これまでの実験で、
- コモンモードチョークで感電は防げる。
- 強制バランでも効果はあるが、不充分。
- FT50-43のフロートバランで効果は認められるが、発熱がひどい。
- FT50-43と極細同軸ケーブルでコモンモードチョークを試すも、やはり発熱大きい。
- FT83-43と極細同軸ケーブルでのコモンモードチョークでは発熱はするがひどくはない。しかし、ケースに収まらない。
というところまではわかった。これらのことから、FT82-43で作ったフロートバランを入れればいいのではないかと推測する。
この記事に対して、jh8jnfさんから、強制バランとコモンモードチョーク(フロートバラン)の二段構えがいいのではないかというアイデアが提示された。平衡―不平衡による漏洩電流は強制バランで対策し、かつ、アイソレーションのためにコモンモードチョークを入れるというもの。これなら、発熱もひどくはないのではないかと。
このアンテナGawantの発想はEFHWがベースとなっており、そのEFHWはツェップアンテナを元としている。こうしたことを考えれば、このアンテナも平衡型と考えるのが自然な気がする。そうであるならば、強制バランを使うのは理にかなっている。
ということで、前回の実験で使ったFT50-43による強制バランと、同じくFT50-43によるフロートバランの両方を入れてみる。
結果は、確かにフロートバラン単体よりは発熱は小さい。しかし、まだ熱い。長時間触るのは辛いという程度。定量的ではなく、感覚的な話ではあるが。
続いて、FT82-43によるフロートバラン単体(強制バランは使わず)。巻きは、W1JR巻で19回。
これも期待通り。感電は避けられ、かつ、発熱もひどくない。これで一応、問題は解決。
だけど、平衡―不平衡の問題が気持ち悪いので、強制バランを入れておきたい気もする。
その前に、いくつか事前確認。
まずは、FT50-43に19回、単純に巻いたもの。
続いて、FT82-43にこちらも19回。ただし、W1JR巻き。
同じ巻き回数なら、スペック上は、FT82-43の方がインダクタンスは大きくなるはずだけど、逆に小さくなっている。W1JR巻はインダクタンスが小さくなるということか?
ところで、最初に確認したFT240-43にW1JR巻き13回のものは概ね120µHだった。これで感電は避けられたので、今回作るフロートバランはインダクタンスを少なくともここまで下げて大丈夫だろう。強制バランとの二段構えにするのなら、その分ロスが増えるので、フロートバランのインダクタンスを必要以上に上げないでおこうという考え。
まずは、FT50-43によるものの巻数を17回に減らしてみた。
概ね120µHになった。
実験では感電対策としては大丈夫だったけど、フロートバランの発熱がまだ大きい。
続いて、FT82-43の方も17回に減らす。
こちらも大体120µH。FT50-43の17回より微妙に大きい。
さて、組み込んで測定しようというところで、大トラブル発生。なんと、ロッドアンテナが破損。BNCコネクタから抜けてしまった…
実験は継続不能だけと、悔しいのでアンテナエレメントを付けないで測定。
なんとなく予想してたけど、エレメントがなくてもマッチングは取れる(笑
しかし、無線機から発した電力はどこに行ってしまったんだろう…
このFT82-43によるフロートバランとFT50-43による強制バランの組合せで、感電もしないし発熱も大したことはない。対策のメドは立ったけど、ロッドアンテナをどうにかしなくては。
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