HDDの挙動が怪しくなったので交換用のHDDを入手した。詳細はこちらの記事。
そんなときに、EaseUS社からディスクバックアップなどのツールのレビューのオファーを貰った。バックアップツールを使えばディスク(パーティション)をコピーできるはず。わざわざ実験用の環境を作る必要はなく、ちょうどいいタイミング(ぶっつけ本番とも言うが)。EaseUS社からは「実際に使って、良い点も悪い点も書いて欲しい」のことで、変に気を使う必要もなさそうなので引き受けることにした。
HDDをPCに接続
まずは、新しいHDDをPCに接続する。蓋を開けてSATAで直接つなぐ。
ディスクが認識されていることを確認。一応、CrystalDiskInfoでも。
ふと、問題のディスクを見ると事態はさらに悪化している。
「回復不可能セクタ数」のカウンタが上がっている。これは、もはやデータがこれ割れてしまったということだろう。交換は間に合わなかったか…。などと言っていても仕方ないので、とにかく、救えるものは救うという方針で。
EaseUS Todo Backupをインストール
ディスクのバックアップツール「EaseUS Todo Backup」にクローン機能がある。詳細はこちら。
ダウンロード直リンク ⇒ https://down.easeus.com/product/tbh_trial
では、ダウンロードしたものを起動して、インストールを始める。
以下、指示に従って進める。
ここでライセンスコードを入力する。
システムが起動できなくなった場合に備えてブータブルディスクを作っておくようにとの案内があるが、とりあえず、ここは「後で」を選択。これで、インストール作業はは完了。
ディスククローン作成
では、早速、新しいHDDを使ってクローンを作る。
まず、左のメニューを開いてみる。
下の方に「クローン」というのがあるので、これだろう。念のため、一番下の「ツール」もチェック。
やっぱり、「クローン」で良さそうなので、これを選択。
ディスク全体のクローン(結果的には、HDDの問題で失敗)
ソースの選択になった。
今回は「ハードディスク3」として認識されているものがソース(元になるディスク)。これにチェックを入れて、「次へ」で進む。
ターゲット(コピー先)は「ハードディスク4」として認識されているもの。ハードウェア的に接続しただけで何もしてないので、全領域が「未割り当て」になっている。これにチェックを入れる。
そして、右の方にある「編集」のリンクを開く。
なるほど。元のパーティションサイズをそのまま引き継ぐらしい。
パーティションのをマウスで掴んでドラッグしたら動いた。とりあえず、二つ目のパーティションを後ろに適当なところに一時移動。
一つ目のパーティションの後ろの方(右端)をマウスで掴んでドラッグするとパーティションサイズが変えられる。ここでは、2TBとしてみた。
二つ目のパーティションを一つ目のパーティションのすぐ後ろに移動。かつ、こちらのパーティションサイズも2TBに増やした。残りは未割り当てのままとしておき、あとでもう一つのパーティションとしてドライブを割り当てることにする。
これで「次へ」。
ソースとターゲットのレイアウト確認。これでいいので「実行」。
これでクローンが作られるはず。
と思ったら、しばらくしてエラー。
「回復不可能セクタ数」として上がっているエラーが(悪い方向に)効いているみたい。うーん、参った…。
パーティションのクローン
これまでの作業を通じて、エラーが生じているのは一つ目のパーティションであり、二つ目のパーティションは大丈夫なはずということがわかっている。そこで、前の画面に戻って、二つ目のパーティションだけのクローンに切り替えて実施する。
ここで問題がないであろうパーティション(Eドライブ)だけを選択する。
先程のディスク全体のクローン作業の影響でOtherというパーティションができてしまっている(MBR?)。
どうしようかと思ったけど、とりあえずこのままで、未割り当ての領域を選択し、「編集」をクリック。
今度はパーティションが一つだけなので、先頭に配置されている。
先程のレイアウトにしたいので、パーティションの位置を移動し、サイズも広げた。これで「OK」。
では、「実行」。
「残り時間」はあまりあてにはならない(特に最初の頃は)。
最終的に2時間と5分程でクローン作業完了。エラーなしで、一安心。
ディスクの管理の方でもちゃんと認識されている。が、ドライブレターがAになっているのがちょっとなぁ。開いているドライブレターの若いものが順に強制的に割り当てられる仕様なのかな。クローンの手順の中にはドライブレターの選択/指定はなかった(気づかなかっただけ?)。まぁ、ドライブレターは、ディスクの管理から変更できるのでさほど問題でもないけど。以下のようにドライブレターを割り当てた。
ここで、Kがクローンが作れなかったパーティション(現時点では空)、Lがクローンを作れたパーティション、Mは空のパーティション。
バックアップから復元
HDDが壊れたとは言え、もちろん、バックアップは取ってある。バックアップに使っているツールははAcronis True Image。要は、EaseUS Todo Backupの競合製品。
とりあえず、今の状態でエラーの起きているドライブ全体を別のドライブの空き領域にコピーしてみた(単純にWindowsのエクスプローラーで)。そうすると、エラーでコピーできないというエラーが出る。直感的に重要そうなファイルのファイル名を控えておいた。エラーが出る度に止まるので、休み休みで一日作業。幸いにも極めて重要というファイルはなさそうだった。比較的重要なのは写真ファイルがいくつか。控えておいたファイル名からパスを割り出す。
次に、バックアップツールで過去のバックアップファイルからそのエラーを起こしていたファイルを復元する。直近のバックアップから戻したものはすでにアクセスできない(写真が開けない)状態だった。順番に過去の日付のバックアップをたどっていくと、一週間ほど前のバックアップは正常で復元した写真ファイルがちゃんと開けた。ということで、この日のバックアップからパーティション全体を復元する。
Acronis True Imageはここでの本題ではないので詳細は省くけど、これもGUIで簡単に復元作業ができる。ポイントを一つ挙げておくと、復元先のパーティションにドライブレターを割り当てた状態(上の図で言うとKドライブ)だと、そこにパーティションを復元することはできないので、一旦、未割り当てに戻す必要がある。
そうやって復元したらパーティションの状態が下の図のようになってしまった。
パーティションサイズも復元されて、500GB強の未割当領域ができてしまった。多分、復元オプションに設定があったのだろう(標準のまま復元した)。もう一度復元作業をやり直せばいいのかもしれないけど、これも数時間の作業なのでやりたくない…。
EaseUS Partition Masterでパーティションサイズを調整
そう言えば、EaseUS社からレビューのオファーをもらった際に、パーティションツールもあるという話を聞いていた。サイトを見に行くと、Free版もある。
パーティションサイズの変更やコピー、分割、結合などの基本的な操作はFree版でもできるようだ。早速ダウンロードして、インストール。インストール手順はEaseUS Todo Backupと同様だった。
起動。
今回の対象は「ディスク4」。
右のメニューから「ディスクレイアウトの調整」を選んでみる。
どうやら、これもマウスで端を掴んで引っ張れば良さそう。
たしかにそれでサイズ変更できるのだけど、未割り当ての領域を超えて大きくできてしまう。その分、隣のパーティションサイズが小さくなる。それは希望とは違う。一旦、「キャンセル」。
前の画面に戻って、「ディスク4」全体ではなく、目的のパーティション(Kドライフ)を選択する。
そうすると、右のメニューが変った。
「サイズ調整/移動」を選択。
これなら目的のパーティションとその隣の未割り当ての領域だけがサイズ変更の対象になってくれる。
未割り当ての領域全体を含めるように引っ張る。「OK」を押す。
画面の上の方に「1つの操作を実行する」というボタンができる。これを押すと、実際に処理に移行する。
「適用」で動作開始。
数分で完了。パーティションの移動を行うと時間がかるだろうけど、未割り当ての領域を使っただけなので早い。
これで希望通りの構成になった。
まとめ
EaseUS Todo Backupを使ってのパーティションのクローン作業は簡単だった。マニュアルなど見ずに、画面のナビゲートだけで作業できた。海外製のツールだけど、日本語もよくこなれているともう。
今回はディスクのクローン機能に絞って使ってみたが、本来は、これはバックアップツール。スケジュールを組んで定期的なバックアップが行える。増分バックアップなどにも対応しており、完全にAcronis True Imageの競合商品。機能面では、主だったところはだいたい同じみたい。
一方、値段を比べると結構違う。というか、価格体系がまったく異なっている。Acronis True Imageは一台の料金は高いけど、三台用、五台用のものがあり、複数台で使うなら割安になる。EaseUS Todo Backupは一台あたりの価格。複数台の設定はなく、単純に台数分の掛け算。一台だけならEaseUS Todo Backupの方が安いが、複数台ならAcronis True Imageの方が安くなる。
また、価格面でもう一つ面白いのは、「永久ライセンス/無料アップグレード」というエディションがあること。これを購入すると、将来に渡って無料で新しいバージョンを使える。その旨、こちらの購入ページに記載されている。
ちょっといただけないのは、ライセンスリセットの仕組み。PCを買い替えたりするとライセンスを新しいPCに移行しなければならないけど、その作業がメールで問合せということになっている。オンラインでユーザがさっとやれないのは面倒だと思う。
コメント