WSJT-X 2.2.0-rc1が先日リリースされた。が、そのときはブログが不調でそっちの方の作業を優先していたので見送っていた。rc1だとまだバギーだろうしという読みもあったし。そうこうしているうちにrc2が出てらしいので試してみようと、公式ページをのぞきに行ったらrc3が出ていた。
ということで、rc1、rc2をすっ飛ばして、2.2.0-rc3をインストールして試してみる。
主な変更点
こちら、WSJT-Xのリリースノート。歴代のリリースの記録。
2.2.0では色々と変わるようだけど、ざっくり言えば、デコード率の向上が目玉。FT4、FT8、JT4、JT65、WSPRでデコード性能が向上しているらしい。
中でも注目すべきは、FT8。三回に分けてデコードするとのこと。一回目は11.8秒で、これで85%をデコードするそうだ。その後、13.5秒、14.7秒と続く。当然、時計をしっかり合わせておく必要があるだろう。混雑したバンドではデコード率が10%以上良くなるそうだ。なお、受信レイテンシが0.2を超える場合はデコード性能の向上は少ないとある。SDRでの受信は不利になりそう(常用している人はいるのかな?)。
考えてみれば、FT8の送信時間って12.6秒。なので、送信が終る前からデコードが始まることになる。面白い。
rc2は主にバグ修正。それと、FT8の周波数追加。40m、30m、20mは激混みで隙間がなく、パワー合戦になっている。この状況をを何とかするため、前記の周波数帯に加えて6mで3kHz下の周波数も入れたようだ(7.071、10.133、14.071、50.310 MHz)。 周波数追加は2.2.0正式版リリースの際に見送られた。
rc3もバグ修正。rc2で致命的なバグがあったようだ。(COMポートを使用したDRT/RTSのPTT制御ができない)。
インストールと試用
公式サイトからwsjtx-2.2.0-rc3-win64.exeをダウンロードしてインストール。これはいつもどおり。
インストール後、起動時に「賞味期限」のポップアップウィンドウが出る。
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2020年6月10日 00:00 UTC以降は使えないとのこと。
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確かに、デコードが始まるのが早い。(最初のタイミングでデコードできた場合は)CQ局を見つけてダブルクリックしても送信が始まるまでに時間があるので、「あれ?」っと思ってしまう。自分がCQを出した場合も同様。応答を書くんしてから送信までの時間の感覚がこれまでと違う。
その他、出力レベルが2.1.2に比べて下がっているのが気になった。Windowsの音量ミキサーのレベルを上げて対処。
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周波数設定
rc2でFT8の周波数設定が追加されたとあったので、その対応をしておく。
まずは、自分で追加した周波数(7.041などの国内QSO用のもの)をバックアップ保存しておく。
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Ctrlキーを押しながら、マウスでクリックすれば複数を選択できる。選択し終えたら右クリック。「Save as …」を選択。
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選択したものだけ保存するなら「Yes」、選択とは関係なくすべて保存するなら「No」をクリック。ここでは、「Yes」で選択したものだけ保存した。
再度、右クリック。

「Reset」を選択。
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デフォルト設定にして良いかの確認。初期化したいので「Yes」。

7.071MHzが追加されている。
以下、他のバンドも一応、チェック。

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10.133、14.071、50.310 MHzが入っている。
では、先程保存した自前の設定分を書き戻す。適当なところで右クリック。

「Merge …」を選択。ダイアログが出てくるので、保存しておいたファイルを指定する。

7.041MHzや、144.460MHzなどが入った。ウィンドウ下の「OK」を押して閉じれば完了。
ドロップダウンメニューを開いて、ちゃんと反映されていることを確認。

あとは正式版のリリースを待つだけかな?
コメント
JTAlertでB4の表示が出たり出なかったりの不具合が出てますね。
2.2.0はデコード周りが大きく変わっているようなのでJTAlert側で対策されるのでしょう。
サポートが動き始めているようです。
そうなんですね。JTAlertは使っていないので知りませんでした。しかし、使っている人も多いでしょうから、影響は大きいでしょうね。WSJT-X 2.2.0の正式リリースまでにはなんとかするのではないでしょうか?
こちらにも追加情報を。
WSJTXのメッセージ欄のレポートが+10等のように、プラスのレポートの場合、B4の局でも強調表示しません。
マイナスのレポートの場合は正常です。
JTAlertの問題だと思っていたのですが、どうやらJTAlertからのデータをWSJTX側が正しく処理できていないのが原因のようです。
ありがとうございます。頂いた二つの情報を追記しておきました。助かります。
https://www.jh4vaj.com/archives/18141