NanoVNA-H、NanoVNA-H4の新しいファームウェアがリリースされていると、先日、コメントで教えてもらった。ということで、遅ればせながらアップデート。
新ファームウェアをダウンロード
公式のGitHubから入手できる。
そこのコメントによれば、フォントは(tinySAのものに似た)大きめのものに変更されているとのこと。ということは、視認性がよくなっていると思われ、これは嬉しい。
この中で、必要なのは「.bin」拡張子のもの。Hではなく、H4用なので、つまりは、一番上のもの。
ファームウェアを更新
NanoVNA-H4でのファームウェアアップデートってどうやるのかと思って調べてみたけど、それらしいものは見つけられなかった。多分、特別なことはなく、NanoVNAと一緒って言うことだろう。ちょっと、勝負な気がしないでもないけど、やってみる。
NanoVNA-H4をDFUモードで起動
ファームウェア書込みのためには、NanoVNA-H4をDFUモードにする必要がある。Configメニューから行けるはず、と思ったら、NanoVNA-H4のConfigメニューにはDFUモードへの移行ボタンがない。
ひょっとしたら、「ケースを開けて、端子をショートして電源投入」という懐かしい方法?そうだとしても、どの端子か調べなきゃ分からない。
と思いつつ、検索したらこちらのビデオを見つけた。
これによれば、レバースイッチを押し込んで電源をオンにすればDFUモードになるらしい。
念のため、手元の実機で確認。
まず、通常状態でNanoVNA-H4をPCにつないだ場合。
COM3として認識されている。
続いて、レバースイッチを押し込んで電源を入れた場合。
STM32 BOOTLOADERとして認識された。これならDFUモードで起動していると思って間違いないだろう。なお、NanoVNA-H4本体の画面は真っ黒のまま。
ファームウェア書込み
では、ダウンロードしたファームウェアを書き込む。先程のビデオではGUIツールを使っていたけれど、いつものようにコマンドラインでdfu-util.exeを使う。ダウンロードしたファイルが「NanoVNA-H4_20210131.bin」なので、次のように指定すればいいはず。
dfu-util.exe -d 0483:df11 -a 0 -s 0x08000000:leave -D NanoVNA-H4_20210131.bin
【補足】
dfu-utilを使うには、ドライバの入替えが必要。詳細はこちらのNanoVNAの記事で。
【補足ここまで】
では、実行。
上手く書き込めたみたい。
NanoVNA-H4本体は自動的に再起動している(通常動作状態で)。
余談と言うか補足というか、ファームウェアのアップデート後はCOMポート番号が4に変った(アップデート前は前記の通りCOM3だった)。
ファームウェアの書込み後は、いつもどおり、タッチパネルのキャリブレーション(TOUCH CAL)を実施しておく。
バージョン確認
「Version: 1.0.45」になっている。OK。
動作確認
改善点
まず驚いたのが、タッチパネルの反応が良いこと。これまでは、NanoVNAと同じく、タッチパネルの反応がイマイチだったけど、「こんなものなんだろうな」と思っていた。でも、tinySAを使ったら非常に気持ちよく反応してくれるので、NanoVNA / NanoVNA-H4のタッチパネルの反応の悪さが気になっていた。
しかし、このアップデートで、タッチパネルの反応がすこぶる良くなった。ストレスなく使える。素晴らしい。アップグレードと言ってもいい感じ。
続いて、画面の比較。まずは、アップデート前に、比較用として撮っておいたもの。
そして、こちらがアップデート後。
確かに、文字が読みやすくなっている。S-A-A-2みたいな感じ。ともかく、前より見やすくて良い。
もう一つ、大きな改善点がある。それは、NanoVNASaverに接続した際に、NanoVNA-H4本体の画面が暗くならなくなったこと。これまでは、NanoVNASaverに接続すると暗くなって非常に見づらかったので、その度にいちいちBRIGHTNESSを調整していた(画面が暗いので操作しづらい)。今回の改善によって、その手間がなくなった。これも大変助かる。
改悪点
いいところばかりではなく、悪くなったんじゃないかと思うところもある。
NanoVNASaverに接続した際にPAUSE SWEEPになってしまう。
NanoVNASaverにつないだということは、PCで操作するつもりだろうから、本体でのスイープは止めて良いという判断なのかもしれない。が、そうではなくて、こういうふうに画面をキャプチャする目的でNanoVNASaverにつないだ場合は、本体でのスイープが止まるのは困る。
まぁ、PAUSE SWEEPを解除すればいいんだろうが、しかし…
まともに測定できない。
保存状態をRECALLすると測れるようになる。
画面輝度が落ちなくなったのはいいのだけど、こんな問題が。
とはいえ、文字は読みやすくなったし、そして何よりタッチパネルの反応が非常に良くなったので、ファームウェアをアップデートする価値は大いにあり。
コメント
こんばんは。
VAJさんのおすすめのnanoVNA-H4、Aliで買いました。
2月3日に注文して、今日届きました。
ファームウェアは、1.0.45になってました。
VAJさんのサイト、大変役立っております。
ありがとうございました。
情報ありがとうございます。最初から1.0.45が入っているのは、アップデートの手間がいらなくて楽ですね。
この際はは私自身のメモのようなものですけど、役に立つ所があるようで、嬉しく思います。
最新版ファームウエア 1.0.69が出ています。
> https://github.com/hugen79/NanoVNA-H/releases
ありがとうございます。そのページを見に行ってみましたけど、変更点に関してあまり情報がないですね。
1.0.70にしたらCH0→S11 CH1→S21 それと画面左側に「Pa]という文字表示が・・・。詳細情報はありませんか? ご存知でしたらお教えください。
ちょっと見てみました。
とあるので、詳細はそっちにありそうです。
https://github.com/DiSlord/NanoVNA-D/releases/tag/v1.0.63
こちらに、「Rename CH0 to S11, and CH1 to S21」と記載されています。この件は単に表示を変えたってことだろうと思います。
「Pa」の方これを見ただけじゃわかりませんが、画面の表示とこちらの変更内容から何か該当しそうなものはないでしょうか?
※別送で頂いた誤字は修正しておきました。
情報、ありがとうございます。「Pa」は引き続き調べてみます。さらに発見!SD-cardを入れてみました。SD-cardにSAVEしたファイルの日付が2000/01/01・・・。不思議に思い、ヴァージョン情報を見ていたら、新たにTime情報が表示されていました。このTimeはどこで得ているのでしょうかね。使えば使うほどわからなくなってきました。
「Pa」の意味がわかりました。校正ステータスのところに出てくるものですね。それは以前からあります。私のものはまだ1.0.45のままですけど、Paは表示されます。
これは、キャリブレーション時のパワーがオートを表しているようです。
こちらをご覧ください。
https://groups.io/g/nanovna-users/topic/nanovna_strange_cali…
たびたびありがとうございます。本日1.0.71がリリースされていました。これに日付設定の項目が追加されており、先日の「Time」が設定できるようになりました。都度改善されているんですね。私は使うだけの人間ですが開発者には感謝です。
こんにちは。SW-102の件振りです。
こちらの環境ではdfu-util.exeを使用したファームウェアの更新ができず(デバイス見えないよのエラー)悩んでいたのですが、
tinySA-appを利用して更新が出来ました。
tinySAもdfu-util.exeでの更新が出来なかった(上記同様)ため、ぐぐっていたところ、JH1LHVさんのブログでtinySA-appから更新が出来ることを知り、実践したころOK。
もしやNanoVNA-H4もいけるかな?とやってみたら出来ました。
失礼しました。dfu-utilを動かすためにドライバの入替えが必要です。私はNanoVNAの際に実施済みでしたので、このときはそうした問題は起きなかったため説明が抜けていました。
上の記事にその旨書き加えておきました。
そうでしたか。ありがとうございます。
次のアップデートの際やってみます。