      2. 波長短縮率を実験で求めたとのことですが、どのように測定したのでしょう?

      ご回答いただけるとありがたいです。

  3. jh4vaj より:

    すみません。一つ目の質問は無視してください。管理画面上では図の上が切れて表示されていたため、給電部が見えませんでした。コメントを承認後、このコメント欄には図の全体が表示されたのでこの疑問は解消しました。お騒がせしました。

  4. JR7GDU より:

    アンテナの代わりに50Ω固定抵抗をつなぎ,アンテナアナライザで観察して求めました.
    最初は同軸の波長短縮率が0.67になると思ってやってみたところ,ずっと低い周波数でSWRが下がりました.
    それから逆算してスタブの長さを変更したところ50MHzのバンド内にSWR最低区間の中心が来ました.

  5. JR7GDU より:

    ご参考まで,分岐導体型バランの情報がありましたので付します.
    肝心のスタブ長に関する言及はありません.
    下記文献のP108,図14.5 (4)
    https://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/79/79741/79741_P105-108…

    • JR7GDU より:

      スタブが1/4λであることは書かれているものの,同軸ケーブルを使用する前提でありながら適用すべき短縮率に関する言及がありません.

      • jh4vaj より:

        ありがとうございます。
        分岐導体側を「同軸ケーブルとして使う」例は初めて見ました。物理的に同軸ケーブルを使っていても、単なる導体として使っている(と思われる)例はよく見ますが。
        同軸ケーブルとして使わない場合は、波長短縮率は、当然、効いてこないようです。
        この例のように同軸ケーブルとして使うのであれば、やはり、短縮率が効くのでしょうね。それが53%程度になる理由はわかりませんが。

        このような構成の例を探してみたところ、一つ見つかりました。説明だけで、実験はしていないようなので、短縮率にいての細かい話はありませんが。

        https://mooneyspace.com/topic/32431-antenna-balun-design/

        分岐導体バランの接続方法には色々バリエーションがあるようですね。英語ではpawsey blun(または、pawsey stub)と呼ぶようです。

        https://www.google.com/search?q=pawsey+blun+OR+stub

  6. JR7GDU より:

    ご紹介頂いたmooneyspace.comに出ている最初のバランはそのものですね.
    しかし波長短縮率はRG400で0.69となっています.
    これではきっとうまくいかないと推測します.
    このタイプの分岐導体バランが世間でほとんど使われていない原因はスタブの波長短縮率の不明さにあるのかもしれません.
    もし0.67位で作ってみたとしても,SWRが悪いのはスタブ長でなくバランの構造そのものが原因であると思って投げ出した人も多かったでしょう.