が、最終的には、コイルの一次二次のGNDを接続しフロートバランを入れる形でまとめる。最終的な回路はこんな感じ。
少々複雑になったけど、構成要素は左(無線機側)から次の三つ。
- SWR検出回路
- フロートバラン
- Gawantマッチング部(バンド切り替えスイッチ付き)
組み合せるアンテナエレメントは、CB用のロッドアンテナ(149cm、センタローディング)。
では、早速、アンテナアナライザSARK100での測定結果。
まずは、ローバンド側。
18MHzまでマッチングが取れた。
続いて、ハイバンド側。
こちらは、14MHzからマッチングが取れる。しかし、下の方はSWRが若干高め。
では、どの範囲でマッチングが取れるかを確認する。
まずは、ローバンド側。
ハイバンド側。
SWR値では割といい結果が得られた。
ここまでで一応完成だけど、フロートバランが発熱することがわかっている。送信の際にはこの点に注意(連続送信は気をつける)。また、カウンタポイズを付けるとその発熱が抑えられるが、一方で共振点が下がる。ということで、カウンタポイズを付けてマッチングが取れる範囲を確認する。
カウンタポイズは手近にあったワイヤで試す。まずは、180cmのRCAピンコード。これをアンテナ側のGNDに触れさせておいた。
ローバンド側。
ハイバンド側。
全体的にSWRが高めになった。また、ハイバンドの上の方が随分下がってしまった。
もう少し長いケーブルでもやってみたくなり、ヘッドフォンが目についたのでケーブル長を測ったら360cmあったので、これを試してみる。
ローバンド側。
ハイバンド側。
こちらもSWRが高め。ただし、ローバンド側のハイエンドはしっかり落ちている。ハイバンド側のハイエンドは180cmのときよりも上に移動したように見えるが、SWRが高い。しかし、無線機(HB-1B MK3)に接続してみると総じて落ちる(反射波電力メータが下がる)。なんでだろ?
また、カウンタポイズはないよりもあった方が受信感度は上がる。180cmよりも360cmの方がさらに良い。送信で考えれば、カウンタポイズがないと送信エネルギがフロートバランを温めることに使われるけど、カウンタポイズがあればエネルギは空中に放出されやすくなるということだろう。カウンタポイズというよりも、アンテナエレメントとして働いているのかもしれない。
以上、色々やってきたけど、これで一旦完成としよう。
【追記】
jh8jnfさんがご自身のブログで動作原理について考察なさっていた。
考察:ノンラジアルのロッドアンテナへの給電
https://jh8jnf.wordpress.com/2017/02/05/%E8%80%83%E5%AF%9F%E…
コメント
おつかれさまでした。
先日ツイッターに書いた式の結果で少し気になっている点があります。
r+jXという負荷をつないだ時の等価回路で出てきたR=r+X^2/rという負荷です。
vajさんの回路だとトランスの巻き線比が1:7だったと思うのでインピーダンスの変換比はおよそ 1:50程度、ということは共振回路がある側のインピーダンスは2500オーム程度の出力インピーダンスと考えられます。1/2λの電圧給電アンテナだと、実例を見ているとr=2k〜3kオーム程度のインピーダンスになり、Xがゼロなら給電点での整合が取れると思うのですが、問題はrがそれよりも小さく、Xが、負の値で、かつ、|X|が大きい場合や|X|がゼロに近い場合です。
たとえばr=100, X=0だとR=100ですからエレメントにつながった部分では整合が取れて居らず、反射電力として電源側=共振回路に戻ると思います。
また、もしr=3でX=-1000(かなり短いエレメントの端から給電したイメージ)なら
R=r+X^2/r=3+1000^2/3=3+333k≓333kオームです。
実際にロッドアンテナに給電してアンテナの接続点でどれくらいのインピーダンスになっているのかなーと思っていまして、MMANAでは2m程度で7MHzで0.3-j10000とかそんな数字でこれはちょっと信頼できない・・・
先に共振回路が発熱している件があり、もしやこのインピーダンスの整合ではないかと思いましたのでコメントしました。
この内容で、式の導出のところから自分のブログに書こうかなーと思ったところで共振回路での発熱の話がありましたので、こちらに書いた次第です。
まず、巻線数ですが、一次側が3回、二次側がローバンド側で19回、ハイバンド側が10回です(数え間違えていなければ^^;)。なので、巻線比は1:3.3、または、1:6ということになります。
一次側の回数を変える実験もやってはみました。しっかりとデータを取らなかったので記事にはしませんでしたが、2Tだとハイバンド側はいいけどローバンド側は良くない、4Tだとその逆、というような傾向だったので間を取って3Tにしました。本当は、二次側に合せて一次側の回数も変えた方がいいのかもしれません(巻線比を一定にというイメージ)。
共振回路が発熱するということは、やはり、そこでの整合が取れていないのだと思います。電力が熱に変っているというわけですから。
一方で、現実に交信できているという話ですから、能率は良くないにせよ、まったく飛ばないものでもないようです。私はまだ実運用に用いていなので、その点は他の方のレポートに期待しています。
ついでなので、ロッドアンテナ単体で測定してみました。別記事にしてあります。
https://www.jh4vaj.com/archives/2896