NanoVNAのTDR機能を使えば、同軸ケーブルの長さを測ることができる。PCソフト(NanoVNASaver)を使用して測る話はこちらの記事に書いた。
NanoVNA単体でも測定できる。詳しくは、NanoVNA User Guideの「時間ドメインオペレーション」の項を参照。
ここでは、時間ドメインオペレーションのうち、同軸ケーブルの長さを測ることに焦点を当ててまとめる。
まず、トレースの整理。必要なグラフは一つだけ。長さを測る目的なら、LINERが見やすいと思う。
周波数範囲は、STARTは50kHz固定でOK。STOPは測定対象の長さに応じて決める。長いものを測る場合はSTOP周波数は低く、短いものを測る場合は高く。速度係数(短縮率)によるが、67%の場合は、以下の通り。
STOP [MHz] | 最大長[m] |
---|---|
100 | 38.7 |
200 | 19.3 |
300 | 12.3 |
400 | 9.6 |
500 | 7.7 |
600 | 6.4 |
700 | 5.5 |
今回の対象は、いつものRG-58C/U 10mなので、STOP周波数は250MHzとしてみた。未知の長さのものを測るなら、低めの周波数を設定して、その結果を見て改めてSTOP周波数を変えれば良いだろうと思う。
続いて、DISPLAY → TRANSFORMとメニューをたどり、LOW PASS IMPLUSLEを選択する(長さ測定ならこれが見やすい)。
再びメニューを開き、VELOCITY FACTOR(速度係数)を設定する。67%なら「67」と入力する(0.67ではないことに注意)。
もう一度メニューを開き、一番上のTRANSFORM ONをタッチする。
あとは、ケーブルをつなぐだけ。
グラフのピークにマーカを移動させると長さが表示される(右上のマーカの読取り値)。この例では10.2mと出ている。必要に応じて、グラフのスケール(縦軸)を調整して見やすくする。
これを使うと、同軸ケーブルが切断されているところやショートしているところ(全反射を起こす場所)を見つけられる。
周波数ドメイン(通常のモード)に戻るには、TRANSFORM ONをオフにする(もう一度タッチする)。
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