MMANAの練習として、昔使っていたヘンテナをシミュレートしてみる。周波数は430MHz用。「自由空間」で調整したあと、「リアルグラウンド」で打上げ角のパターンを見てみる。地上高は、屋根の上に手の届く高さで上げることを想定して、1.5mとする。
まずは、普通のヘンテナ。(垂直偏波なので)縦が1/6λ、横が1/2λ。
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ヘンテナって、50Ωじゃないのね。シミュレートして初めて知った。
続いて、2/3λヘンテナ。以前使っていたものはこれ。
普通のヘンテナと比べて若干ではあるが高利得なことが確認できる。それよりも特筆すべきはSWRの低さ。作りっぱなし、無調整で問題なく使えたのが納得できる。
さて、実はここからが今回やってみたかったこと。ヘンテナはブロードながら8の字特性。サイドはそれなりに切れる。無指向性のものが欲しくて、MMANAでそのあたりをやってみたかった。
ヘンテナで無指向性といえば、トライハットヘンテナというのがある。これは普通のヘンテナをクルッと丸めたもの。垂直偏波なので横方向に丸める。短いワイヤが一本になる。トライハットというのは丸じゃなくて三角で作ったものだから。
今回は、2/3λヘンテナを丸めてみる。といっても、MMANAで丸の作り方がわからないので、四角でやってみる。三角が大丈夫なんだから四角でもいいだろう、と。
指向性はなぜか微妙に潰れている。でも、まぁ、通常のものと比べれば、ほぼ無指向性。それに、50Ωでマッチングが取れるようだ。
続いて、2/3λヘンテナの給電位置を変えて、二つつないだもの。文章で書くよりも、図で見てもらった方が早いか。
2/3λヘンテナの給電するワイヤを端のものにして二つ並べた形だけれども、2/3λヘンテナの左右にそれぞれさらに1/3λ分を追加した格好にも見える。実際、このアンテの定義は、2/3λヘンテナの左右に継ぎ足して作った。
2/3λのものよりも、さらに高利得。
これもループ(四角)にしてみる。一辺が1/3λ。
インピーダンスが上がって、50Ωではマッチングが取れない。それに、どういうわけか上方向への放射が増えて、ゲインは2/3λループよりも低い。
ちょっと方向を変えて、1λヘンテナ。
2/3λヘンテナよりも、さらに高利得。
ついでに、ループ。
利得は2/3λループとほとんど同じ。SWRは悪化。
今度は、2/3λののクロス。
なんか、めちゃくちゃだけど、こんなバリエーションがあるのもヘンテナの特徴の一つ。
マッチングは取れているんだけど、上方向への放射が多く、あまり意味がなさそう。
ということで、結局のところ、シンプルな2/3λループヘンテナがバランスが良さそう。円形で作ればわずか15cmの直径で高さが11cmほどのコンパクトなアンテナになる。
ここで使った定義ファイルはこれ。
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