PR

格安プリント基板製造業者の価格比較

格安のプリント基板業者がたくさん目につくようになってきたので、送料を含めた金額を比較してみる。

【関連記事】

条件

  • 100x100mm
  • 5枚と10枚の場合
  • 基板は1種類だけ(複数発注すれば、送料が割安になるだろうと思う)
  • レジストは緑、シルクは白など、最も一般的なもの(色は業者によってかなりの金額差がある)
  • 配送は日本宛の料金で最安値のもの(料金と日数のバランスで複数取り上げたものもあり。安くても最低日数が10日以上のものは除外)
  • 通常発注できる料金(「初回無料」などの特殊な条件は除外)

価格比較

調査結果は以下の通り(2021年10月18日現在)。

※JLCPCBの送料に記載ミスがあったため訂正(5枚の場合と10枚の場合がごっちゃになっていたりなど)。下の記事もそれに合せて修正。

枚数5の場合

メーカ製造費製造日数送料合計額運送業者配送日数
ALLPCB$5.002$12.00$17.00DHL3~5
ELECROW$4.904~7$7.30$12.20Sagawa7~10
ELECROW$4.904~7$13.90$18.80OCS/ANA3~5
Fusion PCB$4.903~4$14.77$19.67Japan Direct Line
5~9
Fusion PCB$4.903~4$18.18$23.08OCS2~4
JLCPCB$2.001~2$10.80$12.80DHL3~5
JLCPCB$2.001~2$2.99$4.99Standard Global Direct Line6~12
MakerPCB$1.002~5$22.60$23.60DHL4~6
NextPCB$0.001$13.13$13.13FedEx3~5
OSpcb$3.782$8.57$12.35SingaporePost7~15
OSpcb$3.782$17.51$21.29FedEx3~5
PCBBUY$1.002$21.00$22.00DHL2
PCBGOGO$5.001$16.00$21.00OCS2~3
PCBWay$5.001$14.70$19.70FedEx4~7

枚数10の場合

メーカ製造費製造日数送料合計額運送業者配送日数
ALLPCB$8.002$20.00$28.00DHL3~5
ELECROW$4.904~7$7.30$12.20Sagawa7~10
ELECROW$4.904~7$13.90$18.80OCS/ANA3~5
Fusion PCB$4.903~4$14.77$19.67Japan Direct Line
5~9
Fusion PCB$4.903~4$18.18$23.08OCS2~4
JLCPCB$5.001~2$15.80$20.80FedEx3~5
JLCPCB$5.001~2$9.66$14.66Standard Global Direct Line6~12
MakerPCB$2.002~5$22.60$24.60DHL4~6
NextPCB$0.001$15.45$15.45FedEx3~5
OSpcb$7.022$11.50$18.52SingaporePost7~15
OSpcb$7.022$17.51$24.53FedEx3~5
PCBBUY$2.002$21.00$23.00DHL2
PCBGOGO$5.001$16.00$21.00OCS2~3
PCBWay$5.001$18.23$23.23FedEx4~7

コメント

各業者のサイトを見たりしての感想等。これまでに実際に発注したことがある業者は、ALLPCB、ELECROW、Fusion PCB、PCBGOGO、PCBWay(アルファベット順)。

ALLPCB

なんと言っても、送料も含めて無料で作ってくれるのが特長。つまり、完全無料。2021年9月までは毎月1枚の完全無料クーポンを配布していたが、10月からはルールが変って有料発注をしたら翌月から六ヶ月間は無料クーポンをくれるそうだ。無料で作れるものはレジストが緑に限定されるとかの制限はあるが、100x150mm(0.015m2)までOKというのがすごい(枚数は5)。

製造は非常に速く、ステータスが細かく分かるのも安心。品質もいいと思う。しかし、送料が高めで、その点が残念。もっと安価な配送オプションを設けて欲しいところ。

それと、PayPalで決済するとPayPal feeが徴収されることに注意。


追記

ELECROW

初めてプリント基板を製造した時に利用した業者がELECROW(調べてみたら、2015年1月が最初だった)。

ELECROWの最大の特徴は、外形の扱いがとても緩やかなこと。おかげで、TTCW03などのようなケースを作ることができる。他の業者だと異種面付け扱いになり追加料金が発生するが、ELECROWは基本料金の範囲で製造してくれる。そのため、こうした基板の製造はELECROW一択。

V-cutを入れる場合でも、同種面付けなら基本料金の範囲。異種面付けは追加料金が発生する。V-cutの指示はシルク層か外形層に入れる。念のため、発注時のコメントでV-cut指示がある旨を伝えておく方が良い。

製造の進捗状況はわからない。問題があればメールが来る。なければそのまま製造されて、大体一週間くらいで発送の連絡が来る。

配送料金が安いのも助かる。

余談ながら、ELECROWへの発注について検索すると、ガーバーデータの各ファイル名を変更するようにとの記事がたくさん見つかるけど、KiCadで吐き出されたものそのままで大丈夫。そのまま提出してトラブルになったことは一度もない。

Fusion PCB

日本語が通じるのが安心。 サイトも日本語(ドメインも「.jp」 )。 ガーバーファイルをアップロードするとオンラインガーバービューワでチェックできる点も安心。製造日数は短いが、製造に入るまでに少し時間がかかる印象。

面付けも同種なら基本料金の範囲で対応してくれるのが良い。V-cutの指示は外形層に入れる。KiCadだと外形層には文字を入れられないので、私は直線と曲線を使って「V-cut」の文字を作って指示している。

JLCPCB

5枚の場合は$2.00、送料$2.99(Standard Global Direct Lineの場合)、合計で$4.99と非常に安価。しかも、製造日数も1~2日と速い。一度使ってみようかな。


追記

MakerPCB

5枚で$1.00、10枚で$2.00と非常に安いのだけど、配送料金が非常に高い。

SSL/TLSサーバ証明書が2021年10月12日で切れたままになっているとか、サイト運営に不安を感じる (2021年10月18日現在) 。

NextPCB

なんと、基板製造費は無料。しかも、4層まで。ただし、NextPCBのロゴが印刷される。複数発注でも全部無料かどうかは不明。

ロゴなしの場合は、2層までは$2.00、4層は$6.00(5枚でも10枚でも同額)。

しかし、送料が安くないのが残念。せっかく基板が無料なのに、合計額ではそれなりの金額になってしまう(送料は高い方の部類ではないのだけど…)。

OSpcb

SingaporePostが使えて、そこそこの配送日数でコストも安いが、製造費があまり安くはない。

PCBBUY

製造費は安いが、配送料が高い。

レジスト色に「Sakura Pink」があるのが特徴(安くはないけど)。

PCBGOGO

日本語でOK。サイトも日本語(ドメインも「.jp」 )。速くて品質も良い感じ。 オンラインガーバービューワも便利。

配送もOCSが使えるので比較的安い。

PCBWay

日本語でOK。サイトも日本語(ドメインも「.jp」 )。速くて品質も良い感じ。オンラインガーバービューワも便利。

配送料がやや高い。安いe-Packet(5枚の場合で$9.26)も使えるが、配送日数が20~45日もかかってしまうので、現実的には選択肢に入らない。

まとめ

まとめってほどのことでもないけど、基板製造費が安い分、結局の所配送料に左右されるって感じ。

急ぐ場合は、ALLPCB、PCBGOGO、PCBWayあたり。日数よりもコスト優先ならELECROW。安い上に速いのがJLCPCBとNextPCBってところか?NextPCBはロゴ入りなら基板は無料(送料だけ)。

ケース作りに使えるほどの複雑な形状ならELECROW。複雑な外形と見なしてくれるようなので。JLCPCBやNextPCBではそこまでやってくれるかな?それとも、異種面付けととらえられるか?

コメント