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tinySAで2mの第三次高調波は測れるか?

タイトルの質問をもらった。tinySAには二つのポートがあり、一方(LOW)が 100kHz~350MHz、もう一方(HIGH)が240MHz~960MHz。なので、基本波(145MHz)と第三次高調波(435MHz)を同時に表示することはできないけど、LOW側で基本波、HIGH側で第三次高調波を表示することはできるはず。ただし、HIGH側は「入力フィルタがないため、帯域外の強い入力信号による影響あり」という制限(?)がある。

実際、どんなものか測定してみる。測定対象はアルインコのDJ-G7。50dBのアッテネータ経由(30+20dB)。

145MHz(基本波)

※100MHz – 300MHz
※145MHz±500kHz

比較対象として、OSA103 Miniでも測定。

上限は2.5GHz。特段のスプリアスは見られない。ということは、第三次高調波を見ようと思っても何も見えないか?

145MHz付近拡大。

435MHz(第三次高調波)

tinySAのHIGH側の測定に際しては、事前にキャリブレーションを実施。

では、測定。

※435MHz±195MHz(下限が240MHz)

ありゃ?グチャグチャ。基本波が-12dBm位だったので、-23.4dBmということは11dBc位しかない。

また、その他のスプリアスもひどい状態。240MHz付近でも-55dBm位の山が見える。LOW側での測定で300MHzまでは-70dBm以下ときれいだったし、OSA103 Miniでの測定結果でもきれいだった。このHIGH側の測定結果は正しくなさそう。

試しに、DJ-G7で435MHzを送信して測定。

こっちはあんなにひどい状況ではない。

ということは、やはり帯域外(240MHz未満)の強い信号(ここでは基本波の145MHz)での影響が出ているってことか。だとすると、帯域外をスパッと切るHPFが必要そう。

また、tinySAのHIGH側は「入力インピーダンス: 周波数につれて50Ωから乖離」と仕様にある。それもあってあまり正確な値は読めないと思った方が良さそう。


追加情報

LOW側も狭い間隔での二信号特性が良くないことを教えたもらった。1MHz以上程度離れていないものは厳しいらしい。

tinySAに限らず、測定器を使う上では何ができて何はできないかを知っておくことが重要。

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