最近は趣味の電子工作でも表面実装部品を使う機会が増えました。表面実装部品は小さいので最初は少し難儀しますが、慣れてしまえばとても楽です。本編にも書いたように、小さくて見えないのはルーペを使えばほぼ解決しますので。
実装する機会が増えれば取り外す機会も増えます。チップ抵抗やコンデンサなどは、はんだこてを二本使って両方から温めれば簡単に取り外せます。しかし、ICを外すにはこてを二本持ってきてもちょっと無理。ホットエアーなどの出番となるのですが、そういう道具がなくても手近にあるものを使うと割と簡単に取り外すことができます。
使うものはちょっと太めの銅線。スズメッキ線などでもOKです。SOP-14パッケージのICを例に、実際の手順を紹介します。
まず、銅線をICの形に合せて「コの字」に曲げます。ここでは、0.8mmのスズメッキ線を用意しました。
ICの足に、ややぼってり目にはんだを盛ります(写真remove_sop_010)。
そこに先程のコの字に曲げた銅線を乗せてはんだこてで加熱します。
すべての足が温まるように、こてを移動させてICの両側を加熱します。様子を見て、必要そうならはんだを追加します。このあたりは何度かやっていると勘所が掴めてきます。全体が温まるとICがスッと動きますので、ピンセットなどで掴んで外します。
外したあとは、基板をはんだ吸取り線とフラックス除去剤で掃除するときれいになります。
外したICと銅線が下の写真です。最近のICは割と熱に強いので再利用も可能だろうとは思いますが、比較的長い時間の加熱による熱ストレスが掛かっていますから、あまりおすすめはしません。
銅線は繰り返し使えますので、捨てずに取っておくと良いと思います。ここでは0.8mmのものを使いましたが、他のサイズでも構いません。細いよりは太いほうが良いと思います。
上にも書きましたが、何度かやってみるとコツが掴めてきます。ジャンク基板などを使って、練習しておくとよいでしょう。
トラ技の本編でははんだ付け関連の便利な小道具を紹介した。
コメント