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生成AIで回路設計をやってみようとした話(トラ技2024年12月号補足)

生成AIにプログラム(ソフトウェア)を書かせる話は割とよく聞く。実際、マイコンのプログラムを書いてもらったことがある。仕様書をみながらのレジスタ設定に頭を悩ますことなく、とても楽。UNIX系のシェルスクリプトやワンライナなんかもかなり良いという印象。

ならば回路設計もできるんじゃないかと思うのは自然だろう。ところが実際にやらせてみるとひどいもの。まったく使い物にならない(おそらく、回路設計に関しての学習はあまりやっていないのだろう)。そのあたりの話をソフトにしてトラ技(2024年12月号)で書いた。

トラ技の誌面ではまとめのような話だけが掲載されているけれど、生成AIと対話した記録も残している。さすがにこれをそのまま掲載するとページ数を食うばかりだし、結果が良いならまだしも、ダメな話だから…。

ということで、その残してある対話の記録をここに掲載しておく(担当者さんには連絡済み)。なお、これは試してみた当時のもの(2024年9月)。当然ながら、日々進化しているので今は違うだろう(実際のところ、この記事を書いている11月の時点ではBing ChatはUIが変ったりもしているし)。

回路図作成(無安定マルチバイブレータ)

まず、電子回路の設計の例として、トランジスタを使った無安定マルチバイブレータを設計させてみたもの。これは、ChatGPTを使った(無料版。以下同様)。

回路図がひどすぎる。画面だと上手くかけないのかもしれないので、CADやシミュレータのファイル形式ならできるんじゃないかと思い、LTspiceのファイル形式でと指定してみた。

それらしい回答だけど、ファイルをダウンロードしたら形式が違う。

結局、目的のファイルは作れず、代りに回路図の書き方を教えてくれた。

同じことをGoogle Geminiで試したらファイルは作ってくれたものの、LTspiceで開こうとするとエラー。

Claudeでもファイルを作ってくれ、LTspiceで開くことができた。が、図(配線)がでたらめ。

Perprexityも同様で、ファイルは作ってこれたものの、内容はでたらめ。

回路設計の相談

回路を設計してその回路図を書いてもらうのは無理そうなので、方向を変えて回路の設計の相談に乗ってもらうのはどうかと考えた。

試しに、昇圧回路を作る相談をしてみる。これはClaudeでやってみたもの。

回路方式やICの選定までやってもらうことはできた。

提案されたものが実際に使える(自分の希望を満足させる)ものであるかはしっかり見なければならないが、まったくアイデアを持っていない状況なら手がかりを探すことはできそう。

入手性については今ひとつな内容だったので、Geminiにも聞いてみた。

こちらも具体的とは言えない回答だった。

プレゼン資料作り

もう一つ別の方向で、教育的なプレゼン資料作りをやってみた。これはBing Chatでのもの。

わかるようなわからないような、何とも…。

図があったほうが良いとのアドバイスだったので、それも作るように依頼してみた。

これは使い物ならない。的外れすぎ。


以上、トラ技の記事を書くにあたってやってみたこと。ハードウェア設計への利用には程遠い。設計のアイデア検討(壁打ち)になら使えるかなという感想。

その他
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