無線機の定格電圧は、多くの場合、13.8V。この何とも言えない中途半端な数字はどこから来たんだろうとtwitterでつぶやいたところ…
車で12Vのバッテリー充電に回す方の電圧(=充電状態で使う)が13.8Vだから、というだけの話らしいですが。https://t.co/RMTUEchZyV
— JH8JNF/1 (@jh8jnf) November 25, 2016
引用されている文章はこちら。
トランシーバの標準電圧が『13.8V』の理由 de JA1RIZ
http://www.inv.co.jp/~ike/93-RIZ_1.pdf
要約すると、鉛蓄電池の1セルあたりの充電電圧が2.3Vであり、一般的な自動車用バッテリだと6セルなので、2.3V × 6 = 13.8Vということのようだ。
他にも、書籍の情報も見つかった。
電池のすべてが一番わかる
https://books.google.co.jp/books?id=0HUWAgAAQBAJ&pg=PA1…
なるほど。
ところが、世の中の市販のACアダプタだと13.8Vという電圧のものは、まず見つからない。…、9V、12V、15V、…という感じ。
と、思いながら調べてみると、12Vのアダプタを13.8Vに改造したという記事がチラホラ見つかる。手元に、秋月電子のATS065-P120という12V 5AのACアダプタがあるので、これの改造記事を検索。
【FT-817用】 13.8V 5A アダプタ
http://jq1ocr.exblog.jp/21111860/
ACアダプタの電圧変更
http://blogs.yahoo.co.jp/tokyo_am601/35229541.html
どうやら、431というシャントレギュレータを使っており、これの分圧抵抗のR36とR37の組合せで電圧が決まるらしい。前者の記事では、10kΩ、2.2kΩに変更して13.8V化したとのこと。後者は、実際には10V化の記事だけど、13.8Vにする場合はR37を2kΩにすれば良いとの記述がある(R36は9310Ωのまま)。ちゃんと計算すればいいんだろうけど、面倒なので、後者の記事のR37 = 2kΩを採用しよう。やってみてダメだったらそのときに考える^^;
本来なら、元から付いているR37を取り外してそこに新しい抵抗をつけるのだろうけど、ちょっと面倒。そこで、横着して、元から付いているチップ抵抗に別の抵抗をパラにして2kΩを作る。元から付いているのは、2370Ω。これに15kΩをパラにすれば約2.05kΩ。2.5%程、多めだけど、まぁ、良かろう。出力電圧が若干低くなるだけだし、高くなるよりは良いだろう。
まずは、オリジナルの状態でATS065-P120の出力電圧チェック。
12.23V。無負荷だとナンだろうと思い、ダミーロードとして300Ωの抵抗を繋いでみた。が、これだと40mAほどしか流れないので、無負荷みたいなものか。
ゴムの封(足?)は両面テープで貼り付いており、これをはがすとネジが見える(二本)。これを外せば開く。接着はされていない。
放熱器には、クリップで止められている。三箇所。この他に、ネジ二本で基板が固定されている。
LEDはシリコンゴム(?)で絶縁対策されており、これが放熱器に貼り付いている。カッタの刃を入れて外した。
15kΩを仮付けして出力電圧を確認。良さそうだったので、本付け。
元通りに組み立てる。
13.75Vになった。極軽い負荷なので、実際にはもう少し下がるかな?まぁ、ともかく、簡単に約13.8Vのアダプタができた。元が12V 5Aだったので、13.8V 4.3Aってところかな?430MHzの10W FM機に使う予定。あ、もちろん、こうした無線機は12Vでも動作する。が、定格通りの出力が得られない。同軸ケーブルでのロスを考えれば、出せるところまでは出しておきたい。ま、気休め程度の差だろうけど。
えーと、言うまでもないが、もし、やるならご自身の責任で。
コメント