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NanoVNAでセラミックコンデンサの静電容量を測る

空芯コイルの測定

に続いて、手持ちの小容量チップセラミックコンデンサを測ってみる。

以前、「タイプ1」相当のL/C測定アダプタを使って測定したが、アダプタの特性が悪くて高い周波数での結果はぜんぜん使い物にならなかった。そこで、新たに作った「タイプ3」を使って測定し直した。

NanoVNA L/C測定アダプタ他
NanoVNAで使用できるLやCを測定するアダプタと簡易キャリブレーションキットです

測定部にチップコンデンサを乗せて、上からセラミック製のピンセットで押さえた(予想通り、チップコンデンサはいくつか行方不明に…)。コンデンサのサイズは2012M、特性はNP0。

シリアルモードとパラレルモード

測定結果を見る前に測定モードについて。

コンデンサの測定にはシリアルモードパラレルモードの二つのモードがある。インピーダンスが100Ω以上ではシリアルモード、10Ω以下ではパラレルモードを使うそうだ。その間の10~100Ωの範囲は測定器の取説に従うと。この話は、以前、DE-5000で測定する際に調べた。

DE-5000、LCRメータを導入
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この下は、今回実際に測定したもの。公称値は20pF。

静電容量のグラフは、周波数が高くなるにつれて静電容量が大きくなっている。これは、パラレルモードでの測定結果。一方、左のマーカでの読取り値にはシリアルモードでの値も表示されており、こちらでは周波数が高くなっても静電容量はあまり大きくなっていない。例えば、周波数750MHzのマーカ8では、インピーダンス(|Z|)のグラフは10Ωを下回っており、このときの静電容量は、シリアルモードで26.2pF、パラレルモードで24.7pF。この場合はパラレルモードの方が正確な値により近いということだろう。

また、例えばマーカ4の150MHzでは、インピーダンスが約50Ωで、静電容量はシリアルモードでもパラレルモードでもどちらも19.5pF。

今回の測定結果の全体を眺めてみると、インピーダンスが10Ω位を境に、それより下ではパラレルモードでの値を採用するのが良さそう。それより上のインピーダンスではどちらのモードでも同じ値のようだ。

なお、NanoVNASaver 0.2.2では、静電容量のグラフはシリアルモードだけしか対応していない(パラレルモードの値はマーカを使って読み取る)。また、インピーダンスの絶対値|Z|はグラフは表示できるが、マーカでの読取りには対応していない(R+jXの複素表示になる)。

では、以下、各コンデンサの測定結果。

1pF台

1.2pF

2pF

※グラグはクリックで拡大。ESCで閉じる。以下同様。

2.2pF

2pFと同じに見える。とは言え、この辺りの容量のものは、±0.25pFの誤差のようなので、こういうものなのかもしれない。

2.7pF

3.3pF

3.6pF

3.3pFと同じに見える。

3.9pF

4.7pF

5.6pF

6.8pF

8.2pF

10pF台

10pF

12pF

15pF

18pF

20pF

22pF

2.2pFの場合と同様、20pFと同じに見える。

27pF

33pF

39pF


周波数によって多少は変動するが、思った以上に安定していることがわかった。


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