QEX No.35のMMANA特集を見ていて以前からの疑問を思い出した。2エレの八木アンテナの場合、パッシブエレメントは導波器にするのと反射器のするのでは、どっちがいいのか?製作例で見かけるのは反射器を設置したものが多いような気がする(それしか見たことがないかも)ので、おそらく反射器の方がいいのだろう。
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ということで、MMANAを使ってシミュレート。周波数は、145MHz。なんとなく。
導波器
まずは、導波器版。それらしい数値でエレメントを定義し、MMANAの最適化に任せる。最適化で重要視するのはSWR、それとゲインを少々。エレメント幅は1cmステップ(つまり、片側5mm)、エレメント間隔は5mmピッチで。
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反射器
続いて、反射器版。導波器版の結果を元に、前後を入れ替えて後ろ(導波器)の寸法を輻射器ちょっと長くしてから最適化。最適化の方針は先程と同じ。
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ゲインも、パターン(FB比)も、SWR(帯域幅)も反射器版の勝ち。やはり、2エレ八木を組むなら、反射器にした方がいいようだ。なお、輻射器は、導波器版よりも短くなる。
垂直偏波
これまでは、特に深く考えることなく水平偏波でシミュレーションを行ったけど、145MHzだと垂直偏波で使うことが多い。ということで、垂直偏波でもやってみる。
先程の水平偏波のものをぐるりと回す。
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これだけでいける。簡単。
一応、最適化も実施。
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反射器の長さがわずかに長くなり、間隔も広がった。ゲインはちょっと落ちたけど、SWRの最小値もバンド幅も広がった。自由空間なので変らないだろうと思ったのだけど。まぁ、ちょっとだけなので、誤差の範囲みたいなもの?
それよりも大きな違いはビームパターン。垂直偏波だとサイドの切れはものすごく甘くなるようだ。相対的にバックは切れているように見えるけど、数値上は水平偏波の結果と大差ない。
【補足】
今回の違いは、MMANAの最適化の都合(?)によるものだろうと思う。自由空間なら本来は違いはないはず。最適化を行った結果、ちょっと違っていたのでそれを掲載した。
続き
コメント
先日は失礼しました。
ちょっと気になったので、MMANAに適当に数値入れてみました。給電w1c
最適化は、思うようには動作しない事が多いです。
この通りに作ってもブームの影響とかでシュミレーションと同じにはならないので、あとは指向性確認しながらカット&トライが重要です。
用途によるとは思うのですが、コンパクトにしたいなら導波器ですね。
マッチングはVNAがあれば、集中定数で簡単ですし。
「給電w1c最適化は、思うようには動作しない事が多いです。」はどちらの意味でしょうか?
また、w1c給電以外で上手くいくのなら、その方法を教えてもらえると助かります。
それから、頂いた数値でやってみました。エレメント間隔が随分と近いのですね。ゲインやビームパターンは素晴らしいと思います。エレメントはこれで、あとはマッチング回路を付けて調整するのが良いということですね?
機械的な要素で指向特性が決まってくるので、まずは指向性を満足な形になるような形状を求め、インピーダンスはマッチング回路次第と言うのが宜しいかと思います。
最適化のスライダの量の感覚が自分の感覚と合わないのか?解りませんが、軽く最適化して周波数特性を確認。バンド幅を広く見て指向性のFBな周波数を確認しながらエレメント長を手動調整ってのがいいかも?しれませんね。
導波器2エレの場合は、エレメント間隔が短くなるので小型になり私は好きです。ただ、満足な指向性が得られる帯域が狭いので広い帯域の使用には不向きですね。
VHF以上ではブームに組むとかなり周波数が下がるので、エレメント長を再調整して指向性の確認の繰り返しですが、これがかなり面倒です。
アンテナ屋が生きていけるのは、このような面倒な作業があるからかな?と思います。
ありがとうございます。理解できました。
頂いた寸法と、また、同様に反射器2エレでも同様な追試を行ってみました。
https://www.jh4vaj.com/archives/17878
とても勉強になります。