先日の「秋コレ」で、秋葉原無線部の「大型ループアンテナ付きゲルマニウムラジオキット」を手に入れた。昨年、Twitterで見かけて、大いに気になっていたもの。
ゲルマニウムラジオ。鉄筋コンクリートのマンション内で十分鳴ってる。 pic.twitter.com/3ar7eNM6sz
— Daisuke_あきばなう24時⋈6.18サンクリA23H21a秋葉原無線部 (@Daisuke_JA1UMW) October 19, 2018
フラットケーブルを使ってループアンテナにしてしまうという「!」なアイデア。ハムフェアでも頒布されたようだけど、うっかり手に入れそこねてしまった。運良く秋コレで入手できた。
中身。
基板の色は複数色あった。何となく、黄色をチョイス。
キットには紙のマニュアルが付いている。が、回路図がない。簡単な回路とは言え、やっぱり回路図が欲しい。と思ったけど、基板自体が回路図みたいになっている。配線パターンを表面だけにしてくれているので。これは分かりやすい。
これを見ると、倍電圧検波になっているようだ。
では、製作。
しかし、いきなり手順を無視して、最初にループアンテナ部。インダクタンス値を測ってみたかったので。
ループアンテナの広げ方等によって多少変化するが、概ね300µH強。広げ方によってかなり変るんじゃないかと思ったのだけど、思ったほどではなかった。発見の一つ。長さがミソだと思うので詳しい寸法は割愛するが、二つ折りにして、平均的日本人成人男性が両腕を広げた長さよりもちょっと短い程度。
続いて、バリコンの静電容量。
約270~2pF。
これで受信範囲を計算してみる。
550~6390kHzをカバーできる。え?そんなに?ちなみに、日本の中波放送は531~1602kHzなので、下がちょっと足りない。
使ったツールは「GRDS(ゲルマラジオ設計支援プログラム)」。ゲルマラジオの設計に必要な様々な機能がまとまった素晴らしいソフトウェア。
コンデンサは1500pFが付いていた。抵抗は1MΩ(写真忘れ)。
後はどんどん組立て。
ところが、半田が乗らないところが…。
拡大。
ランドのハンダメッキが上手くできていない。レジストが乗ってしまっているような感じ。こりゃ、基板屋にクレーム入れたくなるレベル。
表のランドは問題ないので、こちら側でハンダ付けすればOK。
ところで、ゲルマダイオードは極端に熱に弱い。そう言えば、リード線をループにして熱を伝わりにくするっていうのを大昔どこかで見かけたのを思い出したのでやってみる。ループにするだけである程度は熱を避けられるだろうけど、ドライバに巻きつけたままハンダ付けすればもっといいのかもと思ってやってみた。
ハンダ付自体はこれでいいのだけど、リード線をループにするのが案外難しい。力の入れ具合を失敗すると、ガラス管を割ってしまう。というか、割った…。
仕方ないので、手持ちの1N60を付けた。
というトラブルもありつつ、完成。
さて、肝心の感度。これが素晴らしい。放送局に近いわけでもないので爆音で聞こえるということはないけど、このループアンテナを広げるだけでちゃんと聞こえる。木造だけど、外壁は金属なので電波的には不利。それでも、室内でNHK(594)、AFN(810)、TBS(954)が聞こえる。屋外に出てみたら音量が上がる。
これまで、ゲルマラジオではアンテナとアースをしっかりさせてようやく聞こえるという経験しかなかったので、これは驚き。アースを付けると多少音量が上がる。アンテナを付けると、期待と裏腹に音量が下がる。なんでだろう?
試しに、D1を外して倍電圧検波をやめてみたけれど、聴感上の違いはわからなかった。
ループアンテナは面積を広くするのが感度が良い。水平に広げてもそれなりに受信できる。縦に潰しても横に潰しても感度が下がる。片手にラジオ本体を持ち、もう片手を水平に広げれば割と面積を稼げる。このスタイルなら、歩きながらでも聞けそう(笑
受信範囲は、計算上は550~6390kHzってことだったけど、上の方は1400kHzくらいが上限のような感じ(そこまで行っていないかも)。ループアンテナの持つ容量が加算された恰好なのかな?下限は計算値に近い印象。
ゲルマラジオ、やっぱり面白い。
【追記】
OSA103 miniを使って、共振周波数を測定してみた(Xsが0になるポイント(周波数)を見つける)。
- バリコン最大
- バリコン最小
同調周波数は、約500~1200kHz。ループアンテナの広げ方によって多少変動する。
計算してみると、ループアンテナを取付けたことで、約55pFほど増えたことになる。
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