NanoVNASaverの新版がリリースされた。前回よりも機能強化されて、0.2.0となった。
リリース情報とダウンロードはこちら。
記事タイトルが「Zoom, zoom, zoom!」となっているように、ズーム機能が目玉。だけど、私にとって大きなのはマーカ関連。
マーカ表示の変更
まず、こちらが0.1.5での表示形態。
0.2.0では、こう。
以前はマーカの上にラインが引かれた状態だったのが、今度はマーカが上に出てきたとでも表現すればいいのかな?
さらに変更できる。
「Dispray setup…」を開く。
「Filled makers」にチェックを入れ、「Data point is:」を「At the tip of maker」にすると、下の図のようになる。
マーカの三角が塗りつぶされ、先端で場所を指してくれる。非常に見やすい。これは嬉しい。
さらにもう一つ。マーカを固定できるようにった。
「Locked」を選択するとどのマーカも選択されていない状態なので、グラフ上でクリックしてもマーカはどれも動かない。これまで、グラフの上でうっかりクリックしてしまってマーカが移動してしまう「事故」を何度も起こしているので、このロック機能は嬉しい。
ズーム機能
そして、目玉のズーム機能。
グラフ上でマウスホイールを回転させると、マウスカーソルがある場所を中心に拡大/縮小する。上の図は、マーカ1のところにマウスカーソルを置いて拡大した様子。
元の大きさに戻すには、右クリックして「Reset」を選択すれば一発。
拡大にはもう一つやり方がある。Ctrlキーを押しながらマウス左クリックでドラッグする。
矩形で領域が選択され、マウスボタンを離したところで、その領域が表示される。
この方法では拡大(ズームイン)はできるが、縮小(ズームアウト)はできない。当たり前だけど。
一方、マウスカーソルを置いてホイールで拡大という操作は、グラフの端ではやりづらいし、明確な範囲指定も難しい。両方のやり方を適宜使い分けで。
いずれにしても、元に戻すには「Reset」すればよい。
ズーム機能は、NanoVNAのメイン画面のグラフでも、「ポップアップチャート」でも使える。
ただし、スミスチャートやTDRなど、いくつかのグラフではズーム機能は(今のところ)使えない。
TDRでのインピーダンス軸
0.1.5のTDRグラフでは「Length axis」だけしか変更できなかったが、0.2.0では「Impedance axis」も変更できるようになった。
両方の軸を手動設定してみた様子。
また、長さに関して、マーカを表示できるようになった。マウス左クリックでドラッグすればOK。
しかし、インピーダンスがジワジワ上昇しているように見えるのが気になる。下は、同じケーブル(RG-58C/U 10m)を以前FA-VA5で測定した際の様子。
せっかくなので、ついでに、S11のLogMagも計測してみた。
ゲイン(減衰)に関しては、波打っていることは別とすれば、FA-VA5での測定結果と大体同じかな。マーカで数値が読めないので細かいとことはわからないけど(波打っているので、細かいところを読んでもしょうがない気もする)。なお、この「S11 & S21 LogMag」のグラフもズーム機能は機能しないようだ。
その他、気になったのは、「Fixed」の値を変える際に、現在値が反映されないこと。
上は、「Impedance axis」で「Maximum」の値を変更しようとした様子。変更ウィンドウに「100」が反映されず、「0.0」になっている。「Length axis」も同様。他のグラフでは現在値が反映されるので、これはバグかな?
新グラフ
「S11 R/ω&X/ω」と「S11 Group Delay」が追加された(「S21 Group Delay」は0.1.5にもあった)。どちらもあまり縁がないのでよくわからず^^;
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