先日入手したカーボンファイバ釣竿をアンテナとして使ってみる編。釣竿はAliExpressで買った物。呼称10m、実際は9.2m(これは販売ページに明記されている)。
釣竿自体のレビューはこちらの記事。
今回は、これを実際にアンテナとして使ってみる話。ATUにつないでロングワイヤのエレメントとして動作させる。
製作編
カーボンロッド給電部
給電方法は、先駆者のJS1WWRさんの方式に習い、銅箔テープによる静電結合でやってみる。
まずは、竿の握り部のラバーを剥がす。
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ラバーはハサミを隙間に差し込んで切れ目を入れたら、あとは引っ張れば簡単にむけた。飾りリングは上に向かって叩いたらずれてくれた。その下でラバーが接着されていてガビガビ。カッタで少しガリガリやって削り落とした。リングは残念ながら抜けない(上で引っかかる)。
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IPAを含ませたティッシュで拭いたらティッシュが真っ黒。塗装(?)が剥がれたみたいで、竿の色が薄くなった。
銅箔テープはぐるりと全体に貼った(縦方向に数本で全体を覆った)。飾りの金属リングのところまでにしたので、長さは20cm程度。
下の方でワイヤ(ACケーブルを割いたもの)をハンダ付け。結束バンドで固定。銅箔テープの上にビニルテープを巻いてから結束バンドのほうが良かったかも(銅箔テープは薄いので直接結束バンドで締めると破れそう)。
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自己融着テープを巻いて防水。ワイヤの反対側には圧着端子。
アース部
アースはカウンタポイズではなく、アース棒にする。カウンタポイズとしてワイヤを地面に這わせたりカナヲ身を置くほうが邪魔なので。
ところが、ホームセンタにアース棒を調達に行ったら結構高い。50cm物で1本500円くらい。1m物だと1400円位もする。他に何かないかと探して見つけたのが、全ねじ(ユニクロ)。M6の1m物が150円ほど。2本購入。
1mのものを地面に打ち込むのは結構辛そう(曲がりそう)な気がしたので、半分に切って50cmにして使う。ケーブルは圧着端子を付けて、ナットで挟む。フランジナットにしてみた。
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防錆剤を吹き付けてから自己融着テープで巻いたけど、防錆剤はテープをつきにくくするだけだったかも。というか、テープを巻いても気休めかもしれないけど、ま、一応。
KURE(呉工業) 2-26 (180ml) [ For Professionals ] 防錆・接点復活剤 [ 品番 ] 1020 [HTRC2.1]
仮測定
アース棒を地面に打ち込み、釣竿を仮に立て、LiteVNAで測定してみる(LiteVNAを使ったのは、microSDに画面を保存できるため)。
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まず、釣竿の先端の二本を引っ込めた状態。
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SWRが下がっている周波数は約10MHz。これがλ/4のポイントだとすると、竿(+給電部のワイヤ)の電気長は7.5m。
続いて、先端の一本だけを引っ込めた状態。
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9.5MHz。同様に、電気長7.9m。
最後に先端まで全部伸ばした状態。
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9.16MHz、電気長8.2m。先端部は40cm程なので、変化はこんなもんか。しかし、それにしても、同調周波数が高いな。釣竿が9.2mでそれに給電部のワイヤも付いていることを考えると、8MHz辺りに同調するだろうと思ってたんだけど。カーボンロッドって短縮率が1より大きい?いずれ、伸ばした状態で長さを実測してみよう。
【補足】 どうやら、段間の容量結合が短縮コンデンサとして機能しているらしい。
ともかく、先端部までエレメントとして機能していそうなことはわかった。
なお、アースは1本と2本とでは結構違った(1本ではSWRが高い)。2本以上は3本でも4本でも大差なし。ついでに、アース棒間をテスタで測ってみたら、どの組合せでも概ね1kΩ程度。直流抵抗を測ってもあまり意味はないと思うけど、地面に電気的につながっていることはわかった。
設置
設置と言っても、竿を紐で木に括り付けただけ。生の木は導体みたいなものだろうからあまり良くはないと思うが、まずはお手軽に。
それを屋外型ATUに接続。
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ATUは、AT50(ATU-100の屋外タイプ)。
Bias-Tによる給電にしているので同軸ケーブルだけでつながられて楽。
黒い輪はFT240-43を使ったコモンモードチョーク。
各ワイヤを接続した後は、ATU全体をビニル袋に入れて簡単な防水。
これで50~3.5MHzで一応、チューニングが取れた。ただし、24MHzと3.5MHzはSWRが高めで、2位。その他は概ね1.5以下。14MHzがちょっと高い感じ。とは言え、竿とATU間の配線の引き回しなどでも結構変るので参考程度。1.8MHzはまったくダメ。エレメント長が短すぎるし、おそらくアースも足りていない。
運用
実際に使ってみた結果。送信出力は40W強。
PSKReporter
21MHz
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18MHz
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14MHz
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10MHz
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7MHz
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QSO実績
めったにつながらないエクアドルやイングランドともQSOできた。
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まとめ
まだ使ってみたばかりだし、コンディションにによるところも大きいが、そこそこ飛んではいそう。住宅密集地で、北は自宅、西は隣家が迫っている。東と南はそれぞれの隣家の庭なので多少は距離があるとは言え、開けているってほどでもない。そんな状況を考えれば結構いい感じじゃないだろうか?普段使っているロングワイヤ(12m+ATU(CG-3000))と聴き比べても同じように聞こえる(WSJT-Xでの値なので、「見比べて」が正解か?)。送信するとPSKReporterに反映されてしまい、区別がつかないので送信はしていない。
カーボンロッド直接給電のためワイヤがないので、収納が楽。使うときだけ伸ばすとか、風が出てきたので引っ込めるとか、そういうのが容易にできる。引っ込めた状態で屋外に置くなら、上からビニルを被せると良いかも(傘袋のような)。立てた状態で全部引っ込めると出せなくなるので、先端部は完全には縮められず、そうすると中に雨水が溜まってしまうので。
カーボン釣竿は安いことも魅力。
AT50も屋外型ATUとしては群を抜いて安い(ただし、半キット)。
移動運用で使うなら、こういうスタンドを使って立てるのがいいかもしれない。
カーボン釣り竿はAmazonにもある。
つづき
コメント
私もこのカーボンロッドを入手しました。ATUもAT50です。我が家は隣の家と隣接してるので、台風等を考えてロングワイヤーもそれほど高く上げてません。これなら強風時に縮めれば良いだけなので、地上高が相当稼げるので期待大です。
帰宅したら早速組み立て取り付けです。
良い釣果(?)が得られるといいですね。