で、USB-232C変換にCH340Gを使用し、フォトカプラとLEDをドライブしている。トランジスタ等を介したりせず、ICのの出力で直接ドライブしている。しかし、実は、CH340Gのデータシートには出力ピンのドライブ能力(出力電流)が記載されていない。フォトカプラの電流制限抵抗は、データシートにあるサンプル回路と同じような定数を使っているので大丈夫だろうとは思うが、やはりちょっと心配。ということで、実際のところ、どのくらいドライブできるのか実験してみる。なお、LEDも一緒に点灯させているけれど、こちらは高輝度タイプを使って電流を抑えているので、とりあえずは無視しておく。
実験装置
実験装置と言うほどの大したものではなく、CH340Gが載ったモジュールがあるので、これを使用する。本当は、自作インタフェースでこのモジュールを使おうかと思って入手したのだけれど、MicroUSBコネクタの取付けがよくなく、ちょっと力を加えると基板からパターンもろともはがれてしまい、使いものにならない。この程度の実験には使えるので、思わぬ形で活用。
RTS、DTR、TxDの各端子から抵抗を介してLEDに接続し、点灯させる。三つ同時点灯が一番負荷が高いはずなので、そのように点灯させる。そして、抵抗値を変えて抵抗にかかる電圧と電流を測定する。LEDの制御には、MMTTY(+EXTFSK)を使用した。
吐出し
まずは、各端子からの吐出し。つまり、正電圧を出力。
470Ω
自作I/Fで採用しているのが470Ω。
2.8V、6.1mA
なお、三つの抵抗の電圧を測ったが、(期待通り)ほぼ同じだったことを記しておく。
200Ω
2.4V、11.8mA
100Ω
1.8V、18.1mA
ここでふと思いついたので、LEDのVFを測定しておく。
ほぼ、2.0V。
吸込み
続いて、吸込み側(0V出力)。吐出しで100Ωまでは大丈夫そうだったので、吸込みは100Ωだけ確認(他は省略)。
100Ω
2.1V、17.1mA
100Ωで約2.1Vなら、20mA位になりそうな気がするが…。
まとめ
実は、470Ωだとひょっとしたら小さ過ぎはしないかと心配したのだけれど、100Ωですら点灯させられたので、470Ωなら問題ないだろう。また、100Ωであっても、CH340Gに発熱等の異常は見られなかった。
ただし、200Ωでは抵抗に掛かる電圧が2.4V、100Ωに至っては1.8Vにまで低下している。LEDのVFは一定(上記測定から2.0V)なので、100Ωの場合は出力電圧が3.8Vに落ちてしまっている。これはやっぱり負荷が高すぎる。470Ωでは、抵抗に掛かる電圧が2.8Vなので、ICの端子電圧は4.8V。これならほぼ電圧低下は起きていなさそう。200Ωだと0.4Vの低下が見られるので、やはり、470Ω程度が無難だろう。
もちろん、抵抗値をより上げた方がCH340Gにとっては負荷が軽くなるが、今度はフォトカプラの動作が不安になる。とは言え、別の実験で4.7kΩまで増やしてもPTTやCWの動作には問題ないことを確認している(TS-690とTR-751で確認、ただしFSKの動作は未確認)。このことから、1kΩ位に増やしておいても大丈夫そうではある。
結論として、470Ωで実際に数ヶ月使っていて問題がないことから、このまま470Ωとしておく。本当のところは、データシートにちゃんと記載しおいてほしいのだけれど…。もう一つ付け加えるなら、ドライブ電流を抑えたフォトカプラを作って欲しい。最近の超高輝度LEDのノウハウを使えば実現は難しくないと思うのだけど。
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