デルタループアンテナと言うと、おそらく一般的には「逆三角形」を思い浮かべると思う。でも、底辺が水平の普通の(?)三角形でも良いはず。ということで、両者に違いがあるかシミュレーションしてみる。
対象は、50MHzの1λループ。90度の直角三角形だとインピーダンスが200Ωになるようで、その条件でシミュレート。ここでは、「普通の三角形」を「デルタループ」、逆三角形を「逆デルタループ」と呼ぶことにする。
逆デルタループ
まずは、一般的だと思われる逆デルタループから。
自由空間
上辺のワイヤの座標ですべてのワイヤの位置関係はわかるはず。
5m リアルグラウンド
ワイヤ長等の変更はないので省略。
デルタループ
自由空間
5m リアルグラウンド
比較
逆デルタループに比べてデルタループの方がやや扁平に(200Ωでマッチングを取るには)。頂点は低く、その分、横に長い。
ゲインは逆デルタループの方が若干高め。打ち上げ角は、逆デルタループの方が低い。どうやら、逆デルタループの方が性能は良いようだが、実際のところは誤差の範囲のような気もする。
デルタループの方が扁平になるためか、帯域幅が広い。
ということで、どちらでも設置しやすい方で良さそうに思う。
なお、幅を狭くすると50Ωにもできる。
こちらの方がゲインがあるが帯域幅は狭い。ヘンテナがよく飛ぶと言われるのは、幅の狭さにその秘密があるのかもしれない。
また、その他の1λループアンテナの検討記事。
【追記】
Twitterで情報を頂戴した。実運用による比較でも逆デルタループの方が応答率が良いとのこと。
素晴らしい情報どうもありがとうございます!!! 10MHzで▽ループアンテナと△ループアンテナ使ってますが、▽ループアンテナの方が応答率はいいです。明らかに「?」を打たれにくくなりました
— 🇯🇵JS1WWR/8 (@JS1WWR) July 2, 2019
こういう情報は本当にありがたい。
MMANAでの回転と移動
MMANAでワイヤを定義するにはその頂点を入力する必要があり、形状によってはちょっと面倒。と思っていたら、回転機能があることを、JH8JNFさんが先日Twitterで教えてくれた。
ということで、今回はまずは逆デルタループアンテナを作って、その後で回転してデルタループアンテナを作った。
MMANAのメニューにアイコン化された回転のボタンがある。
X軸を基準に180度回転。
給電点の位置を変更。
アンテナ全体がマイナスの高さになっているので、平行移動する。
底辺がゼロの高さになるように、Z軸に対して移動。
これで出来上がり。これは簡単で便利。
1:4のバラン
このアンテナはどちらもインピーダンスが200Ωなので、50Ωでマッチングを取るためには1:4のバランを使う。
これについては、JH8JNFさんのアイデア。
実際にそれを作って上手く行ったというのがこちらの記事(「6mのアンテナ」のところ)。
また、バランの様子はJJ3EBUさんのブログで。
Yahoo!ブログなのがちょっと心配…。今年の12月15日でサービス終了なので。
コメント
どもども。今年はデルタループが熱いですw
1:4バラン(トランス)ですが動作が確実なのはやはりコア2つ使う奴です。
同軸側から見て2つを並列にしたところからコイルの巻き終わりまでを1/25〜1/20波長くらいに抑えると、伝送路の特性インピーダンスが100Ωからずれていても影響は小さいです。あとは、2つのコアの線の長さを揃えることです。
FT114-43はお値段がさほど高くないのですが、これに5Tで、6MHzあたりからFM放送のあたりまではカバーしてくれます。もっと上でも特性は出るはずですが、伝送路のインピーダンスのずれの影響を受けやすくなります。
80mbならもう1,2ターン増、160mbなら全9〜10Tでいけると思います。
ありがとうございます。
6mのアンテナを何とかしたくていろいろと検討・妄想はしているのですが、なかなか手が回らなくて^^;
思いつたことは書き出しておかないと忘れるので、とりあえずブログにと。