先日お借りしたアンテナアナライザ「FA-VA5」を譲り受けた。まぁ、半分(以上)そのつもりでお借りしたわけだけど。アンテナアナライザを持っていないわけじゃないので、FA-VA5には興味があるものの躊躇していたところでこのお話をうかがったので、もう行くしかないと言うか(笑
FA-VA5の特徴と他機種との比較
手持ちの他の機種との比較ポイントは以下の通り。
- 単体でグラフ表示ができる。
- SARK100は単体では数値だけ(PCソフトでグラフ表示可能)。OSA103 MiniはそもそもPCがないと何もできない(アンテナアナライザ専用機ではない)。
- 帯域が0.01~600MHzと広い。
- SARK100は1~60MHz。OSA103 Miniは0.01~100MHz(スペアナ機能は1GHzまでいける)。
- 片手で楽に持てる(電源は単三電池二本)。
- SARK100はでかいし単四電池八本(バッテリのスペースがあるだけでバッテリボックスはついてない。別途、自分で付ける必要あり)。OSA103 Miniは基板の上下に保護用アクリル板を付けただけの簡易筐体(屋外で使うようなものではない)。
- VNWAソフトが使える。
- 当然、1ポート測定に限る(S11)が、それでもいろいろなことができそう。OSA103 Miniでは100MHzまでではあるが2ポート測定(S21限定)もできる。
左から、SARK100、FA-VA5、OSA103 Mini。こうして写真で見るとSARK100とあまりサイズが違わないようにも見えるけど、厚みが1.5倍くらい違うし、SARK100は鉄ケースなので非常に重い。
FA-VA5の参考資料
公式サイト
https://www.sdr-kits.net/VA5-Antenna-Analyzer-Kit
アイキャスエンタープライズ
http://icas.to/lineup/fa-va5.htm
国内販売代理店。マニュアルが充実している。
SDR で BCL を
https://www.google.com/search?q=FA-VA5+site%3Asdr-de-bcl.blo…
FA-VA5の使い方等の情報が多い。上記は当該ブログ内のFA-VA5に関する記事の検索結果。
使用感
まず、使い方は直感ではどうにもならなかった。アイキャスさんのサイトを見てようやく理解できた(大変助かりました。ありがとうございます)。
ボタンが三つしかないこともあり、操作は簡単とは言えない。例えば、周波数をセットする際にカーソルで桁位置を指定するのだけど、その動きが一方向。行き過ぎてしまったら何度も押して一巡させてこなきゃいけない。例えば、十字キーを導入して、上下移動と左右移動を分けた方が使いやすくなるんじゃなかろうか?しばらく使わないでいたら、使い方を忘れてしまうかも。
その周波数を桁ごとにセットするのは「シングル」のモードでしかできない。「シングル」だと単一の周波数での測定。グラフ表示させるには「マルチ」のモードを使うが、こちらでは周波数の桁ごとの指定ができない(今現在の周波数からの上下だけ)。別のバンドに移るような大きく周波数を変えたい場合には、一旦、「シングル」で目的の周波数を設定して「マルチ」に変更する。これが案外面倒。バンドのプリセットみたいなのがあればいいのに。
電池の交換は本体のネジを四本外すして上カバーを開ける必要がある。開けたら、今度はカバーを取り付けるのが思った以上に大変(ボタン穴の遊びが少なくて引掛かかりやすい)。
カバーのエッジが立っている。手を切りそうと言うほどでもないけど、ヤスリがけした方がいいかも。
液晶がモノクロ。最近はカラーパネルのアンテナアナライザをよく見かける。カラーの方が見やすいだろうなぁ。
液晶パネルがむき出し。これについては、カバー自体をアクリルにした方やアクリルパネルを上から貼った方という先例がある。
USBコネクタがMini(Microではなくて)。
と、アラ探しみたいなことばかり書いたけど、非常に気に入っている。その上で「こうだったらもっといいなぁ」というのが上の項目。
【追記】
下のコメント(JH8JNFさんとのやりとり)の通り、USB接続のときには電源はUSBから供給される。このときは、FA-VA5の電源スイッチをOFFにしておいても動作する。これが逆に災いして、電源スイッチ切り忘れにつながることも(USBケーブルを抜いたら電池動作に切り替わる)。液晶パネルのバックライトが消えていると気づきにくい。オートパワーオフはなさそう。USB接続した後は、気をつけるすべし。
使用例
アンテナ測定
以下のアンテナ測定は無線機側で測定したものなので、正確ではない。見え方の例ということで。
14 / 18 マルチダイポール
SWRチャート
インピーダンスチャート
スミスチャート
5バンド一括測定
予め設定している五つの周波数を一括で測定してくれる。ここでは、14MHzしか該当する周波数がない。
145MHz J型
シングル周波数モード
SWRチャート
インピーダンスチャート
スミスチャート
435MHz 2/3λヘンテナ
SWRチャート
インピーダンスチャート
スミスチャート
インピーダンス測定
シングル周波数モードのZ測定で、コイルのインダクタンスを測定している様子。
その他の測定
別記事で。
謝辞
Iさん、大変素晴らしい機器を安価に譲っていただき、ありがとうございました。
コメント
FWが1.07ですね。1.08が出てます。周波数範囲の設定が少し変わってるらしいです。すぐに上げてしまったので1.07との差は私はよくわからず…
あと、液晶表示のスナップショット、単体測定でのデータ保存とPCへの転送・ソフトでの解析というのもあります。
それから余り日本語の取説などに出てないようですがUSB接続の時はバスパワーになるらしいです。
ソフトの方、サイトからダウンロードしたキャリブレーションパラメータを読み込ませようとしても表示されないフォルダがあったりして、ちょっと難儀してます。
FW、1.08が出ているようですね。「お借りしている」という状況でしたので、アップグレードしないで使っていました。追々やってみるつもりです。
単体での測定結果を保存する機能もあるようですね。まだ試していません。単体での測定の様子を写真で掲示したかったというのもありまして。単体での画面キャプチャがあればいいのですけど。あるのかな?
それと、USB接続のときにはバスパワーになるのは間違いありません。FA-VA5本体の電源スイッチを切っていても電源が入ります。それが災いして(?)、電源スイッチを入れっぱなしだったことに気づかずにUSBケーブルを抜いてそのまま引き出しに仕舞い、次に出したときに電源が入りっぱなしで「あれ?」と。電池をだいぶ消費してしまいました…。オートパワーオフ機能はないようで。
単体での測定データも保存できて、そっちはソフトに転送ができます(そう書いたつもりでしたが、そう読めないかもしれないので念のために)
液晶のキャプチャの方はバイナリーで、バイナリー転送をサポートしてないとかですかね。シリアルでテキストデータだけ送ってるような感じですね。
単体測定データ→PCができることは理解しています。試していないので書きませんでした。すみません。
PCからUSBメモリのように見えれば、画像も簡単に持ってこられるのでしょうけどね。
あ、それからバッテリー
2.52VとあるのでNiMHではないかなーと想像してますが、マニュアルなどではアルカリのみ、と指定があるはずです。電圧が低いと測定に必要なパワーが出ないとかスプリアスが増えるとかあるかもですね。
あ、行き違いになりました。これは、上のコメントに書いたとおり、電源スイッチ切り忘れで消耗してしまったためです^^;
「◯V以下になったら電池を替えろ」とか指定はありましっけ?
加えて言うと、トップの写真が最後に撮影したもので、その際に電源スイッチの切り忘れと電池の消耗に気づきました。測定画面を撮ったときには、3V以上あったと記憶しています。
液晶表示のスナップショットを保存できます。
ただし、そのスナップショットを外に取り出すことは出来ないみたいです。
タイミングがシビアというか良くミスるのですが+ボタンと-ボタンの同時タップで保存メニューが出ます。時計の設定は内部保存のファイル名にタイムスタンプとして反映されます。
1.08では周波数範囲の設定が確かきりの良い数字になったんだったかな…
あと、国内代理店では取り扱いがないかもですが、イギリスにオーダーするとクッション入りの落とし込みタイプのケースもあります。キャリブレーションキットも入れられます。
バッテリー、了解です。PCにつなぐ時はいつも電源スイッチをオフにしておくと良いかもです。
液晶画面のキャプチャ、できました。単体で使う場合には有益だとは思いますが、画像として取り出せないので、それをブログに掲載することはできませんね。ちょっと残念。
ケースは、いわゆるタッパのたぐいで良さそうなサイズを探してみます。