NanoVNASaverを久しぶりにアップデート。と言っても、リリースされたのは一か月以上前の2022年1月4日なんだけど。
変更点を引用。
Changes in v0.3.10
- Default Band ranges for 5 and 9cm
- Layout should fit on smaller screens
- Fixed fixed axis settings
- Show VNA type in port selector
- Recognise tinySA (screenshot only)
- Some more cables in TDR
- Reference plane applied after calibration
- Calibration fixes by DiSlord
あまり大きな変化はないのかなと思っていたのだけど、使ってみたらとても良くなっている。というか、0.3系で不満だったところが改善されている。
まず、 Sweep Control周り。
バージョン0.3.9までは起動時にどういうわけか27~30MHzに固定されてしまっていた。これが、0.3.10では前回の設定値で立ち上がってくれる。
バージョン0.2.2まではこういう仕様だったはずで、0.3系になって非常に使いづらかった。それが元の仕様に戻り使いやすくなった。
その下のSegments(スイープの分割)も良くなっている。0.3系では、これを1以外に設定するとNanoVNASaver自体がクラッシュすることが多かったのだけど、0.3.10では安定して使える感じ。0.2.2の安定性を取り戻した。
なお、「Segments」という見出しがなくなったが、変更点に「Layout should fit on smaller screens」とあるのでこの関係だろう。
また、キャリブレーションも安定した。0.3.9までは2ポートキャリブレーションの際にコケることがしょっちゅうだったのだけど、それがなくなった。この点も、0.2.2の安定性を取り戻したような感じ。
使い方には特段変化なし。
NanoVNA-H4につないで使ってみた様子。
マーカの三角印ななくなり、数字だけになってしまっている。どこを指しているのかわからない。うーん、ここは改悪。
LiteVNA 64でも使える。
ということで、ざっくりいうと、「0.3系が0.2.2並に安定して使えるようになった。ただし、マーカのポイント表示がなくなったのは残念。」という印象。
【追記】
マーカの三角表示がなくなったのは、おそらくバグ。設定をいじると出てくる(が再起動でまた消える)。詳細は下のコメントで。実は、あの三角表示については、NanoVNASaverの元々の作者のRuneさんから私に意見を求められて決ったた仕様なので、個人的にも思い入れがある。ぜひ、元に戻って欲しい。
コメント
これ、バグですね。
Display setupのMarker sizeを変えるとその後は閉じるまで表示されます。
起動しなおすとまた消えますが。
そのうち直ることを期待してます。
なるほど。確かにMarker sizeの変更で三角が出てきますね。マーカの追加や削除はやってみたのですけど、サイズ変更は見落としていました。
三角が表示されていないのはすぐに気づくでしょうから、近いうちに修正されることに期待ですね。
このバージョンでは安定性が増したことが嬉しいです。
確かに安定しましたね。
ずっと2.2-1を使ってましたがこれなら乗り換えられます。
私がメインで使っているNanoVNA-F V2はリリースされたNanoVNA SaverをメーカーがV2のFWに最適化した専用バージョンを出して来るので、3.10のV2版も待ち遠しいところです。
そういうところも手を入れいるんですね。ついでに、マーカのバグを直してコミュニティにフィードバックしてもらいたいものです。