UNEクワッドアンテナとは
1λループ系のアンテナで、形が縦長、給電点が角というとてもシンプルなアンテナがある。ちょうど店先ののぼり旗みたいな感じ。UNEクワッドアンテナというそうだ。詳細は以下のサイト。
UNEクワッドアンテナの製作
http://www2.jaqrp.org/2015/05/bulletin-2015-05/#jaqrp58-2-4
こちらによれば、縦が2.2m、横が93cmで、50.36MHzに同調するらしい。
MMANAでシミュレート
とても興味深いのでMMANAでシミュレートしてみる。
オリジナル形状
まずは、オリジナル形状。つまり、2.2m × 0.93mで。条件は自由空間。
こんなにシンプルで、本当にSWRが落ちる。よく見ると、ややインピーダンスが低い。共振点(X=0)で46Ω位。ちょっと調整してみる。
横を縮める
単純に横のエレメントを5cm縮めてみる(0.88m)。縦はそのまま。
エレメント長が短くなるので、当然、共振点は上がる。それはそれとして、共振点ではさらにインピーダンスが下がってしまった。
横を伸ばす
縮めたらインピーダンスがさらに下がったので、今度は5cmほど伸ばしてみる(0.98m)。
予想通り、今度は共振点が下がってインピーダンスが上がった。
最適化
このまま手動で調整してもいいのだけど、MMANAの最適化機能を試してみる。
見事に最適化された。
このときのエレメント長は、縦が2.169m、横が0.966m(0.97307-0.00693)。X1(原点)も動いてしまっている。X1を0に戻して、X2をその分調整する。また、X軸とY軸の使い方を間違っていたので、入れ替える。
リアルグランドでは?
ここまでは自由空間でのシミュレート。では、リアルグランドではどうか?高さは3m。
角で給電しているので左右がアンバランスになっている。現実的には誤差のうち?
高さを10mにするとこんな感じ。
他のアンテナと比較
似たような形状の他のアンテナはどうか?
ヘンテナ
3m高のリアルグランド。ほとんどが水平成分。なお、このアンテナデータは、MMANA GAL-Basicのファイルに入っていたもの。よく見たら75Ωになっている。50Ωにするには多少形を変形する必要があろうが、放射パターンは(ほとんど)変らないだろう。
Skydoor
給電点にコンデンサを入れてインピーダンスを調整するというもの。
自由空間
リアルグランド、3m高
リアルグランド、10m高
放射パターンはヘンテナとほぼ同じ。インピーダンスマッチングをコンデンサで行っているためか、インピーダンスの変化が特徴的。
まとめ
UNEクワッドはとてもシンプル。三つの中では最も小型。オフセット給電のような格好になっているためか、放射パターンに多少偏りが出る。帯域はSWR<1.5が約670kHzと割と広い。
ヘンテナは下側エレメント(スタブ)があるため、三つの中では最も大型。SWR<1.5の帯域は約620kHzとUNEクワッドよりやや狭い。ただし、このシミュレーションは75Ωで行っているので50Ωで調整すると多少変る可能性がある。
Skydoorはヘンテナよりも小いにもかかわらず、放射パターンはヘンテナとほぼ同じ特性を示してくれる。ただし、帯域は若干狭い。SWR<1.5は400kHzほど。
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