Amazonを見ていたら、温度調節ハンダゴテが目に入った。
- Zacro 6 in 1電子はんだごて セット 半田 温度調節可能(200~450℃)5個交換コテ先付き 60W 110V
温度調節機構の付いたハンダゴテに替えのコテ先やら吸取り器やら6点セットで1,799円とは何とも安い。
他にもいっぱい出てきた。
- Patech はんだごて 半田ゴテセット 電気はんだこて 温度調節可能 ダイヤル式 交換コテ先付き 収納ケース付き 60W 100V
こっちはケースまで付いて2,199円。
もっとすごそうな(?)のもある。
- Thuctek はんだごてセット 60w 温度調節(90℃~480℃) LED温度表示 帯電防止 内熱式 自動休眠 故障アラーム 作業台付 改良版半田ごて 家電修理 焼画 DIY工具
こちらはコントローラが据え置きタイプで温度はデジタル表示。やや高くて3,299円。
しかし、ちょっと冷静になれば、こういう道具は名の知れた国内メーカの方が安心な気がする。
- goot 温調はんだこて PX-201
- 白光 ダイヤル式温度制御はんだこて FX600
白光(HAKKO)FX600と太洋電機産業(goot)のPX-201、どちらも同じくらいの価格。ちょっと比較してみよう。
FX600-02 | PX-201 | |
---|---|---|
メーカ | 白光株式会社 | 太洋電機産業株式会社 |
消費電力 | 50W | 70W |
設定温度範囲 | 200~500℃ | 250~450℃ |
リップル温度 | 無負荷時±1℃ | 無負荷時±5℃ |
絶縁抵抗 | 100MΩ以上(500V DC) | |
ヒータ | セラミック | セラミック |
全長 | 233mm | 210mm |
重量 | 61g | 90g |
ケース | なし | あり |
定価(税別) | 5,800円 | 5,600円 |
Amazon価格(税込み) | 3,936円 | 3,654円 |
仕様は各公式ページから。全長や重量は標準のコテ先を付けた状態。Amazon価格は2017/11/12調査。
こうして比べてみると結構違う。リプル温度の違いが結構大きのでは?重量も1.5倍違う。プリント板の組立てを想定するとFX600の方がいいかな。
さて、温度が調整できるとなると、一体何度に設定すればいいのかという疑問が^^; これも調べてみると、白光のサイトに情報があった。
一般的にはんだ付け時の最適温度は、
(1) はんだの融点 + 50ºC = はんだ付け部の最適温度
(最近では、はんだの融点 + 10ºC~部品の耐熱温度ともいわれています。)
(2) はんだ付け部の最適温度 + 100ºC = はんだこての最適温度 といわれています。例えば、はんだの融点が 180ºC とした場合、上記の式をあてはめると
180ºC + 50ºC = 230ºC
230ºC + 100ºC = 330ºCとなり、はんだこての最適温度は330ºCになります。鉛フリーはんだの融点は共晶はんだに比べ約30ºC高くなりますので、 上記の式をあてはめるとはんだこての最適温度は、約360ºCとなります。
【引用元】
鉛フリーはんだを使用するとなぜ、酸化しやすい?
https://www.hakko.com/japan/hint/topic_oxidized.html
コメント
こんにちは。
会社で鉛フリー基板の修理などもしているので、
はんだ付けの社内トレーナーとして、はんだ付けを教えています。
いろんな仕事してるでしょ(笑)
そうですね。
やはり皆さん「はんだごて」って値段で選んじゃうんですよね・・・
おすすめは・・・
①ACコンセントに接地端子が付いている物。
②こて先に温度センサーが付いている物。
③パワーのある物。
①は、いわゆる「2極接地型プラグ」付の物です。
家庭の2Pコンセントでは無意味ですが、
基板を触るときは接地していないとICを壊します。
もしご自宅のコンセントが「2極接地型プラグ」付きならこの仕様の物がベストです。
②は、こてを当てた時、こて先温度が下がりますので、
センサーで温度検知して、こて先温度を上げてあげる必要があります。
③は②に関連するのですが、いかに早く温度を上げられるパワーがあるかですね。
はんだ付けでよく言われる「はんだの濡れ」にも影響します。
将来、はんだクラックなどでトラブルが出ないよう、
良いはんだ付けをするにはそれなりのはんだごてを
購入しておいた方が良いと思います。
出来たら白光のステーションタイプ、
FX-950、951、952あたりがあると良いですが高価です。
ただ一生物でFX-950あたりを購入しておくのも良いと思います。
価格と機能を考えるとFX-601が良いのかなと思います。
温度センサーは付いていませんが、温度が下がってからの立ち上がりが良いですし、
容量もあるのでアマチュアには色々な用途に使えると思います。
白光の良い点はこて先のバリエーションが豊富なので用途が広がります。
こて先の価格も安くはないですけどね(笑)
こて先の酸化の話ですが、
社内で教える時も、未使用時はこて先にはんだを盛るように指導しています。
これをするのとしないのでは、酸化の進み具合がまったく違います。
特に使用後は必ずはんだを盛ってから電源を切るようにしましょう。
また、鉛フリーはんだは共晶はんだに比べ温度が高いため
フラックスが焦げ付きやすく、こて先が真っ黒になります。
はんだ付け初心者が真っ黒になりやすく、熟練になると黒くなりません。
こまめにスポンジで清掃する事を心がけると、こて先を長持ちさせられます。
もし共晶はんだと鉛フリーはんだ両方使う場合は、
こて先も共晶と鉛フリーで使い分けるようにしましょう。
私は自宅でも白光のステーションタイプを使っています。
だいぶ古い物ですが長持ちしていますよ!
こて先も2mmと3mmの先が斜めにカットされた物を使っています。
先が尖っている物より使い勝手が良いです。
参考になれば!!
詳しいお話、ありがとうございます。
FX-601、気にはなっていました。コネクタなどの大物がメインならそっちがいいかなと思いましたけど、基板などの方が多いことを考えればFX-600かなと。メーカサイトにもそのような記述がありましたし。もう少し調べてみます。
それから、コンセントですが、壁には3Pで来ています。なので、アース付きでも不可能ではないです。実際に使う場所まで引っ張ってこなきゃいけませんが。しかし、アース付きだと電源コードが太くなって取り回しが悪いかなとも思います。
今メインで使っているのは数十年前に購入したコテペン40というコテです。ひょんな事で、数本持っています^^; どういうわけか、コテ先は傷まないのでずーーーーーっとそのままです。
コテ先の形状は慣れですね。一番最初に使ったはんだゴテは斜めカットのいわゆる竹槍型でした。コテペン40も何種類かコテ先を持っています。細い斜めカットも。でも、いつの間にか、先の細い尖ったタイプが好みになりました。
こんにちは。
はんだ付けは温度で行います。温度は設定できるようになっていますから容量が大きくても温度は一定です。W数が大きい方が下がった温度を素早くフォローしてくれますのでICの電源/GNDのベタパターンに対してははんだ付けしやすいです。ステーションタイプなんて70Wもあります(笑)
まぁコネクタはW数の多きいほうがやりやすいですね!
ステーションタイプをお勧めしたのはこの辺の理由もあるんですよね。3Pでもこてのケーブルは細く、取り回しはとても良いです。1万円くらいで買えれば私も良いステーションタイプのはんだごてが欲しいのですが(笑)
確かにそうですね。私も昔は先の尖った物を使っていました。私はSOP/QFP/BGAなどを交換するときブリッジしたはんだを吸取り線など使わずに、こてだけで取り除きます。この時は尖った物より斜めカットの方がはんだを取りやすいので、私はそちらに慣れてしまいました(笑)
出来れば現物を手に取って購入したほうが良いのですが、候補の品物を全て見比べられるショップはないでしょうね(笑)
ではまた!
FX-600とFX-601、消費電力で比べるとFX-600の方が大きいです。FX-600: 50W、FX-601: 47W。しかし、FX-601の方が「高熱容量」っていうことになっているんですよね。不思議です。やはり、現物を見てみたいところです。
本当ですね!気付きませんでした(笑)
「交換部品」の項目を見ると同じヒーターを使っているので、
ヒーター自体は540℃まで上げる能力を持っているのでしょう。
単純にコントロール部の設計が違うだけだと思います。
関係ないですが、白光のHPに色々な動画があるんですね。
商品だけでなく同軸ケーブルのはんだ付けとか、各種ICのはんだ付けなど、
上手な人がやっているので見ていて楽しめます(笑)
http://www.hakko.com/japan/product_videos/video_all_feature….
FX-600とFX-601の違い、メーカに問い合せてみました。回答を頂いたので、後日、改めて書きますね。