これまでの実験で、フロートバラン+強制バランという構成にしてみた。強制バランを入れたのは、「実はこのアンテナは平衡型じゃないのか」という発想から。
今現在の構成を単純化するとこうなっている。
もし、バランス型であるならば、無線機側のGNDとアンテナのGNDが繋がっているのはおかしい(バランス型ならGNDという概念はない)。
※無線機とマッチングボックスは、フロートバランによって高周波的には切断されているので、両者がつながっているというのは正確な表現ではない。
感電事件(?)の当初から、ここがつながっているのが気になっていたけれど、オリジナル版の作者のjf1qhzさんによれば、ここを切るとSWRが下がらなかったと聞いていたため、この検証を後回しにしていた。
感電問題はフロートバラン(コモンモードチョーク)で避けられることがわかったので、このライン(上の図でバツを付けているところ)を切って確認してみる。
結果は、SWRは落ちなかった…。
もし、無線機の筐体がカウンタポイズとして働いていたのなら、代りにアンテナ側のGNDに適当なワイヤを繋げばSWRは落ちるはず。ということで、一番手近にあった糸ハンダを1.5mくらいに伸ばしてアンテナのGNDにつないでみたが、残念ながらSWRの改善は見られない。まぁ、フロートバランを入れたことで、無線機筐体は高周波的に切断されているはずなので、カウンタポイズとして機能していたとは考えづらいが。ちなみに、その糸ハンダに触ったらしっかり感電した。つながっていることは身をもって証明した^^;
やはり、GND同士はつなぐ必要があるようだ。こうなると、強制バランが入っていることが気持ち悪くなってくる。フロートバランだけにしよう。
これでも感電問題は起きないことを再度確認した。
これで決定かと思ったけれど、なんだかコアが熱い。すぐに熱くなるわけじゃないけど、送信時間が長くなるとかなり熱くなってくる。確認のため、今一度、強制バランを入れて試してみたところ、やはり、長時間送信だと同じように熱い。念の為に書いておくと、T50-43のフロートバランだとあっという間に熱くなるけど、T82-43だと長時間送信で熱くなるという感じ。
ここまで温度に関しては感覚に頼っていたが、ここで一度温度を測っておこう。
なんと、68度。こりゃ、熱いわ。しかもケースを開けた状態なので、閉じめるともっと熱くなりそう。とは言え、これ以上大きくするとケースに入らないし、長時間送信しなければさほど熱くならないので、取り敢えずはこれで行くしかないか。
ちなみに、温度計(プローブ部?)に対してインターフェアが発生するようで、送信中は温度表示がデタラメだった(笑
【追記】
この実験には大きなミスがあったことが判明。詳細は別記事で。
コメント
ふむふむ、xを切ると落ちませんか。なるほど。
xの所、誘導されて出てくる電圧の “-“側とすると巻き線比1:7なら送信機側の7倍の電圧がでてくるので、5W@50オームだと15Vの7倍で105Vくらいかかってるはず。無線機のGNDとつないでもチョーク無しでは感電するということは、すくなくともxのところはGND電位にはなっていないですよね。
チョークが熱くなるのは電圧がかかっているのをチョークが止めている証拠ですが、そこまで発熱していると送信機から来る電力のどんだけがチョークで熱になっているのかちょっと心配になりますね。
そうなんですよね。突っ込んだ電力のほとんどが熱になってるんじゃないかという気がしています…。アンテナエレメントがしっかり電力を受けられる(「捌ける」が適切?)ようなものじゃないのでしょうから、仕方ないという気もします。
例えば、きちんとλ/2の長さのエレメント付ければ、こんなに発熱しないのかもしれません。
あ、ふと思ったのですが、コイルの1次・2次の巻き線の方向はどうなっていますか?
送信機側のGNDにアンテナ側のコイルのHOT側がつながっているとまずいことになりそうな気がしますがどうですかね?
あ゛、それは考えていませんでした^^;
今確認したら、一次側のHOTを巻始めとすると、二次側の巻始めはGNDでした…。これが元凶かも。
現状の実装を眺めると、一次側を逆巻きに巻き直すのが手っ取り早そうなので、それで確認してみます。