アンテナアナライザのSARK100は単体でも使えるけど、PCのソフトウェアと組合せて使うとさらに便利。知っている限りで、次の二つがある。
- WinPCC-Sark100
- SARK-100 (SM6WHY)
ということで、これらの使い方をざっくり紹介。
SARK100本体の準備
本体側の準備は以上。これで、PCのソフトウェアとの通信待ち状態に入る。
必要に応じて、PCにドライバがインストールされるはず(Windows 10ではおそらく自動的にインストールされる)。手元のPCでは、別のデバイスを繋いだときにインストールされたものがそのまま使われたようだ。
WinPCC-Sark100
元々は、台湾製のソフトのようで、表示が漢字。
使えないことはないのだろうけど、よくわからない。英語化されたものがあるので、そちらを探した方が無難。
その英語版のオリジナル配布サイトはこちら。
だけれども、ドメインが失効しているのか落ちている。
こちらにコピーがある。
ここの一番下の、
Click HERE for Mirrored Download In Case The Original Web Site Is Down
のリンクをクリックすればダウンロードできる。
または、「WinPCC-Sark100-V1.0.01_en_DH1KLM」で検索すると、こちらのサイトが見つかる。
ダウンロードできるファイルはパッケージ内容がやや違うが、実行ファイル自体は、「WinPCC-Sark100 V1.0.01_en_DH1KLM.exe」でどちらでも同じもののよう。前者は、Android対応のファイルが含まれている?詳細は不明。
WinPCC-Sark100 V1.0.01_en_DH1KLM.exeを起動する。このとき、ファイルを右クリックで「管理者として実行」を選択して起動する。
左上の「List Connected Ports」を押す。SARK100本体の準備ができていれば、適切なCOMポート番号が表示される。なお、管理者権限で起動していないとこの「List Connected Ports」が機能しない(その旨表示される)。言い換えれば、COMポートを手動選択するなら管理者権限で起動する必要はない。
いずれにしても、適切なCOMポートを選択したら、その下の「Connect」ボタンを押す。これで、SARK100本体とつながる。
続いて、Band Setupに所望の数値を設定する。Band Quick Setupで選択するのが簡単。そこから手動で修正してもOK。一応補足しておくと、Scan Stepは標準で10kHzになっているが、これだとスキャンに時間がかかる。50kHzとか100kHzに設定した方がいいかと。一通りアンテナの調整が終ったところで10kHzにしてより細かくチェックするというのが効率的。
あとは、「Start Scan」ボタンを押せば、設定した周波数範囲でのスキャンを行い、リアルタイムでグラフを表示してくれる。
スキャンが始まると、SARK100本体側にもその旨表示される。
しかし、スキャンが終了しても、表示はこのままのようだ。
「Continuous Scan」の方を押せば、繰返し連続でスキャンしてくれる。アンテナの調整などでは便利。スキャンを終了させるには「Stop Scan」を押すが、すぐに止まるわけではなく、スキャン範囲の最後まで行ってから止まる。また、連続スキャン中にスキャン幅などの値を変更すれば、次の先頭に戻ったタイミングで反映される。
なお、スキャン中にエラーが出て止まることがある。その時は諦めて、スキャンをやり直すしかない。
上の方にある、「Smish Chart」にチェックを入れてスキャンすると、スミスチャートも表示してくれる。
【追記】
あるころから、再スキャンができなくなるという現象が発生するようになった。スキャン終了後にまたすぐスキャンするのなら問題なく動くけれど、停止したまましばく置いてから再度スキャンしようとすると反応しなくなる。ちょうど、以前、この下のコメントでMR100に関して頂いた内容と同じ。
こうなってしまったら、最初からやり直すしかないみたい。つまり、ソフトを終了させ、SARK100の電源も切って、SARK100の電源投入、ソフト起動、設定という手順。
この現象を避ける方法としては、Continuous Scanの方を使ってスキャンし続けさせることくらいか?これならずっと動いてくれて、止まるようなことはないようだ。スキャン範囲を変更させたくなったらStop Scanして設定し直し、Start Scanすれば良い。それくらいの短時間停止なら、再スキャンが動かないということはない。どのくらいの時間、停止させておくとおかしくなるのかは未検証。
ちなみに、スキャンし続けさせておきながらBand Setupの各パラメータを変更すると、次のスキャンから設定し直した条件でスキャンが行われるようなので、Stop Scanの必要はないとも言える。が、値の修正中に次のスキャンに入るとおかしな設定になってしまう可能性がある。なので、この方法を採るなら、その回のスキャン終了までに充分な時間があるタイミングで。まぁ、おかしくなったら、ソフトとSARK100を起動しなおせばいいのだけれど。
なお、以前はこの停止したまましばらく置いておくと動かなくなるという現象はなかった。Windows Updateを繰り返しているうちにおかしく(相性が悪く)なった?対処したソフトウェアが出てくれると助かるのだけど。
【追記ここまで】
SARK-100 (SM6WHY)
入手先は、公式サイトから。
[SARK-100 Pc Scan] SWR Analyzer Softwarehttp://www.sm6why.n.nu/sark-100
過去バージョンも一緒に掲載されているので、一番新しいものをダウンロードする。
ZIPを展開するとたくさんのファイルが出てくるが、「SWR-Analyzer.exe」を起動すればいいようだ。こちらのソフトは、管理者権限の必要はない。一般ユーザで起動しても、適切なCOMポートが表示される(左上)。
ポート番号の下の「Open Prt」を押すとSARK100本体とつながる。
右の方にあるSelectionsの「Select Band」で希望のバンドを選択する。これで、SCANに適切なスタート周波数等が設定される。必要に応じて手動で変更する。
「SCAN」ボタンを押せば設定した周波数範囲をスキャンする。
スキャン中は、SWEEPING FREQUENCY BANDにプログレスバーが表示される。が、右端に行ったら完了というわけではなく、左に戻って継続してバーの表示がされる。「やってるよ!」っていう表示のようだ。どこまで行っているかは、右隣のCurrent Freq.に数字で表示される。こちらのソフトはグラフ表示がリアルタイムではなく、スキャンが終了してから一気に表示される。スミスチャートも表示されるが、ややしばらく時間がかかる。
スキャンが終ったあとで、SelectionsのSWR-R、SWR-X、SWR-Zをチェックすると、SWRと抵抗分などのグラフをそれぞれ表示できる。
Selectionsの「Auto Scanning」にチェックを入れてスキャンを行うと、スキャンを繰り返す。繰返しスキャンをやめるには、このチェックを外す。
「Append Curves」にチェックを入れてスキャンするとエラーになる。将来のバージョンアップに期待。
「EXPORT DATA」を押すと、Excelに結果を吐き出してくれる。
このツールを終了させるには、「EXIT PC SCAN」を押す。ウィンドウの×を押しても終了しない点に注意(いつも騙されるw)。
お勧めは?
どちらでも自分の好みの方を使えばいいのだけど、個人的には前者のWinPCCの方がリアルタイムでグラフ表示してくれるので好き。無料なので、両方試してみるといいかと。
8,000円程度でこれだけのことができるので、SARK100には大いに満足。
改良型でMini60というコンパクトなモデルもある。バッテリを内蔵しているので、使い勝手はこちらのほうが良いだろう。
SARK100のマニュアル
http://www.casogo.com/Manual/SARK100.pdf
【注意】
MR-100というパチもんはゴミなので買わないように。
コメント
お判りでしたらご教授ください。
本記事に基づきMR100を入手しました。上記の2つのスキャンソフトを使用しています。
MR100-PC間でスキャンさせ、PC画面に彩画させた後、1~2分程度経過してから再度
測定の為スキャンさせてもスキャン開始しません。両ソフトも同じ。
ハングアップした状態になります。MR100側の原因なのか、スキャンソフト側の原因
なのか判断付きません。
MR100側のSuspend Timeout設定はOffに設定しています。
頑張っているおやじさん、コメント拝見しました。
手元にMR100があるので、試してみたところ、仰る現象が再現しました。SARK100ではこのようなことは起きないので、MR100の問題だろうと思います。
MR100はそもそもまともに測定できませんでした。そのため、SARK100を入手しました。詳細はこちらの記事をご覧いただければと思います。
MR100という、ろくでもないアンテナアナライザ
https://www.jh4vaj.com/archives/1667
こちらの記事のコメント欄にあるように、他の方も同様に動作が正常でないというお話しです。
早速のご回答ありがとうございました。
MR100自体の問題である事が解りましたので一安心(なんか変ですが)しました。
SARK100とMiniSARK100が有るようですが、矢張り、SARK100その物でなければ
成らないようですね。
SARK100の購入を検討してみます。
大変有難う御座いました。
MR100、値段が魅力でつい買ってしまったのですが、正に「安物買いの~」でした。
SARK100はMR100と比べるとずいぶん大きいですよ。鉄ケースのため重量もあります。もし、持ち運び使用が主ならmini60の方がいいかもしれません。こちらは筐体がかなり小さいようですし、充電池も内蔵です。ただ、その充電池がダメになったらどうするんだろう、という疑問はあります。そのあたりはアマチュア精神で何とかなるのではないかとも思いますが。
ご指摘の通り、私も正に「安物買いの~」でした。
大変貴重なアドバイス感謝です。
SARK100、mini60それぞれ一長一短がありそうですね。
もう少し調べてみます。今度は、「安物買いの~」に成らぬように。
SARK100の使用感(本当の所の使用感。何か変な言い方ですが)を記事にして
頂くと幸甚です。
有難うございました。
少々補足すると、PCでスキャン中にエラーが出る(ウィンドウがポップアップ)ことがあります。この場合は、そのエラー画面を閉じればスキャンが進みます。連続スキャンの場合は、一旦ストップさせてからもう一度スキャンボタンを押せば再開できます。まれに、スキャンが再開できないこともあり、その場合はソフトを立ち上げ直すしかないみたいです。また、スキャン中にSARK100本体の電源を切ったりUSBケーブルを抜くと、ソフトがハングアップしてしまうようです。これらの話はソフト二種類のうち、上の方の場合です。下の方はあまり使っていないんのでそのあたりはわかりません(やはり、リアルタイムでグラフが描画される方が使い勝手が良くて)。
その他は、記事に書いたように大きくて重いのが難点です。本体裏には電池ボックスを収納するスペースがあります。ネット情報を調べると、単四を8本入れられるらしいです。電池ボックスはついていないので、自分で調達して入れることになるみたいです。そのあたりの本体の構造は、こちらの記事をご覧ください。
SARK100という、マシなアンテナアナライザ
https://www.jh4vaj.com/archives/1807
9Vの006Pでも動きましたが、あっという間に電池がなくなりました。単四でどれくらいもつかは試していないのでわかりません。
他にお知りなりたいことがあれば、具体的に質問下さい。分かる範囲でお答えします。
その後ですが、SARK100でしばらくおいておくとスキャンできないとうい状況を確認しました。
以前はデスクトップPCで使っていたのですが、ノートPCで使ってみたら、数分おいておくだけで100%の確率で再現します。OSはどちらもWindows 10 Pro 64bitで同じなんですが…。
デスクトップ機でも「しばらくしたらスキャンできない現象」が頻発するようになりました。
最近の大きな変更と言えば、Creators Updateを当てたこと。その影響かなのかは判断できませんが、現象として起きることは間違いありません。
使い勝手が悪く、困ったものです。
SAR-100に関しての大変有意義な情報有難うございます。参考にさせて頂きます。
Ebayを覗くとSARK-100ショップがずらりと並んでいます。
香港と大陸ですが、価格もかなり差がありますね。何処から購入すれば問題が少ないか
判断付きかねます。
皆さんが求められたショップからの方が安心かなと勝手に推測しています。
SAR100はそれなりに使えるようですね。
今、改めてeBayで見てみましたが、全体的に値下がりしていますね。私が買ったのは10月でUS$80強が相場でした。それからわずか四、五ヶ月ですが、US$70弱に下がっています。何となくちょっと悔しいです(笑
SARK100のように多くのショップで扱っている商品は、値段がばらついているとは言え、何となく相場は見えてくると思います。相場から大きく離れているショップは(安くても高くても)要注意。ちゃんと商売やってるなら、他ショップの動向は追いかけているでしょうから。
ショップ選択の大きなポイントは、評価が高いこと。「Top-rated seller」のメダルが目安です。購入者からの良いフィードバックが一定基準を満たしていることを表しています。
新規参入ショップはフィードバックを集めるために安値に設定していることもあります。こういうところなら安く買えますが、詐欺ショップと見分けが付かないのが難です。詐欺ショップだと商品が届きません。私も何度か値段につられて注文してやられました。とは言え、eBay側が補償してくれるので代金は返還されます。ですが、日数がかかるのと何度かのやり取りが必要なのが面倒です。
香港か大陸かは、これまでの利用経験で言えば、大差ないです。
以上、参考になれば。
やはり時間を置くとスキャンできなくなる症状があるんですね。
VAJさんの情報はありがたいです。
私は対処療法としてスキャン完了したらポートの接続を切って、再スキャンの時に再接続しています。こうすると今のところ症状が出ていません。
手間ですが、ソフトを立ち上げなおすよりはましです。
これから少しソフトを調べてみるつもりです。
とりあえず表示の日本語化とデフォルト設定の数値を自分用に変更してアンテナの調整を完了しました。
RTTY、PSK、SSTVの追加申請も終わったのでコンディションが上がってきたら本格稼働開始です。
日本語化とかできるんですね。知りませんでした。
時間が経つとスキャンできなくなる現象は面倒ですね。
FT8でQSOありがとうございます。
MINI60SのPCソフト(WinPCC-Sark100)のスミスミチャートについてご存知ならご教授ください。貴兄のBLOGでも-jXへのドローイングが行われていないようですが、どこかに設定があるのでしょうか。
探し回っているのですが、発見できません。
ご存知でしたら、紹介頂ければ幸いです。
すみません。
画像添付がうまく行きませんでした。
先のスモスチャートは、AA-54のものです。
如何に、同じアンテナをMINI60Sで書かせたものを添付します。
よろしくお願いします。
すみません。スミスチャート自体をよく理解していないので、「何かそれらしいものが表示できるな」という程度にしか見ていませんでした。
ありがとうございます。
アンテナ製作時の共振周波数を確認、整合定数の見当をつけるのにスミスチャートが便利で利用しています。
MINI60が小さくこれを活用しようとしたのですが、つまずいてしまいました。
有難うございました。
FT4もまもなくQRVできると思います、どうぞまたQSOよろしくお願いします。
スミスチャートが活用できるように成りたいです。
修理に出していたリグが戻ってきましたし、またQSOよろしくお願いします。
改めて見てみると、私が試したもう一つのソフトの方でも-jXが描画されていませんね。両方のソフトで同じ結果になっているということは、ソフト側ではなく、SARK-100本体がそういうデータを出しているのでしょう。
見た感じ、正負を無視した絶対値になっているような…。
すみません。何の解決にもなりませんが。